親から子どもへのモラハラ連鎖って、どう起きるの?どうしたら防げるの?


モラハラの影響は、夫婦の間だけにとどまらず、子どもにも深いダメージを与えることが多いんです。

きのう今日で、モラハラ連鎖についてお悩みの美人さんと話すことが続きました。

なので今日は、私自身の子ども時代の体験を通じて、モラハラ関係にある両親のもとで育つ子どもがどんな影響を受けるのか。

そして、母親として、どんな行動をとれば、その悪影響を減らせるのかを書いてみます。

日常的に父にモラハラされていた私の母は、私と一緒にいるときも、心ここにあらずでした。

幼い私は、「お母さんはお父さんのことで悩んでいるんだろうな」と察して、隣でおとなしくしていました。

小さな私にできることなど何もないとわかっていた記憶があります。そう思いながらも、「お母さん、私はずっと味方だよ」という気持ちを伝えたくて、ただ寄り添っていたんです。

あの時の母の匂いとか、夕暮れの色、向こうに見えていた景色など、今でも蘇ります。私、悲しかったんです。

母から見れば、その時の私は単に甘えていただけに見えたかもしれません。

でも、母を助けたくて、ほんとにほんとにそれだけだったんです。


父が母に怒りをぶつけると、何とかその場を収めようと、私はピエロ役を買って出て父を笑わせようとしました。

「両親の感情の変化を敏感に察知し、何かが起きそうになったら自分が空気を変える。カラダを張って母を守る!」

それが、どこまで功を成していたのかはわかりませんが、自分の中ではそれが日常になっていたんです。

でも、子ども時代に、そんな境遇に身を置くなんて、やっぱり異常なんですよね。

結果、私は生きづらさを抱えました。

人の顔色ばかり気にして、自分の気持ちに集中できない。離人感がひどくて、その場に集中できない。勉強してても全然身が入らない。

とにかく、自分の周りにいる人が、今どんな気持ちなのか?そればかりが気になってしまって、いつも不安で満たされなくて・・

かんぜんに自分がない状態。

誰と一緒にいても、どこにいても、心がぽっかり空いていて、孤独を感じてしまうんです。

その孤独を埋めたくて必死で誰かと仲良くしようとするのに、いつもうまくいかない。

私のほうが勝手に相手ばかりを優先するから、友達や彼氏だって、一緒にいてもつまらなかったのでしょう。

今だからこそ断言できます。結局、その頃に私から離れていった人たちは、人間関係に、上下関係なんて求めてなかった。対等につきあえる相手を求めてる、普通にまっとうな人たちだったのです。

でもね、その時も薄々は気づいていたんです。「ちゃんと自分をもたなくちゃ」って。

だから、時々自己主張もしてみました。

でも、家庭の中で適切な自己主張も学んでいない。だからこんどは、強く出すぎてしまい、父のような上からの言動になってしまう。そして一気にドン引きされたりして。

そうやって、さらに孤独が深まっていく悪循環。どうあがいても、人と良い関係を作れずに、メンタルがどんどんやられていく・・


これが、モラハラの連鎖をしてしまった子どもなんです。(もちろん、私のようなのがすべてではないでしょうけれども)。


それでも私はラッキーでした。ありがたいご縁に恵まれました。そのご縁に恵まれたからこそ今、こうして元気に生きています。

その出会いによって、私はようやく、まっとうな人間関係をつくる方法を学ぶことができました。

その後は、心理学を学び、精神障がい者支援にも携わりながら、なぜ父が、自己愛性パーソナリティ障害になったのか?なぜ母とモラハラ関係になっていたのか?その原因を腑に落とすことができました。

そして、飲食店の女将やバーテンダーなども経験するうち、相手が誰であろうとも自分を守れる、そしてその場のみんなが楽しい気持ちになれる。そんなコミュニケーションを身につけることもできました。

今、私の娘は13歳ですが、めっちゃスクスクと育っています。今の娘は、当時、私が憧れていたタイプの女の子。

学校の先生たちにも、舌を巻かれているほどのコミュ術で、自分を大切にしながら、人と対等に繋がり、毎日を楽しんでる。

そんな娘を見ていると、幼かった頃の自分がホッとして泣き出します。

私は、娘を幸せにしてあげられていることが嬉しい。自分で自分を幸せにできる子に、娘は既になっているから、親の私がいつこの世を去っても大丈夫と思います。

私が変わっておいて、しっかりとアダルトチルドレンを抜けておいて、本当に良かったと感じます。そして、人は誰だって、その気になれば変われるんだと実感しています。

クライアントさんの多くが、子どもへのモラハラ連鎖を心配しています。

その心配は杞憂だよ、と言ってあげたいけれど、でもお子さんのために、その場しのぎで安心させてあげるというのは、良くないかなと思います。

子どもの幸せ、生きやすさは、親のそれに直結してます!

親がモラハラに悩んでいる様子を見ていれば、子どもは無意識にその影響を受け、モラハラをするか、される(誘発する)かのマインド、思考、コミュニケーションを引き継いでしまいます。

この時、モラハラする側とされる側は表裏一体。根本の心理構造は同じであることは、ぜひ知っておいてほしいです。

もし、今、あなたが夫婦関係や、そのほかの対人関係に大きな悩みを抱えているならば、そして、それによってお子さんが悪影響を受けてしまうと心配ならば・・

今すぐに、自分を苦しめるその人間関係、そして、ご自身と向きあってみる必要があると思います。

あなたが、自分の今の問題を解決して幸せになっていく。

そのプロセスをしっかりと見せてあげることこそが、お子さんをモラハラ連鎖から救う手立てなんです!

つまり、あなたは、お子さんのためにも自分で自分を幸せにする必要があるのです!

というわけで、応援してます。

それではまた。

追記:とはいえ、お子さんが生きづらさを抱えたとしても、いつかその子が大きくなった時に、本人がその気になれば、その生きづらさを解消できますよ。でも、親としては、できれば、そんな遠回りをさせたくなくないですか?それに、その時には親子の絆が壊れているかもしれないです。

いいなと思ったら応援しよう!