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海外で成功した僕が「今だからこそテレビ」だと思う理由。

绅士们女士们大家好!我是山下智博!

芸能人のYouTube進出が毎日のようにヤフートップページに踊り、YouTuberのゴシップが一角を占め、テレビが下降線だという記事がどんどん増えていく昨今、80年代生まれで幼少期から学生時代までをテレビを見て育った世代の私は、どうも寂しくて仕方ないのです!

なので今日は「テレビってまだまだ可能性あるよ!」「テレビクリエイター全然世界狙えるよ!」というお話を、私が2013年から活動している中国ビリビリ動画と日本コンテンツの歴史と併せて長々と書かせていただきます。世界狙えるって言うか僕の語れるのは中国だけですが。

私は今、テレビ朝日さんの番組「ブイ子のバズっちゃいな!」に出演して歓喜しています。正確に言うと、出演兼企画アドバイザーとして表方裏方両方の立場で関わらせていただいています。それが嬉しくて嬉しくて。

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私はテレビが好きなんです。中国版YouTubeともいわれるビリビリ動画で265万人のファンが居るにも拘らず、もう一度言います。私は日本のテレビが大好きです。そしてテレビクリエイターの方々の海外進出に、とんでもない可能性を感じているのです。

視点を変えて、私が普段生息しているビリビリ動画のある中国から日本を見てみましょう。

2009年に日本のニコニコ動画のファンサイトとして有志によって立ち上げられたビリビリ動画は、もとより日本文化を愛する中国の若者の巣窟でした。なので初期はニコニコ動画からの転載などがコンテンツの多くを占め、中国のインターネット黎明期において、「日本」という尖ったコンセプトを持った、招待制の非常に温度の高いコミュニティを形成していきました。

私が中国に移住した2012年頃には、既に日本の踊り手さんや歌い手さん、ゲーム実況プレイヤーの皆さんの動画がビリビリでも流れており、特にめろちんさんやルートファイブさん、96猫さんは異様な人気を博していました。それに続く形で中国人のプレイヤーも増えていき、ビリビリから中国人の人気者(歌い手踊り手実況主など)が生まれていったのです。ビリビリは創設から6年の間、非常にニコニコ動画から影響を受けたと言っても過言ではないでしょう。中国で人気の洛天依というバーチャルシンガーも、初音ミクから派生して生まれています。

そして2015年頃、日本でYouTubeが話題になってくると、ニコニコ系のクリエイター人気は徐々に下火となり、続いてはじめしゃちょーや木下ゆうかさんなど日本人YouTuberさんの動画が多く転載されるようになってきます。そして間もなく同様に中国版のはじめしゃちょーや木下ゆうかさんが現れ、彼ら本人の動画よりも中国のプレイヤーが作る「最適に現地化されたコンテンツ」が中国のネット界に於いてどんどん支持を集めるようになります。結果として日本で有名なYouTuberの動画は徐々に中国では下火になっていきました。

つまり今、日本人でビリビリ動画で大きくフォロワーを集めている人は本当に少なく、100万フォロワーを抱えるのは3~4人という状況です。そう、日本人があまり注目されなくなってきているのです。

現在ビリビリは中国Z世代のプラットフォームとしてさらに新規ユーザーを獲得して大きな盛り上がりを見せていますが、転機となったのはビリビリの米国ナスダック上場でした。

中国国内のプレイヤーの支援と育成を目標に、本格的にビジネスを多角化し、親日プラットフォームからZ世代のプラットフォームへと、受け皿の拡大路線に舵を切ったのです。具体的には中国の芸能人進出活性化、テレビメディアとの合作進行、ビリビリタレントの他メディア進出、サイトを挙げて各中国企業とコラボしてビジネス多角化を図る、などなど。

結果は現在のところ大成功と言えるでしょう。2020年第二季の決算報告では月間アクティブユーザー(MAU)が1.7億人(上場前の2017年第4四半期時点で7,200万人なので+1憶人...)デイリーでも5000万人を越えています。一気に新規ユーザーの囲い込みに成功しており、日本好きの層は相対的に薄まるのもやむなし、と言ったところでしょうか。

