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「リーダーシップ」と「マネジメント」の違いや関連を言語化・図示化してみたよ

こんにちは、こがねんです。メガベンチャー人事で「組織開発」をしています。

今日は「リーダーシップ」「マネジメント」という日頃よく使うわりには定義があいまいなキーワードについて、徹底的に言語化・図示化してみようという記事です。

みんな大好き「リーダーシップ」と「マネジメント」

「組織開発」とは「人の集まり」を共通の目的に向かって協働する「チーム」にしていく働きかけのことですが、中にいる一人ひとりの「人」に働きかけること、つまり「人材開発」とは切っても切れない関係性です。

そして「組織開発」や「人材開発」に語る中で避けて通れないテーマに「リーダーシップ」と「マネジメント」があります。

「リーダーシップ」と「マネジメント」という言葉の意味を正確に説明できる人ってどれくらいいるでしょうか。とりわけこの2つの「違い」や「関連」を説明するのってけっこう難しいんじゃないでしょうか。

少なくとも僕には難しいお題でした。事実、人材開発・組織開発領域にフォーカスしてきた過去4年間の間、ずっと考え続けてきたのに、ずっと整理できずにモヤモヤしてきました。

なんとなくはわかるんです。「リーダーシップ」はなんとなく皆をリードして導いていく感じがするし、「マネジメント」はなんとなく皆で成果を上げるために調整する感じがします。

この「なんとなく」「感じ」を言語化・図示化してみたい。そして積年(4年だけど)のモヤモヤを今日を最後に解消したい。

そんな思いでこのnoteの筆を取ったところで「そうだそうだ!せっかくだから他の人の意見も訊いてみよう!」とツイッターにこんな投稿をしてみました。

すると、見る見るうちにリプ欄が「僕の私のリーダーシップ・マネジメント論」で盛り上がりましてすごいことになりました。軽い気持ちで訊いたことを若干後悔するくらいの勢い。みんな「リーダーシップ」と「マネジメント」大好きなんですね。笑

ありがたいことに頂戴するご意見の1つ1つが非常に示唆に富んでおり、拝見しながら「ああ、リーダーシップとマネジメントには、こんなにいろいろな表現・視点・切り口があるんだな」ということを思い知りました。

たとえばこんなご意見。ツイッターアカウントはあすかさんからのおハガキ。

あすかさん、ありがとうございます。なるほど。

リーダーシップ=人への影響力
マネジメント=リソースの最適配分・最適利用スキル

と「そもそも何を指すキーワードか」を的確に言語化していただきました。「日本語に訳せないものは日本人のものになったとはいえない」という僕の恩師の言葉を借りれば「いったん翻訳してみる」といいう意味でガイドラインになるご意見でした。

そして、こんなご意見も。ツイッターアカウントは吉川祐介さんからのおハガキ。

吉川さん、ありがとうございます。なるほどなるほど。

リーダーシップ=なんとかしてでも成し遂げたいものを示す事
マネジメント=なんとかする事

この感じありますよね。

リーダーシップは「行き先を示す」感じ。マネジメントは「なんとかする」感じ。笑 この「なんとかする」という表現、僕好きなんですよね。英語で「manage to~」は「なんとか~する」だからそもそもそういう意味ですしね。

他にもいろいろなご意見をいただきました。

南場秀幸さんからは「走るときの位置取り」の話。

アラフォーメンズさんからは「アート」と「サイエンス」という表現。

古賀ちぐささんからは「時間軸」

Shinji Abeさんからは「何のスコアを上げにいくか」「KGI・KPI」の話。

と~るさんからは「オムライス」の話。

・・・と、自分の中のイメージと接続するものや、新しい視点をいただくものなど、非常に多くのご意見をいただきました。皆さん、本当にありがとうございました!!!

「リーダーシップ」と「マネジメント」に関する論点

また「リーダーシップとは」「マネジメントとは」とあわせて、この2つを語るうえでの「論点」のようなご意見もいただきました。

バーチャルCOO・現場モメルさんからはこんな論点です。

目的は「マネジメント」であり、「リーダーシップ」はそのためのツール(手段)にすぎない、ということで「どちらが上位概念か」みたいな論点ですね。

僕の中ではどちらかといえば「リーダーシップ」の方が「偉く」て、「マネジメント」の方が「偉くない」というイメージがあったので、この視点は目からウロコでした。

中島広数さんからはこんな論点。

「リーダーシップとマネジメントは1人で担うべきか、複数人で担うべきか」という点で、中島さんは一人で何役もやる派で、逆に分担してもいいものというご意見もありました。

僕の私の「リーダーシップ」と「マネジメント」一覧

なるほど、いろいろなご意見があるんだなと読みながら、これをどうやって整理していこう?と悩み始めたところで、青田努さんからよいヒントをいただきました。

これ自体がすでに「答え」みたいなまとめですが、これを見て「ああ、なるほどいったん並べてみればいいのか!」という気づきもいただきました。

ということで、皆さんからいただいたご意見(リプライ・リツイート含む)をいったん一表にまとめてみました。(勝手にごめんなさい!ダメだよ、という方がいればご一報ください!)

