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大きな楽しみより、小さな楽しみを

会社員だった頃、もう7年も前の話。

毎日が本当につらくて、苦しくて。自分が嫌いで、生きる意味を感じられず、現実を直視するとあきらめてしまいそうで。

最終的には心の不調で倒れるわけですが、それまで1年ほどそんな気持ちを抱えながら生きられたのは、「大きな楽しみ」をつくっていたからでした。

わかりやすいところだと、週末に遠くに旅行をするとか。好きなバンドのライブに行くとか。

そういう「大きな楽しみ」がないと苦しい日々を乗り越えられなくて、もはや自分が生きる理由すら見つけられなくて。

でも、それってやっぱり長続きしないんですよね。

最終的には手帳に「1年先の楽しみ」まで書いて、今ではなく未来ばかり見て、どうにもこうにも自分のバランスを保てなくなって、限界が来てしまいました(倒れて動けなくなった…!)。

…なんて話を書いたのは、いまの日々で、同じことを繰り返さないようにせねばと思ったからです。

いまの現状は、あまりにも直視するのがつらい。ニュースから流れてくるとんでもない言葉、人々の雰囲気、自分の中にあるたくさんの小さな不安。

直視しなくても良いとは思うのだけど、だからといって「先に大きな楽しみをつくること」で乗り越えようとしてしまうと、たぶんわたしは、また同じことになってしまう気がする。

そこで思ったのが、「先の大きな楽しみ」よりも「日々の小さな楽しみ」を積み重ねる方がいいんじゃないかなってこと。

どんな状況でもわたしたちは今を生きるしかなくて、行く先がわからない未来に頼るよりも、今のなかで自分をほぐしてあげられることを積み重ねていく。

いつだって一番だいじなのは、過去でも未来でもなく今で。こんな時でさえ。

つらすぎたら直視しなくても良いと思うし、未来の楽しみをつくることもだいじだけど、だからといって今の自分を否定してしまうと、きっとじくじくと心を蝕んでしまうから。

小さな楽しみ、1日の中で少しだけ「ほっ」とする時間。みんなの日常にもありますように。



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