現状日本のことを紹介するUP主(ビリビリ動画における動画投稿者の総称)も右肩上がりに増えており、再生回数も5年前と比較にならないくらい増えています。人気の在日中国人UP主は毎回200~400万回再生を叩き出すし、一方でなかなか日の目を浴びられない日本人のクリエイターも急激に増えてきています。

そう、ビリビリへのオウンメディアの挑戦の道は非常に険しくなっているのです。この流れはもうなかなか止められないでしょう。

一方で、ニコニコうp主でもユーチューバーでもないのに、ビリビリで人気のある日本人がいるのも事実です。さて一体どういう人なのか、皆さん想像つきますでしょうか?

それは「声優・役者・歌手」の皆さんなのです。

つまり、海外の方から人気を得るルートは二つあります。

①UGCを使って、現地の言葉でファンと交流を深めていく
②プロ制作による映像作品(アニメ、映画、ドラマ、MVなど)を通じてファンを獲得していく

そう、①は私がやってきたことであり、今も多くの方が挑戦していることです。先述の通り、ここが今非常に厳しい局面に面しています。ライバルは日本に居る中国人です。もし我々が逆の立場だったら、海外にいる外国人がカタコトで現地のことを紹介してくれるのと、同じ言語を操る日本人が日本人的価値観で現地のことを紹介してくれるのであれば、どちらを選ぶでしょうか。

私が今期待しているのは「②」です。声優さんも中国でアニメが人気になって人気が出る。役者の方もドラマが人気になって人気が出る。良い作品は人を有名にするし、言語の問題を軽く超越する力があるのです。逆に言うと②のコンテンツから①のプレイヤーを生み出すことも可能です。

PGCという言葉があります。UGC(User Generated Content)の対義語で、つまりはプロが作った映像作品(Professional Generated Content)という意味で使われます。中間のPUGCなんて言葉も出てきて線の引き方がよく分からないがここでは「PGC=テレビクオリティ」というざっくりした解釈で進めますね。

現状中国ではまだまだ日本のアニメは人気ですし日本のバラエティ番組も話題になることが多いです。

つまり、日本向けに作っているPGCが既に中国に通用しており、ここをちょっと現地向けにチューニング変えるともっと刺さるんじゃない?ということです。

番組司会者を中国人にしてもいいですし、中国語の字幕をつけてもいいじゃないですか。日本のテレビクリエイターの強みはむしろ「企画」なのだから、この産業ごと海外展開をしていくことが、今できるのではないでしょうか。中国のネットコンテンツ制作費は数億円レベルとかよくありますので、しっかり数字出せれば明るい未来があるはずです。

人口減少が続いていく日本において、マーケット拡大の切り札は移住政策だけではありません。コンテンツの海外発信をし、現地の方が熱狂する現地化をし、そこに商品を紐づけ、訴求し得る母数を増やしていく...。こんなの個人にはできません。私もそれは夢見てここ数年頑張りましたが中国で人気の日本人インフルエンサーが数人いる程度ではムーブメントを起こせません

でも日本には優れたコンテンツを作れるクリエイターが沢山いるんですよ!素晴らしい人材の宝庫であるテレビ局及び関連会社の皆さん、ここを生かさない手はないです!クリエイターは人財ですし、これからの希望だと思うのです。

今回私が出演するテレ朝さんの「ブイ子のバズっちゃいな」は、幸運なことに放送が決まり中国に関する番組内容を模索している段階で偶然にもジョインさせていただきました。なので私はテレ朝さんの企画に便乗しながら、炎上リスクの根絶と中国展開のブースターと言う立ち位置で参加させていただいています。何としてでも中国で良い流れを作り、大きなプロジェクトを始める第一歩として、中国でも話題にしようと試行錯誤を続けています。

