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空気の間

 私は学校のイベントで、劇をやることになった。複数の役があるのだが、役の数に対して人数が少なく、裏方ではなく、役を必須でやらなくてはならなくなった。メインの役が5人位いるのに対し、やりたいと思う人が0人。仕方なく、ルーレットで決めることになった。全体で2番目に重要な役は女子の中でルーレットを回すことに。ルーレットの名前も私だけ苗字のさん付け。他の女の子は下の名前。私以外はみんなから好かれている女の子。ルーレットが勢いよく周り、ゆっくりと止まり始める。ギリギリ私には当たらない…と思っていたら、私のところで止まってしまった。みんなは一瞬時が止まったかのように反応に困った顔をして薄いリアクションをした。
 次に全体で3番目に重要な役を女子の中で決めることとなった。最も好かれている女の子にルーレットの針が止まった。先ほどの私の時の反応とは全く異なったみんなの壮大なリアクション。私はみんなの作り上げた空気に傷ついてしまった。勝手に傷ついて、ごめんなさい。でも、辛い。心が弾けそうになる。言葉には出さなくても本音が作り上げる空気の間(ま)。みんなが優しい子なのはわかっているんだけど。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!心も筋トレしようかな。

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