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「ジストニアは良くなって当たり前!」が常識になるように【健康エッセイ】


先週末、今年最後の病院ごとを終えてきました。

半年に一回通っている、脳神経内科に行ってきたのです。

今年は、2009年から持ち続けてきた杖から完全に離れられました。

それから、10年近くもの間、体に貼ることで体調を維持しつづけてきたテープからも完全に離れられました。

こういうことを先生に伝えると、喜んでくれました。

「大きな変化ですね」
と。

先生から見ても、回復は目に見えて感じられるようでした。

「座っている時の姿勢も、真っ直ぐになられましたね。
以前はもっと傾いていましたけれど」

「そうですね、座りやすくなっています」

ただ、まだ私の体調は完全でないことも伝える必要がありました。

「まだ首が不安定なので、首周りに力みがあることは感じています。
唇の不随意運動も、まだ少し残っています。
それでも、以前よりは格段に動きが小さくなっています」

「バランスが整ってきたのでしょうかね。
バランスを整えるために、
何かしてきたことはあるのですか?」

「特には、ないです。
体が出したい症状を出させてあげることと、散歩くらいですかね。

不随意運動を自由に出してあげていると、たまに骨格がゴキッと動く感じがあります。

私の感覚ですが、症状によって骨の位置を調整しようとしているのではないかと感じています」

これに対して、先生はなるほど、
と、うなずくだけでした。

それから、最近の変化で、もうひとつ思いついたことがあったので、
この流れで伝えておきました。

「あと、つい先日のことなんですけど。
夜中に寝ぼけて顔を家具に思いっきりぶつけて、腫れてアザができたんです。
以前だったら、きっと全身のジストニアが強烈に出て大変だったでしょうが、今回は特に変化することなく
日常を送ることができて。
自分の体にさらに自信を持てました」

「そうですか!
きっと、強くなってきたのでしょうね」

先生は、少し間を空けてから、
「それにしても」
と、続けました。

「それにしても、永松さんのお話を聞いていると、不思議です。

例えば痛みに反応しやすい人は、
一度、痛みに過敏に反応する回路が脳の中でできてしまうと、何に対してもその回路が反応してしまうから、痛みが増殖されてしまうことがあるんです。

ジストニアも同じで、脳の中の回路に問題が起きて運動の調節ができなくなると考えられています。

その回路が出来上がることを
『習慣』と呼ぶことが
適切なのかは分かりません。

でも、これはあくまでも、
私の推測の範囲で話していますが、永松さんの場合、この脳の『習慣』が変わって、症状が薄らいできたのかもしれませんね。

ジストニアが治らないと言われているのは、一度その回路ができてしまうと、固定化されてしまうからなんです。

何に対してもその回路が反応して、どんどん、どんどんと運動調節が難しくなって、進行していくと言われているんですよね。

でも、永松さんを見ていると、
固定化された脳の回路は、変えられるんだと証明できてしまいましたね」


先生は、やや苦笑いで、でも嬉しそうでした。

そして、最後は、こう締めくくってくれました。

「これからもご自身の体を観察して、
記録を取りつづけてください。
これほどまでに良くなったという
永松さんの事例は、とても貴重ですから」






ジストニアは、先生が言うように、
脳の誤作動によって起きていると言われています。

けれど私は、特にそういうことは気にせず、これまでやってきました。

とにかく、治りたい。

治るためには、どうすれば良いのか。

ジストニアにこだわらず、
体調そのものを良くしよう!

体が喜ぶことをしよう!

より良い人生を生きられるようにしよう!

こういうことを考え続けていったら、少しずつ回復して行ってくれました。

きっと、私だけが特別な体を持っているわけではないと思います。

だから、来年も、やはり私の経験を伝えていきたい。

それが何かヒントとなって、少しでも症状が楽になれる人が増えて行ってくれたら、嬉しいです。

ジストニアと20年近くコツコツ向き合ってきたように、これからの活動にもコツコツと向き合っていきます。

今年もお世話になりました。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

※ヘッダー写真は、クリエイターさんの画像をお借りしています。
ありがとうございます😊

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頑張りたい理由がある人へ | ジストニア体験者・研究家 永松ひさこ
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