この番組がすごいのは、テレ朝さんもビリビリに番組の一部を流すこと。そして私もその内幕を自分のチャンネルでUGCとして流し、日本のクリエイティブの様子を中国のファンたちに伝えていくアプローチがあることです。中国向けの内容ではありませんが、そこは私とスタッフの方がうまくアイディアを出し合い、中国人が見ても楽しめる内容に仕上がっています。もちろん今までにない新しい挑戦ですし、そこに前のめりで挑戦してくださるテレ朝さんには感謝しかありません。

偶然が偶然を呼んだ結果、「海外のマーケットに、日本のプロの方と徒党を組んで挑戦していく」という僕の夢のような挑戦が現実となっている状況なのです。歓喜です。出演も嬉しいですが、日本のテレビクリエイターの方と対等にお仕事できていることに歓喜でもあるのです。

でもこれだけではまだまだ足りないのです!

テレビクリエイターが本気を出せばとんでもないものができると、我々は芸能人YouTuberチャンネルを見て思い知りました。人気のある有名人のアカウントには、高確率でプロのテレビマンがいます。やっぱすごいんです。日本のテレビ番組を出る側も作る側も。

そんな日本の宝を、やっぱり海外にぶつけてみたい!その思いはますます強くなってきています。手前味噌ではありますが、私は中国でそこそこ有名ですw UGC動画も作れますし、PGCについてもビリビリからお金を出してもらって私がプロデューサーとして制作した窮豪旅游記(きゅうごうりょゆうき)という日本式旅バラエティは中国でシリーズ累計2000万回再生をこえるヒット作となりましたし、中国に僕のことを応援してくれる方も大勢います。

私が必要なら是非使ってやってください。一流のクリエイターの方が本気になってくれるのであれば時間の許す限り協力したいですし、裏方でも出演者でも広告塔ででも協力します。多少失敗しても僕の名前に傷が付くことは恐れていません。最初は慣れないと思いますが、チューニングがカチッと合った瞬間、未曽有のオモロイ事がきっと起こるはずです。

現在、中国のクリエイティブのレベルは恐ろしい速さで上がっています。各方面で国産化を進める中で、海外のものが不要と思われる前に、日本のプロのクリエイターのチューニングを合わせ、彼らの見たことのないものを見せてやりたいのです。私の持っているこれらのノウハウや経験ならいくらでも提供可能です。是非一緒に海外へ冒険してくれるテレビクリエイターやプロデューサー、そして資金面等でも応援してくださる方に会いたいのです。

私は中国にしかリーチできないので「中国寄り」に見えてしまうかも知れませんが、同様の取り組みは色んな国で行えると最高だと考えています。

タイで有名な日本人、インドで有名な日本人、南アフリカで有名な日本人、そんな海を越えて評価されている人たちをメインにしたPGCを日本チームが作り、日本の情報をしっかり全世界に発信していけるチャンネルが世界各国にある-。そんな未来が私の最終目標です。

成功するかは分かりませんが、今がチャンスだと思っています。

日本のテレビは、世界に通用します。

まずはこの番組を成功させるためにがんばります!

他の企画もどんどんやりましょう!


【番組概要】
ブイ子のバズっちゃいな!
放送日:2020年10月8日 テレビ朝日 毎週木曜25:56~
【MC】小峠英二(バイきんぐ)
【進行】ブイ子(VTuber)
【講師】山下智博(中国No.1日本人クリエイター)

★バイきんぐ小峠とVTuberブイ子が、中国の動画配信プラットフォーム「ビリビリ動画」に公式アカウントを開設!
★中国で人気の日本人インフルエンサーを招き、「中国でバズる秘密」を学びながら、一緒に動画を制作しアップ!
★講師を務めるのは、中国No.1日本人クリエイター・山下智博!
★今回は“山下が厳選!中国で再生回数100万回超の動画"からバズる秘密を学びます!
https://www.tv-asahi.co.jp/pr/sphone/20201008_02072.html

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