それがこちらです。

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見えますでしょうか?(画質あらくてごめんなさい。あとで張り替えるかも)

こうして皆さんのご意見を眺めてみると「何か」が見えてきそうな気がします。さていよいよ、この「何か」を自分なりに言語化・図示化したい。さて、どうしようか。

重要なのは「どの視点で語るか」

ご意見をいただいてわかったのは「リーダーシップ」も「マネジメント」も「多義的ゆえに魅力的な」キーワードだということです。

人によって「表現・視点・切り口」が様々、つまり「多義的」であり、それゆえ人の心を掴んで離さない、つまり「魅力的」なテーマということですが、だからこそ大事なのは「自分はどの視点で語るか」ということです。

自分の視点を定めることで初めて「リーダーシップ」と「マネジメント」という「揺れ動くテーマ」をはじめて自分のものにできますし、仕事や実生活に活かすことができると思っています。

僕はすべてを「組織開発視点」でとらえることにしていますので、今日は「組織開発視点のリーダーシップ」「組織開発視点のマネジメント」という切り口で言語化・図示化を進めたいと思います。

組織開発視点の「リーダーシップ」の言語化・図示化

組織開発というのは「人の集まり」を「成果に向かうチーム」にする働きかけのことですが、この場面における「リーダーシップ」の役割は「創りたい未来に向けて組織に変化を生み出すこと」だと思っています。

VUCAな時代といいますが、世の中も市場環境も変化しか状況の中で「成果に向かうチーム」であり続けるためには「チーム自体を常に変化できる存在」にしておく必要があります。

それは単に「変化に適応する」というだけでなく、世の中や市場より「先んじて変化する」ことまでが求められると思っていて、そのときに重要なのが「リーダー自身が創りたい未来」を提示することだと思っています。

よく「リーダー」とは「フォロワー」がいて初めて生まれるといいますが、自分が創りたい・連れていきたい未来があるときに初めて周囲の人が「フォロワー」になると思っています。

また「リーダーシップ」は先天的なセンスなのか、後天的に習得可能なスキルなのかという議論もありますが、僕は一定はセンスもありつつ、一定はスキルとして努力で身に付けることもできるものだと思っています。

「一定はセンス」の意味は僕のメンターである恩師から教わった「砂場のリーダーシップ」という言葉からそう思っています。

「砂場のリーダーシップ」とは2~3歳の子どもが公園の砂場で遊ぶ場面でも発揮されるリーダーシップのことで、これくらいの年齢からすでに主導権を握る子がいたり、それに従う子がいたりする、という意味です。

・・・と同時に一見すると「従っている子」にも、その子なりのリーダーシップがあって、「人は誰もみな子どもの頃からもっている根源的な自己」みたいなものが「リーダーシップの出発点」になっているのではと思っています。

また、リーダーシップは「旅」にも例えられて、そのものズバリ「リーダーシップの旅」という本ではこんな説明があります。

リーダーシップの旅は、「リード・ザ・セルフ(自らをリードする)」を起点とし、「リード・ザ・ピープル(人々をリードする)」、さらには「リード・ザ・ソサエティ(社会をリードする)」へと段階を踏んで変化していく。
-「リーダーシップの旅」(野田 智義・金井 壽宏)より

リーダーシップには「対自分(リード・ザ・セルフ)」「対他者(リード・ザ・ピープル)」「対組織/社会(リード・ザ・ソサエティ」の3つの段階があるということです。

ここまでの話を図示するとこんな感じになります。

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「組織開発視点のリーダーシップ」は「砂場のリーダーシップ」から生まれて「創りたい未来」に向かっていく矢印の中で「リード・ザ・セルフ」「リード・ザ・ピープル」「リード・ザ・ソサエティ」と影響力を高めていくもの、と定義しました。

