あなたの人生はどこへ向かう？（ACT実践編①）
こんにちは、かふぃです。
「人生迷子」を1人でも減らすための
情報を日々発信しております！
noteでは、
これまでACTという認知行動療法を
紹介してきました。
「ACTとは何か？」については、
このページ最後に紹介する記事をご覧ください。
今回からは、
人生の指針を見つけたり、
心のセルフケア方法を学んだりする
実践方法を記事にしていきたいと思います。
今回は、
人生の指針を見つけるための考え方を
ご紹介します。
２人の農民
詳しい話の前に、
ちょっとした物語に
お付き合いください。
あるところに2人の若い農民がいました。
ある日その2人は、旅人から
「おいしい果実がなるかもしれないよ」と
植物の種を１粒ずつもらいました。
1人が言いました。
「よーし、どっちの方が早く
大きな実をつくれるか勝負だ！」
もう1人が言いました。
「どんな実がなるのか、
楽しみだね！」
種を植えて数日経ちました。
まだ、どちらの種も芽を出していません。
勝負をしかけた方の農民が言いました。
「まだ芽が出ないか、
実ができるにはまだ遠いなぁ」
もう1人が言いました。
「まだ芽は出ないか、
水のやり方を変えてみたらどうだろう」
数日経ち、
どちらの種も芽を出しました。
勝負をしかけた方の農民が言いました。
「ようやく芽が出たか、
次は早く育って花を咲かすんだ！」
もう1人が言いました。
「お、芽が出たぞ。
へぇ、初めてみる形の葉っぱだ」
また数日経ち、
植物は少しずつ大きくなりました。
勝負をしかけた方の農民が言いました。
「まだ花は咲かないのか！
まだ実はならないのか！」
もう1人が言いました。
「昨日にはなかった葉っぱだ！
もう僕の腰くらいまで伸びた！」
さらに時は経って植物は花を咲かせたが、
結局、食べれるような実をつくることは
ありませんでした。
勝負をしかけた方の農民が言いました。
「実がならなかったじゃないか！
今までのことに何の意味もない！！」
もう1人が言いました。
「実がならなかったのは少し残念だけど、
知らない植物を育てるなんて、いい経験になったよ。」
物語から
この話を読んで、
どんな感想をお持ちでしょうか。
「勝負をしかけた方は自分みたい」
「もう1人の方はのんびりし過ぎだ」
なんて思われた方もいるのでは。
おそらく、これが仕事の場なら、
ほとんど全ての方が
勝負をしかけた方のように
振る舞っていることでしょう。
「早く大きな実をつくる」という目標があり、
その達成のために尽力する。
素晴らしいことです。
では、
幸せそうなのはどちらでしょう？
こうなると意見が割れそうな気がします。
でも、このお話だけを見たら、
勝負をしかけられたもう1人の方が、
毎日を幸せそうに過ごしていませんか？
目標と価値
実は、この2人、
目指しているものが違います。
先ほどの通り、勝負をしかけた方は、
「早く大きな実をつくる」という目標
をひたすらに目指しています。
だから、
いつ実がなるのか、いつ花が咲くのか
そうした結果ばかりを常に気にしています。
一方で、もう1人は、
「植物を楽しんで育てる」という価値
に基づいて行動しています。
価値、という言葉は少しわかりづらいですが、
ここでは、目的として読んでみてください。
もう1人にとっては、
「早く大きな実をつける」という目標も、
「楽しんで育てる」ための一つの要素です。
勝負をしかけた方は、
目標だけを目指していました。
だから、実がならなかった、
つまり、目標が達成できなかった時に、
それまでの行動に「何の意味もなかった」
と感じたわけです。
これは、いわゆる
「燃え尽き症候群」です。
一方で、もう1人の方は、
そもそも「楽しんで育てる」ことが価値ですから、
目標が達成できなくても、その経験を糧にできました。
このあたりが目標と価値の違いです。
目標と価値の違い
価値の詳しい説明は
少し専門的になってしまうので省略しますが、
目標との対比で掴むのが一番です。
シンプルに言えば、
目標は達成可能な行為で、
価値は継続的な行為です。
最もわかりやすい例は、
「結婚する」と「愛する」の違いです。
「結婚する」というのは、達成可能です。
婚姻届を出して受理して貰えば、達成です。
結婚生活を続けることはできますが、
「結婚する」をし続けることはできません。
一方で、
「愛する」は達成がない、
継続的な行為です。
何十回と結婚記念日を祝ったからと言って、
「愛し終わった」ことにはなりません。
したがって、
「結婚する」は目標ですが、
「愛する」は価値です。
もう一つ
目標と価値の違いに触れます。
それは、
目標は「中間地点」、価値は「方向」
であるという違いです。
どこかに移動する時に、
「東へ向かう」という大きな方向が
決まっていれば、
多少道が逸れても迷いません。
同じように、
「愛する」という価値は、
人生の大きな方向性を示すものです。
「結婚する」という目標は、
その方向の中の１つの中間地点に過ぎません。
人によっては、「愛する」ために必要でないと
考えることもあるでしょう。
仮に、
結婚して、離婚をしたとしても、
「愛する」という大きな方向に沿って
行動し続けることができます。
私たちは、
達成可能でわかりやすいため、
すぐ目標を立てます。
もちろん明確な目標を立てて、
それに向けて努力をすることは
素晴らしいことです。
しかし、
もっと大事なのは、
「なぜその目標を立てるのか」に答える
人生の方向性、つまり価値です。
価値の見つけ方
では、その価値は、どうしたら見つかるのでしょう。
（ちなみに私のプログラムでは「テツガク」という言葉を使います。）
いろんな方法がありますが、
今回は代表的なものを１つご紹介します。
次の質問に、
少し時間をかけて、集中して取り組んでみてください。
仮定の話ですが、おちゃらけず、
斜に構えずに取り組んでみてくださいね。
あなたは、（なぜか）あと24時間しか生きられないということを知ってしまいました。その時間は変えられず、そのことを誰かに伝えることもできません。周りからしたら、いつも通りのあなたに見えます。
あなたは、残された24時間で、誰に会って、何をしたいですか？
いかがでしょうか。
紙に書いたりしながら、
できる限りたくさん書いてみてください。
そして、その中から、
自分が本当にしたいことを選んでみましょう。
もしかしたら、
「裸で街中をうろつく」
なんて、おちゃらけた答えも１つはあるかもしれません。
なので、
多く書き出して、考えてみましょう。
裸で街中をうろつきたい気持ちを否定はしませんが、
あなたの人生の最後を飾るのにふさわしいか、
再考はしてみてもよいでしょう。
この質問は、
「時間がないから」「恥ずかしいから」
といった理由で先延ばしにしてしまっている
あなたの「本当に大切なこと」を教えてくれます。
ぜひ、時間をとってやってみてくださいね♪
おわりに
ACTについては、
こちらの記事で紹介しております。
よければご覧ください！
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