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リモートワークの「チームビルディング」に必要なたった1つのこと

こんにちは、こがねんです。メガベンチャー人事で「組織開発」をしています。

「組織開発」とは「組織がよりよくパフォーマンスするために行うありとあらゆる働きかけ」のことですが、今日のnoteはこの「組織開発」の一大テーマの1つ「チームビルディング」についてのお話です。

リモートワークのチームビルディングは「今そこにある危機」

「チームビルディング」とは「グループ(ただの人の集まり)」「チーム(共通目的に向かって協働する人の集まり)」にすることです。どんな組織もミッションやビジョンといった目的があって存在するので「チームビルディング」は組織をマネジメントしている人、組織の中で働く人にとって避けては通れないテーマです。

また2020年は新型コロナウイルス感染予防対策の一環で日本でも世界でも「リモートワーク」が広がりました。まだリモートワークが進んでいない、もしくは緊急事態宣言解除を受けてオフィスワークに戻した会社や部署も多いと思いますが、今後このリモートワーク化の流れは不可逆になるとも言われています。

リモートワークが進むということは全員が集まる場がリアルからオンラインになっていくということで、この「リモートワーク下のチームビルディングをいかに進めていくか?」についてはまだ答えのない領域であり、皆で考えて試して発明していくことになるんじゃないかと思っています。

とはいえ「リモートワークのチームビルディング」は「今そこにある危機」であり今この瞬間にも困っているという人も多いテーマだと思いますので、これから皆で考えていくための「補助線となるフレーム」が必要じゃないかと思い、この記事を書こうと思いました。

チームビルディングの基本は「GRPI」

まず最初に結論めいたことを言ってしまえば「チームビルディング」で意識すべき最強のフレームは「GRPI(グリッピー)」だと思ってます。

「GRPI」とは「Goals(ゴール)」「Roles(役割)」「Processes(計画)」「Interpersonal relationships(関係性)」の頭文字をとった名前で、この4つの要素を以下のような三角形で表したモデルです。

「ゴール」「役割」「計画」「関係性」がいずれもチームが成果を上げるために大事なものだということはおわかりいただけると思いますが、この図が教えてくれるのはその「順番」「上から順番に合意形成」していくことがポイントです。

つまり以下の「4つのステップ」が「GRPI」の真骨頂となります。

①目指すべき「ゴール」を合意形成する
②メンバーの「役割分担」を合意形成する
③短期・中長期の「計画」を合意形成する
④①~③に必要な「関係性」を合意形成する

この順番が大事なわけです。

チームビルディングというとすぐに

「人間関係が良くないから一度飲み会をしよう」
「新組織だから一回を合宿しよう」

という話になりがちですが、こうした場面では「GRPI」を思い出すことで「これは関係性から始めようとしてしまっているから、その前にゴールの合意形成から始めないと」と思い返すのに役立ちます。

僕はこの「GRPI」というモデルの有用性を信頼していて、会社でも「グリッピー、グリッピー」言ってますし、ツイッターやnoteでもたびたび引き合いに出してきました。

いわば「GRPI原理主義者」ですねww

そんなわけで今回のこの「リモートワークのチームビルディング」というテーマについても同じことが言えると思っていて「とにかくGRPIでがんばりましょう!よろしく!以上!」で話は終わり。

・・・となるはずでしたが、まったくそうなりませんでした。

いま職場で起こっている変化とは

GRPIで話が終わらなかった理由はいま職場で起こっているリアルな状況がそれを許さなかったからです。

今回コロナ禍を受けてのリモートワーク移行は計画立てて設計されたものではなく社会状況を受けたいわば緊急避難的な対応だった職場がほとんどだと思います。そのため各職場のマネージャーから聞こえてきたのはこんな悲鳴でした。

「メンバーの姿が見えなくなってコンディションがわからなくなった」
「チーム内がうまく連携できているのかわからなくなった」
「個人作業は進むが共同作業が難しくなった」
「ブレストしてアイデアを出し合うことが難しくなった」

リアルなオフィスでのやりとりがなくなり、オンライン会議やメールやチャットでのやりとりが中心となったことで「職場の見えない化」が急速に進み、個人と組織のコンディションやパフォーマンスがわからなくなっていたのです。