組織開発視点の「マネジメント」の言語化・図示化

同様に「マネジメント」も組織開発視点で整理してみます。

「人の集まり」を「成果に向かうチーム」にする働きかけの中での「マネジメント」の役割は「組織的な成果を生むためにチーム内の矛盾を統合すること」だと思っています。

この着想は「マネジメントの父」と呼ばれるドラッガーの定義から得ています。

マネジャーには二つの役割がある。第一の役割は、部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造することである。(中略)第二の役割は、そのあらゆる決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来に必要とされるものを調和させていくことである。
-「マネジメント」(P・F・ドラッガー)より

マネジメントするうえでの大きな矛盾は「長期と短期」「全体と個」の2軸があると思っています。長期で実現したいことと短期的にやらなければならないこと、全体最適で進めなければならないことと個別最適で考えなければならないことの2軸です。

具体的にはミッション・ビジョンと短期的なタスクをうまく結びつけなければいけないし、組織全体のミッションとメンバー一人ひとりの価値観も調和させないといけません。

そんな「矛盾の統合」を「役割」としてやらなければならないのが「マネジメント」であり、よい「マネジメント」には「成果への責任感」が必要になります。

ここまでの話を図にするとこんな感じです。

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「マネジメント」にも「リーダーシップ」と同様に3つのレイヤがあります。対自分の「セルフマネジメント」、対他者の「ピープルマネジメント」、対組織の「組織マネジメント」です。

あらためて「リーダーシップ」と「マネジメント」の比較を僕なりに整理した一表はこちらになります。

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「リーダーシップ」と「マネジメント」の関連を図示化する

「リーダーシップ」と「マネジメント」の「違い」は言語化・図示化できた気がしますので、最後に2つの「関連」も図示化したいと思います。

まず、先ほどの「リーダーシップ」の矢印の図を再掲します。

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そうそう、この図でしたね。

ここに「マネジメント」の丸い円を乗せていきます。

「リード・ザ・セルフ」に「セルフマネジメント」を乗せまして。よっこらせっと。

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「リード・ザ・ピープル」に「ピープルマネジメント」を乗せていきます。よいしょっと。

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よし、いい感じだ。

じゃあ仕上げに「リード・ザ・ソサエティ」に「組織マネジメント」を乗せてみましょう。どっこいしょっと。

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おお!できました!「リーダーシップ」と「マネジメント」の関連の図示化!

未来に向かっていく矢印としての「リーダーシップ」にその時その時の求められる「マネジメント」が乗っている、まさに「完全図解化」といっていい仕上がりじゃないですか!(いつもの自画自賛・・・)

そしてこの図、ずっと見ていると何かに見えてくる・・・だんだん何かに見えてくる・・・見えてくる・・・

そうです!「お団子」ですね!竹串に刺さったお団子3つ。そうか!「リーダーシップ」と「マネジメント」は「お団子」だったんですね。いやーこれは世紀の大発見となりました!!(はい自画自賛)

「右上」に行こう

「リーダーシップ」と「マネジメント」の言語化・図示化というテーマでお送りしてきた本note。いかがだったでしょうか。

お団子あたりで「またか」と思った方も多いと思いますが、食べものネタが尽きるまではこのスタイルで続けてみようと思っています。笑

いやーぶっちゃけこの記事を書く(描く)の大変でした。視聴率の高いテーマですし、変数も多いですし、なにしろ4年間考え続けたことにいったんの結論を出す、かつみなさんのご意見も反映しつつ、かつ組織開発視点で、大変でしたが、その分達成感がすごいです!

でもそれだけだとただの自己満の世界になってしまうので(それ自体を否定しませんがw)、あらためて本記事を通して皆さんにお伝えしたいことは何だろうと考えるとそれは「皆で右上に向かっていこうぜ」という一言に尽きるかなと思います。

人生という「時間」の中で人生における最大のレバレッジポイントである「自分」の「影響力」を上げていくことで、せっかく生まれたこの「世界」「世の中」に「いい差分」を作っていく。

そのために「自分のリーダーシップ」ってなんだろうな、「自分が求められているマネジメント」ってなんだろうな、と一人一人が考えて「時間×影響力」のマトリックスの「右上に向かっていく」力学を働かせていく。

そのための参考資料の1つにこの記事がなったとしたら、これに勝る喜びはありません。

さて、真面目な話はこれくらいにして近所のスーパーでお団子(3本入り100円で売ってるわりにはけっこう美味しいやつ)でも買ってきて食べようかな!

それでは、また。

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