2021年私的コンテンツベスト3

タイトルまんまです。

去年もやったやつ。

今年は以下の3つが個人的ベスト3。
①まだら牛さんによるTRPG配信『カタシロ+S』
②rocksuchさん主催のバーチャルワールド『Re˸collection - リコレクション -』
③YouTuberジュキヤさんの街頭インタビュー動画


①まだら牛さんによるTRPG配信『カタシロ+S』

今年一番衝撃的で、最もくらったのはTRPG配信の『カタシロ+S』。

当時も思わずnoteに興奮を書き殴った。

「何がすごくて素晴らしかったのか?」は、物語のネタバレになってしまうので多くは語れないのですが、ぜひTRPG配信『カタシロ』をいくつか視聴していただいた上で、『カタシロ+S』を観てほしいです。

抽象的に褒めると、『カタシロ+S』は、「TRPG配信」という新たなカルチャーの魅力がもうえげつないほどに詰め込まれ、体現され、その鬼気迫るアイデアにぶん殴られる傑作です。

まず、そもそもTRPGという80年代ぐらいからあるテーブルトークゲームが、現代の動画カルチャーに再発見されることで、新しい物語体験を生み出してるのがむちゃくちゃおもしろいんですよ。

個人的な感覚として、かつてアニメがオタク的なモノだったけど素晴らしい作品の数々によってメジャーな存在になったという歴史と、インターネットが発展することで個人の表現活動が多大な影響力を持つようになったボカロやYouTuberなどの歴史とが重なり合っているような、そんなワクワク感、期待感がいまのTRPG文化にはあります。

クリエイターが試行錯誤の上で生み出す作品や表現、クリエイティブみたいなことが好きなひとは、まじでいまのこのTRPG配信カルチャーを追うと、ニコニコしてワクワクしてテンションぶち上るような試みにたくさん出会えて、それはほんとに予想外で未知で、まじで楽しくていいですよ。

『カタシロ+S』は、そんな最前線で、かつ、特異な現象である「TRPG配信」だからこそやる価値のある試みに挑んでいる作品です。

新たな物語るための手法になりつつあるTRPGという物語形式には、アニメや漫画、映画にはないような独自な物語体験があるわけですが、『カタシロ+S』にはその独自性が存分に生かされており、かつ、それはまだまだ未知な文化であるTRPG配信カルチャーにおける壮大な実験、挑戦でもあったと感じています。

むちゃくちゃカッコいいんですよ....!!!!!!!!!!!

まじで全人類みてくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!

『カタシロ』という素晴らしい作品に触発されて、さらに作品として(『カタシロ+S』に関しては二次創作として)、自分なりのアンサーを出すっていうクリエイターの気概みたいなもんがもうほんとカッコよすぎます。


②rocksuchさん主催のバーチャルワールド『Re˸collection - リコレクション -』

VRChatにて公開されているバーチャルワールド『Re˸collection - リコレクション -』。

VRC内で撮影された写真作品が展示されている美術館のような作品。

これがほんとに素晴らしかったです。

画像1

画像2

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まず、バーチャル空間として、写真作品を観て歩くという体験が非常に心地いい空間になっています(空間制作は柚葉さんという方)。


そして、その素敵な空間に展示されている写真作品は、“バーチャルフォトグラファー”と呼ばれるクリエイターたちがそれぞれのこだわりを持ってVRC内で撮影した写真たち。

自分の背丈(アバター)よりも大きいサイズの写真作品が展示されているという体験がそもそも感動的なんですが、その作品たちを観てまわるといまのVRCではここまで多様な写真表現ができるのかとむちゃくちゃワクワクするんですよ。

SNSでみかけた素敵なVR写真を参考までに。

バーチャル空間で写真を撮るという行為自体は、数年前からずっと当たり前のようにありました。ただ、最近のいわゆる“VR写真”の盛り上がりはVRC黎明期の“VR写真”とはまたちょっと違う印象です。

端的に言えば、これまでは“記念写真”的だったモノが、“作品”になっているという印象です。

そして、その現象にとって、VRCという文化がここ数年で積み重ねてきた歴史がとても大事だったんだと感じていて、それが個人的にはむちゃくちゃ素敵だなあ...と思っています。


もう少し具体的に言うと、
2017年末にねこますさんがVRChatをぶち上げて、2018年ごろからずっといろんなクリエイターたちがバーチャル空間で遊んでいたわけですが、2018年から2020年ぐらいまで、VRChatはアバターとワールド(によって生まれるコミュニケーション)をメインとしたカルチャーだったと感じています。

Vket(アバター)やVRAA(ワールド)がまさにその象徴です。

もちろんアバターやワールドに限らず、個別の表現や実践は数多くあったと思います。

ただ、2021年前後で、そういったいくつかの個別の表現や実践が同時多発的に発生し、コミュニティが生まれることで、新たなカルチャー・文化の兆しが生まれてきているように感じています。


