今、中国でやってはいけない4つの事
中国で、様々な情報を発信しているショートムービー。美容や旅行、グルメに日常生活と色んなジャンルのコンテンツがあります。ビジネス系の動画もその一つ。
そんな動画一つで、「70年代生まれのおじさん」という方が、今の中国で軽々しくやらない方がいいという4つの事柄について若者にアドバイスしていました。その内容が面白かったのでシェアします。(翻訳筆者)
1.儲け話に気をつけろ!
誰かが「必ず儲かるプロジェクトがあるから出資しないか?」なんて話をしてきたら要注意だ。
今や、ビジネスで儲けを出すのはドンドン難しくなっているぞ。棚からぼたもち的な儲け話なんて、もうそう簡単にあるわけがない。お前が家の中で一生懸命考え出したようなビジネスなんて、街中に既にたくさん溢れているんだ。オンラインだって、やれることとかまだやってない事なんてほとんど残ってないぞ。
そんな中、まだ誰も知らないプロジェクトだったら勝ち馬に乗れるんじゃないかと考えるかもしれないけど、それが要注意。本当に誰かが苦労して考えついた儲け話なら、なんでお前に話す必要がある?人が増えれば分け前だって減るんだぞ。
だから、自分がよく分かってない業界には絶対に手を出してはいけない。あいつらは、お前の金が目当てか、お前を利用してお金を稼ごうとしているかのどちらかだからな。
それに「リソースの共有」だとか、「ウィンウィンの協力関係」とかなんて話を聞くなよ。向こうが共有してほしいのは、お前のリソースか金だ。自分がよく理解してない業界に入り込んでしまったら、後は相手の言いなりだ。その後は、相手の要求に応じて色々やらされたり、追加で投資したりする事になってしまうぞ。
今の時代、周りはみんな詐欺師みたいなものだから、自分を信じて、自分に分かる範囲だけで行動するんだぞ。
2.金融投資に気をつけろ!
もしお前が、業界内のエリートとか、既に酷い目に遭ったことがあるとかの経験がないんだったら、絶対に、株式投資とかファンド、先物取引、ブロックチェーン、デジタル通貨といった、自分がよく分かってない訳のわからないものに手を出してはいけないぞ。
お金がお金を生む、なんて話は、確かに上手くやったら儲かるものだ。でも、それは業界内でルールをよく分かってる奴の話だ。そんな普通の奴に上手くやれるものか?
周りの奴が儲かっている話なんて聞いたら、気持ちが焦り出して、自分もついてやってみようなんて考えてしまうかもしれない。それで、運良く少しは儲かったりしてな。でも、考えてみろ。人生ずっと運が良いなんてことがあると思うか?
そもそも何もないものは何もないんだ。よく分かってないものには絶対に手を出すなよ。今言った投資はギャンブルみたいなものだ。ギャンブルだってテクニックがいるというのに、そのテクニックが分からない奴が運だけに頼って儲かるなんてことが起こるはずがないんだ。
ただ、もし、それでもお前がお金を持っていて、何かに投資したいというのなら、「金」にしろ。金は永遠に価値があるからな。
3.不動産に気をつけろ!
もしお前が、一級都市(北京、上海、広州、深圳)のような大都市の人間でもなければ、不動産の投資は絶対にやめろ。
今や、都市化が進んでいるんだ。田舎の奴は町に出てくる。町の奴は都市に出てくる。小都市の奴は大都市に出てくる。そしたら最後は皆、一級都市に行きたがる。そうなってくると、小さい地方になればなるほど価値がなくなっていくんだ。今後どうなるか分からないぞ。
一級都市の不動産だけはこれからも上がっていくだろう。でも、一級都市に不動産を持っていないのなら、もう手を出さない方がいい。「不動産を投機対象にするな」というのは、国の政策だぞ。政策に逆らうようなことは絶対にやめた方がいい。
そもそも家なんてものは、気持ちよく住めればそれでいいんだ。余力があるなら賃貸で貸し出すぐらいでちょうどいい。それ以上を望んだら、いい事は起きないぞ。
それから、実体店への投資。よく分からないままに投資なんかするなよ。オンラインのビジネスに押されて、今やオフラインの実体店は特に難しくなっているんだ。食べたり、遊んだりといったお店以外で、どこの店舗が上手くやってる?
開発事業者からの又貸しみたいな提案にも乗るなよ。売買だって上手くいかないんだから、大家になったって上手くいくはずがない。店舗を買ったりするようなこともやめておけよ。
4.フランチャイズに気をつけろ!
最後に、フランチャイズへの加盟とかに投資するのは気をつけろよ。
痛い目に遭ってる奴は分かると思うけど、最初に聞く話はどれも素晴らしい話ばかりで魅力的に聞こえるんだよ。パワーポイントの資料なんかも上手に作ってあって、すごくいい感じだ。話しぶりだって、熱血的で思わず興奮してしまうような感じだぞ。
でも、加盟料を払って、事業を始めたらびっくりする事になる。元々聞いてた話と全く違ってるんだ。そして、最後になって気づくんだ。あいつらが稼いでたのは、お前の加盟料だったんだなってな。
あいつらは、お前のために罠を仕掛けているんだよ。お前はそこに飛び込んでしまったんだ。あいつらは、一生懸命研究して、普通の人の投資心理とかを学んで、お前ががどうしたいかというのを先回りして考えている。完璧に仕掛けてくるんだ。
それに、例え、フランチャイズが詐欺でなかったとしても、それは別の奴らでもできるようなビジネスなんだぞ。お前にちゃんとできると言えるか?
最後に一つ。お金がなければないほど、金儲けを考えるものだ。金儲けを考えれば考えるほど、気持ちが焦ってくる。だが、焦れば焦るほど、罠に陥りやすくなる。もしも、罠に落ちてしまったら、お前が借りたお金はどうなる?
だから、サービス業でも、お店の開店でも、自分が得意だったり、興味があって、自分でコントロールできて、自分の努力によって道を切り拓いていけるような事業が自分に最も相応しい事業だ。
ちゃんと考えてないと、中国の改革開放前に戻っちゃうから気をつけろよ!
●感想
日本で考えると、「何を今更…」という感じの話ですが、ここに出てくる「新しい儲け話」「株などの投資」「不動産」「フランチャイズ」といった話は、少し前までの中国では、儲け話の典型的な話でした。
「誰々は株が倍になった」とか「誰々は不動産で大儲けした」とか、巷でよく溢れ返っていた話でした。今や都会の若者は、さすがに時代が変わってきていることを実感していると思いますが、地方の方に行くと、まだまだ一攫千金を夢見る若者が多いのも事実でしょう。
この動画の主は、そんな若者に向けて、「余計なお世話だけど言わせてくれよ」というスタンスでアドバイスを送っています。なかなかいい事を言っていると思います。
しかし、ここで言っていることの内容が、まるでバブル後の日本で言われていたような話に聞こえませんか?
改革開放以降、手を替え品を替えながら、ひたすら右肩上がりに成長を続けてきた中国ですが、いよいよ本当に成長速度が緩まってくるのかな…、という気がしています。