こんな状況においても「GRPI原理主義者」の僕は「上から順番に合意形成」すれば解決するはず!と思っていたのですが、各職場で始まった課題を乗り越えるための工夫を見て自分の考えが間違っていたことがわかりました。

その解決策とは「会議の回数を2倍にする」「1on1の回数を2倍にする」「会議とは別に雑談の時間をつくる」「Zoomを常時接続する時間をつくる」といった「対話の量を圧倒的に増やす」という取り組みでした。

これが意味するものは「職場の見えない化」が進む状況下においては「合意形成」の前の「対話」「コミュニケーションの量」が圧倒的に足りていないということが本質的な課題であり、これを組織的に意図的に増やしていくことこそが急務だということでした。

リモートワークの「チームビルディング」とは

つまりリモートワークの「チームビルディング」においては「GRPIによるゴールからの合意形成」の前にまず「圧倒的な対話(コミュニケーション)量」が必要ということになります。

図にするとこんな感じです。

そしてこの対話(コミュニケーション)は一度やって終わりというものではなく日常的に組織のあちこちで頻度高く行われている必要があります。

図にするとこんな感じですね。

組織内部で対話(コミュニケーション)が圧倒的に行われている状態にすること、そのうえで「GRPI」を「上から合意形成」し続けること。

結論として「リモートワークのチームビルディング」は以下「5つのステップ」が重要ということになります。

①「対話(コミュニケーション)」の量を圧倒的に増やす
②「ゴール」を合意形成する
③「役割分担」を合意形成する
④「計画」を合意形成する
⑤「関係性」を合意形成する

そしてこれをやり続ける、ということですね。

これが現状、自分の中で整理できている「リモートワークにおけるチームビルディング」の最新案となりますし、直近の担当施策もこの前提で組み立てていかなければならないと思っています。

それにしても・・・この絵・・・よく見ると何かに似ていますね。

もう一度よく見てみましょう。

うーん、なんだろう。ちょっと文字とか矢印が邪魔なので取ってしまいましょう。

おお!これは!

美味しそうな「太巻き」の断面じゃないですか!

「GRPI」という「お刺身」「卵焼き」「かんぴょう」「きゅうり」の周りを「対話」「コミュニケーション」という「酢飯」「海苔」で包み込むことで「リモートワークのチームビルディング」は実現するということですね!

そっかそっか。「4つのステップ」とか「5つのステップ」とか言ってたけどタイトルにある「たった1つのこと」って何よ?と我ながら思っていましたが「太巻き」のことだったのですね!いやーよかったよった!(何がやねん)

しかし今回「太巻き」のオチを付けられてよかったです。というのもこの「食べ物オチ」、僕のnoteでは「恒例行事」になっているため、先日もこんなツイートをして・・・

ツイッター友達のあすかさんからこんなリプを頂いていて・・・

答えとしては「ブッブー」だったんですが(笑)諦めきれないリプがさらにやってきていたので・・・

「どこかで太巻きをオチにしたnoteを書かなきゃいけない!」といういわば使命感のようなものにかられていたんですが、今回「リモートワークのチームビルディング」という旬のテーマのオチで登場させることができて心からホッとしている、という内輪ネタでした。笑

組織開発とは「対話と合意形成」の積み重ね

そんなわけで「太巻き」あたりはいつもの悪ノリでしたが、今回お伝えしたかったことは「組織開発」の場面では「フレームワーク」をそのまま使うだけなく、フレームワークを「補助線」に職場のリアルに応じて柔軟にチューニングすることが大事ということでした。

今回も「GRPI、以上」のところで思考停止していたら「ただのフレームワークふりかざし野郎」になってしまい実際の仕事には何の役にも立たない働きかけをしてしまうところでした。

もう一点、お伝えしたかったのは「組織開発」とは「対話と合意形成」の積み重ねであり、対話量を増やしたうえでのGRPIの合意形成もそうですし、今回のように「職場のリアルな声と対話しながら対策を合意形成していく」ことも今後ますます重要になってくると思っています。

そして最後にもう一点。リモートワークが進み、オンラインのコミュニケーションが増えて「変わっていくこと」に注目が集まりやすい時期が続くと思いますが、人材開発・組織開発を推進していく上では、この状況下においても変わらない「原理原則」や「フレームワーク」も引き続き活用していくべきだと思っています。

それでは、また。

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