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「心地よい方を選び続ける」ために~「ワーキングメモリ」を意識するという方法~
最近、強く意識しているのは、「大切なことのためにパワーを使う」こと。そのきっかけは、先月受講したマインドマップの講座で聞いた、脳内の「ワーキングメモリ」のお話でした。
講座の中で聞いたお話はこんな感じ。
人間、たとえ些細でも気になることがあると、メモリの容量がそれに占拠され、徐々にメモリの残容量がなくなり、判断力や思考力が落ちる
超ざっくりした要約ですし、厳密に「ワーキングメモリ」というのを説明し始めると奥が深いようなので、これは一側面の話としてとらえていただくといいと思うのですが。
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例えば、TV番組に思わず熱中したり、あるいは深刻な考え事をしているときに、家族に「ねぇねぇ…」と話しかけられて、気もそぞろに見当違いの返答をしてしまうこと、ありますよね。
あれって、心を占める気がかりがあって、集中すべき対象に注意を注げていないことで、適切な判断(=返答)ができていないという状態。
家族との会話なら「ごめんごめん、もう一回言ってくれる?」でやり直しがきくでしょうが、これがもし、「運転中の信号の見落とし」や人生を左右するような「プロポーズの返事」(笑)だったら、大変!
……例が極端とはいえ、つまり日常生活でも、「今」や「やりたいこと」にクリアな脳で臨めないことで「自分にとってベストではない判断やアクション」をとってしまうことがあり得るということ。
だからこそ、いかに「くだらない気がかりやモヤモヤをさっさと手放して、ワーキングメモリに余裕を持たせておくか」に注意を向けるようになりました。
そうして過ごし始めて約1カ月……様々な物事に対して
・クヨクヨ悩むことなく
・先回りして取り組み
・スピーディーに進められている
と、そんな印象なのです。
そこで、最近実際に行ってよかったことをご紹介します。
1.メモしておく
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「トマト買わなくちゃ!」
→ 「忘れないようにしなくちゃ」
→ 頭の中で「トマトトマトトマト」……
→ 何か別のことをして忘れる
→ スーパーで「あれ?あと何買うんだっけ?」
→ 家に帰る
→ 「トマト買い忘れた!」
→ 最初に戻る(以降繰り返し…)
日常生活でよくあるこんなシーン。
これは、「買い物し忘れる」ことによる損失はもちろんですが、「ワーキングメモリ」視点でもめちゃめちゃムダですよね……。
だから、記憶にはもう頼らないと決める。
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買い物に限らず、やりたいこと、やらなきゃいけないこと、覚えておきたいことは、すべて書くと決める。(当たり前で言い古された話ではありますが……)
付箋でもスマホでもメモをしておくだけで、安心して忘れることができ、ワーキングメモリが空くことを感じられるはず。
2.仕組み化してしまう
1が「とりあえず書いておく」のだとしたら、この2は「気がかりが生まれた瞬間に、今後同じ気がかりに対して解決できる仕組みを準備してしまう」というもの。
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例えば、私は読みたい本に出合った時、その場でスマホから「図書館に予約する」ことにしていますが、場合によっては「図書館にその本がない!」ということも。
そうすると、「買う?→メルカリに出品されている?→高いなぁ→書店で買う?メルカリの安い出品を待つ?」のように、本一冊について考え続けることになり、ずーっとモヤモヤが続く。
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ワーキングメモリの話を聞いてから、このグルグルした思考はムダだ!と気づき、他市町村の図書館からの取り寄せや購入をお願いできる「リクエストシート」を手帳にしのばせることにしました。
蔵書にない本に出合ったら書籍の情報を記入して、図書館バッグに入れれば対応完了!
「ワーキングメモリ使ってるな…」と気づくだけで「だったらこうしてみよう」とパッと思いつくシーンは増えるはず。全てに対しては難しくても、ちょっと意識を高めるだけで意外と「その場で用意できる仕組み」は多いものです。
3.「いまは考えない」と決める
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心に浮かぶ気がかりやモヤモヤは、すべて「いま解決する必要がある」「いま解決できる」ものばかりとは限りません。
モヤモヤや気がかりを手放す方法=「解決」と思いがちですが、「建設的な先延ばし」も選択肢の一つだと思っています。
私は1カ月半前から、毎朝付箋にマインドマップで1日を可視化しているのですが…その中に、「明日以降取り掛かること」を書き込んだ緑の枝を用意しています。
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本来は「今日」を可視化した付箋なので、この枝は必要ないのですが……一日過ごす中で「あ!今度これもやらなきゃ!」と思い出したら、ここに書き足せるという安心感も。
この枝に象徴されるように、「今日はやらなくても大丈夫。そして、忘れてもいないから大丈夫」と明確に違う場所に置いておくこと。そうすることで「今日やること」に集中できるんですよね!
4.気がかりを分解する
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やることがワ~ッ!!っと押し寄せてくると「どこから手を付けたらいいの?」「これで抜け漏れはない!?」と不安やパニックに襲われることもありますよね。この「どうしよう」「大丈夫かなぁ?」という漠然とした心配も、ワーキングメモリの無駄遣いだと気づきました。
そこで行ったのは、気がかりを俯瞰して分解すること。
実はわたしは幼稚園の保護者会の会長でして、しかも実は2回目……。経験をもとに先が見通せる分、「あれもやっておかなきゃ」「これどうしたらいい?」と先々に関する気がかりが一気に押し寄せたのが冬休み前のことでした。
冬休み中にメンバーに連絡してお休み気分を邪魔するのも本望ではないとなると、学期末に片づけておくべきことと、3学期に入ってからすぐに動き出すことの整理をしておきたいと思い行ったのが、気がかりの分解。
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自分の気になっていることをすべて書き出して、「いま片づけられることは何か」「関係者と何をいつまでに確認・依頼しなくてはいけないか」「事前に根回ししておくべきことは何か」などを整理しました。
「漠然とした不安」を「明確なタスクへ」と分解し、一つ一つの正体を暴くこと。
これさえやっておけば、片付いていないものがあっても「いまやらなくて大丈夫」「次にやるのはこれ」と安心とともにワーキングメモリのゆとりが手に入りますよ!
おかげで、冬休みは能天気に過ごせています!
大事なことだけ考えよう!
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高校時代、猛烈に尊敬する先輩からもらったのが、「深刻にならず、真剣に」という言葉。
グルグル同じ場所で思考し思い悩むことは「深刻」であり、ただただワーキングメモリが占拠される状態といえそうです。
対して、「真剣に」向き合うことは、必ずしも考え続けることが手段とは限らない。真剣に向き合って「一旦手放す」、あるいは「真剣に考えられるだけの心と脳のキャパシティを確保しておく」という選択肢も忘れないように。
心地よいものを選び続けるには、クリアな頭が必要。2022は「ワーキングメモリに余裕を持たせる」実験、ご一緒にいかがでしょう?
2021年12月、WordPressでWEBサイト「じぶん実験室」を立ち上げましたが、2023年6月より、noteにお引越しを始めました。
2021年12月~2023年6月の記事は、WEBサイトに掲載していたコンテンツをそのまま移行したものです。