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14. 入院。そして回復

病院に着いて、すぐに診察台に通されて
多量出血を止めるために
残りの胎盤を掻き出す処置が行われた

あと少しの胎盤が出きらずに
出血が続いていたそうで
全てを取り除く処置が終わったら
もう心配はないと言われた

貧血の検査をすると
数値は基準値を下回っていた為
1日入院して
点滴をしてもらうことになった

夫は家に戻り
歯ブラシや着替えを持って
戻ってきてくれた

今日はしっかり病院で体を休めて
早く元気になってね。
明日の夕方迎えに来るからと言って
家へ戻っていった

その後は看護師さんが
車椅子を用意してくれて
私は個室へ案内された

家を出る前から流していた涙は
まだ止まるどころか
どうしようもない感情に負けて
流れ続けていた

その私の涙に気付いた
優しい看護師さんは
ティッシュをそっと渡してくれて
心に寄り添ってくれた

その後は点滴を受けながら
寝る時間になっても
なかなか眠ることができず
夫と何度もLINEで会話をした

今回私が倒れたことで
大袈裟かもしれないけど
いつも元気でいてくれることの
有り難みを改めて感じたと言ってくれた

またそのLINEを読んで
涙が溢れた

人生の終わりがいつ来るかは
全く予想もつかないけど

1日でも長く
夫婦で元気に笑って過ごしたい
そう思った夜だった

朝になり、日が昇り
血の気の引いた白い腕に
点滴の管が通っている

自分の腕が
か弱く見えたのは初めてだった

病院のお食事は
自分では作らないような
栄養満点の丁寧な献立で

普段自分が家族に作っている料理を
食べてくれている家族に
少し申し訳ない気がした

夫にお食事の画像を送信すると
しっかり食べて元気になってねと
また優しい言葉をくれた

そしてあっという間に夕方になり
仕事を終えた夫が迎えに来てくれて
無事家へと戻ったのだった

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