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ビリビリに表彰されて号泣した話するよ

中国といえば最近新型肺炎の話題ばっかりですが、ちょっと心温まるお話を。

ツイッターでは既にご報告したのですが、先月、ビリビリ動画主催の「BILIBILI POWER UP(以下:BUP)」というイベントでうp主100選に当たる「百大UP主2019」に、昨年に引き続き二年連続で選出していただきました。この賞は影響力のあるクリエイター100人にのみ贈られる賞でして、日本人としても2年連続受賞は当然初めてのことです。

しかも今回は我々が中国進出をサポートしているRAB(リアルアキバボーイズ)が、わずか六ヶ月 の間に15万フォロワーを獲得して新人賞を受賞したのです!初めて我々でしっかりチャンネル開設から動画投稿までのフローのサポートをしたのが彼らだったので、自分のことのように嬉しかったです。

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さて、今回はそんなビリビリと僕との関係のお話をします。

ビリビリ動画本体とのコラボという意味では、一番最初の自主ドラマを買い取ってもらったところから始まり、翌年2015年からは夏に行われるBML(ビリビリマクロリンク)という年に一度の大型ライブイベントにほぼ毎年呼んでいただき、しまいには外国人初のメインMCまで任せてもらいました。他の外国人のうp主とは違った役目をどんどんオファーしてくれて、僕もその期待に応えられるように精一杯頑張ってきました。

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僕がビリビリデビューしたのが2013年。まだまだ小さいサイトだった頃から頑張っている現役員や幹部も知っています。もちろん初期のムーブメントの中心にいたうp主達も多く知っています。その当時からやってる人たちって、ビリビリと一緒に大きくなってきたという意識がありますし、仲も良いし連帯感が強いんです。だから僕も何かビリビリから依頼が来たら、たとえそれが無茶振りであっても100パーで応えたいと思いますし、他のクリエイターからのお願いも力になれるように尽力したくなるんです。そして同時に僕が困っていたらみんな助けてくれる、素敵な関係性が作られています。

だからビリビリがナスダックに上場した際も、古参のうp主の何人かは涙を流してスタッフ達と喜びを爆発させていました。僕もニュースを感慨深く、しみじみと見ていました。

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でも僕は中国語がネイティブではない外国人。日常生活の中国語は問題ないですが、未だに難しい話にはついていけないこともあり、そこで疎外感を感じることもしばしば。出不精な性格やお酒をほぼ飲まない体質も相俟って、ビリビリコミュニティに深くまで入っていけていない感覚があったんです。外国人も少ないし、心のどこかで「僕は部外者なんだろう」と、ちょっと冷めた目で見ていたところがあったんですね。

2018年には大好きだった動画制作チームの仲間2人が家の事情で上海を離れざるを得なくなり、僕のメンタルは低空飛行に突入します。メンタルが超絶不健康になってしまいましたw そして2019年1月。第一回目のBUP。ここで僕が久しぶりに号泣する事件があったんです。

昨年も今回も受賞させていただいたうp主100選に選んでいただいたことは嬉しかったのですが、号泣の原因はそこでは無く。ビリビリ10周年記念賞(正式名称:BILIBILI十周年成就奖)という賞を受賞できたからなんです。

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この賞は僕を含め全てのクリエイターの中の8名にしか送られない、しかも10周年を記念した今後も歴史に残るであろう特別な賞です。僕以外の7名も、各ジャンルでずっと長い間人気動画を更新し続けてきた文句つけようの無い顔ぶれ。そしてそこで唯一の外国人である自分。どうやらビリビリ社内からも「是非山下にあげたい」という声が多かったと後から聞きました。

疎外感を感じていたのは勘違いだったんだなと。日本人としてビリビリで遮二無二頑張ってきた過程を、誰も見てくれてないんじゃないかとちょっとヤサグレてた気持ちになってた自分が一瞬で崩壊し、色んなせき止めていた感情が涙になって溢れ出しました。「なんだ、僕は孤独じゃ無かったのか」と。

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そして今年。今僕は個人のうp主からプロデューサーへの路線変更に挑戦中です。一人の力では作れないコンテンツを、日中のクリエイターと共同で制作していきたいと思っているからです。

昨年上半期は、日本のバラエティ制作チームと作った旅番組「窮豪旅游記2」がシリーズ1000万弱の再生回数を記録し、その他にも「なるほど日本(情報バラエティ)」「日中大学生の日常(ミニドラマ)」「日中恋愛観察(恋愛観察バラエティ)」などを制作しました。まさに他の個人うp主がやらないような国境を超えた挑戦を、自腹で費用を負担してやり続けました。

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まだまだチーム作り含め改善するところは残っておりますが、おかげさまで現在も新シリーズを作れる機会をいただき、必死にやってます。客観的に見ても正直まだ満足してはいけない数字です。今回の受賞は発展途上でありつつも、新しい挑戦をしている自分に「見てるから頑張れよ」というビリビリからのエールだと思って、期待に応えられるように2020年も走り続けようと思っています。

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そして今、中国はコロナウイルスに苦しんでいます。同様に周囲からの冷たい視線や待遇も、彼らの心を削っています。判断が難しいとはいえ「中国人」という括りで拒絶されることに、僕もなんとも心が傷んでしまいます。

冷静に「そういう差別はやめよう」という声も聞こえてきますが、ネガティブなコメントも多いのが事実です。僕が2012年に中国行った時もそうでしたが、そんな時こそ一般の現地の人からの暖かいメッセージは心を励ましてくれます。僕も「日本人だからと言ってあなたを差別する人はいるけど、それは中国人全員ではない。そういう人はほんの一部の人だから、どうか中国を嫌いにならないで!」というメッセージを沢山もらい、よし、中国でやっていこうと決意しました。

なので、この場を借りて最後に中国の皆さんに長年借りていたメッセージをお返ししたいと思います。

虽然有些日本人会歧视你们,但这样的人没有那么多。起码我绝不会的。所以希望你们不嫌弃日本。希望你们之后也喜欢日本。我衷心给你们,2012年的时候你们给予我的让我很鼓励的文章。希望我的这文章会帮助你们。咱们是亚洲人,一起加油吧! ーーー山下智博

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山下智博/中国エンタメに詳しい人
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