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11.お別れの朝

2024年1月4日
朝の9時になった

産院への電話は夫にしてもらい
すぐに診てもらえるということで
2人で車で向かった

まだ休日だったため
入り口のインターホンを鳴らして
ドアを開けてもらった

出産を終えて
入院されている方はいても
診察を受ける人は
私以外にいない

受付後、診察室へ通してもらい
これまでの経緯を説明した

その後すぐ
流産の原因を調べるため
今朝自宅で出会えたばかりの
大切な命を引き渡す

2ヶ月という短い期間だったが
お腹の中で頑張って生きてくれた
尊い命

我が子とのお別れの瞬間は
自分の無力さと喪失感を感じた

その後、子宮をエコーで診てもらい
残っている胎盤は
薬を使って自然に体外へ排出させると説明され
排出を促す薬を処方された

1週間は安静にすることを告げられ
次回の診察予約をして家へと戻った

家に戻ってからは
ただ静かに過ごした

トイレに行く度
多量の胎盤が流れ出てくる

最初は普通にトイレの水を流していたが

あまりの量に
そのうちトイレが溜まってしまうのではないかと
心配するくらいの
大きな塊が幾つも出てくるので

途中からは
新聞紙で包んで
ゴミ袋に入れるようにした

赤ちゃんが育つお腹の中のベッドは
こんなにも分厚い組織で
できているんだと
その時はただただ感心していた

まさか
その後自分の身に異変が起こるなんて
まだ何も予想もできなかった

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