そのひとつが“バーチャルフォトグラファーたち”が生み出しているVR写真カルチャーです。

個人的には、2021年からより注目を集めた“バーチャルクラブ”にも似たような流れを感じます。

これらにとって、まずそもそもVRCカルチャーにおけるアバターやワールドといった作品や表現、クリエイティブの“成熟”が大事だったと考えています。

つまり、現在の“VR写真”も“バーチャルクラブ”も、素敵なアバターやカッコいいワールドがまず土台としてあって、その上でさらに新たな文化的な試みが生まれているという印象です。

アバターやワールドといったバーチャルならではのトピックに加えて、“VR写真”や“バーチャルクラブ”などの遊び方にも注目が集まり、いろんなクリエイターが参加し、それはそれで想い想いの作品や表現に挑戦してて、コミュニティとして文化としてさらに発展している。

個人的には、カルチャーや文化は、作品や表現、クリエイティブの積み重ねによって発展していくモノだと考えていて、それが一番カッコいいと思っているので、“VR写真”も“バーチャルクラブ”もほんとに素晴らしいなあ...と思います。

そして、だからこそ、それらがまさに結実している『Re˸collection - リコレクション -』は、その象徴のひとつとしてほんとに素敵なんですよ...!!!!!!!!!

『Re˸collection - リコレクション -』で写真作品を鑑賞してると、ほんとにいろんな作品やこだわりがあって、「こういうのに出会いたくて生きてんだよなあ...」ってなんかもうこみ上げるものがあり、なんていうか感謝しかないです...ありがとうございました...


あと、“VR写真の作品化”については、「Virtual Lens」や「VRCLens」などのツールの登場がものすごく大事で、ツールやサービスが文化に影響を与える云々が大好き侍なので、そこも含めてほんと好きです...しかも「Virtual Lens」や「VRCLens」は個人制作っていうこれぞVRCって感じでほんとよいのです...


③YouTuberジュキヤさんの街頭インタビュー動画

2021年は間違いなくYouTuberグループ「コムドット」の時代でした。

去年末時点でチャンネル登録者数60万人で、そこから1年間で300万人まで登録者数を伸ばしたのは驚異的で、炎上して300万人達成してHIKAKINさんと再会してっていうストーリーも含めて、2021年のYouTubeを代表する存在です。

個人的にも、去年時点では、完全にノーマークだったんですが、今年に入ってから観始めて、彼ら5人がわちゃわちゃやってるのがおもしろくて、そこきっかけにいわゆる“新世代YouTuber”という現象にも興味を持てたのは2021 年の新しい発見としてよかったなと思ってます。

ここから本題ですが、上記のコムドット考察記事でも書いたんですが、いまのYouTubeってほんとにコミュニケーション重視だと感じています。

ここ数年ずっとゲーム実況やVTuberが好きで追ってましたが、なんか似たような景色が広がっているというか。

活動者同士が仲よくわちゃわちゃ冗談を言い合ってるのを観て一緒に笑って楽しむのが純粋におもしろいんですよね。


で。

いま個人的にむちゃくちゃ興味あるのが、そういうコミュニケーション重視のコンテンツじゃない“The YouTuber”が、かつてのように活躍する時代がくるのかどうか。

コミュニケーション重視のコンテンツが人気を得ているのは結局コロナの影響もあると思っていて、コロナが落ち着きそうな2022年のYouTubeの景色がどう変わるのか、ものすごく楽しみ。

っていうのも、外撮影ができるかどうかってすごくコンテンツに対する影響が大きかったと考えています。

そう仮説を立てたときに、いま一番おもしろい“The YouTuber”は、ジュキヤさんだなあと思うんですよ。


特に、街頭インタビュー動画。

脳死で楽しめる下品でゴシップ的な内容と、どんな回答が飛び出てるのか予想もつかないハプニング性、それをテンポよく見せる編集。

「コムドット」を象徴としたコミュニケーション重視の“The YouTuber”に対するある種のカウンターとして、ジュキヤさんの街頭インタビュー動画はむちゃくちゃおもしろいです。

再生回数も昔の動画は600、500万回とかガンガン叩き出してるし、今年の動画も200万回再生突破してるのたくさんあったりと、数字的なところでもコムドットのカウンターになりえる存在だと思ってます。


「いや、なんかこういう過激な内容・サムネだったらそりゃ再生されるでしょ...」みたいな意見も当然あるだろうなと思うんですけど...!

個人的な感情としては、なんていうか、下品でゴシップ的で、大人たちが思わず眉を顰めるような、そういう動画がコンテンツとして成立していたのがYouTubeのおもしろいところだったと考えています(そして、なにより、過激なモノ・下品なモノもひとつの作品として成立しうる)。

「この人はきっといまの社会には上手く適応できず、YouTuberとして生きることがベストなんだろうなあ...」みたいな人が生み出すコンテンツが爆発的な影響力を持っていた。

ジュキヤさんもいい意味でネジ一本外れてる感じで、YouTuberというクリエイターとしての適性がむちゃくちゃ合致してて、きっと天職なんだろうな…と。

もちろんそもそもYouTubeというプラットフォーム自体がもはやそういう過激な動画は求めていないという状況もありますが、その上で、だからこそ、そういった方向性の動画がまた影響力を持ち得るのかどうかものすごく興味がある。

時代に応じてコンテンツも変化するべきとも思うので、「昔はよかった」的な話ではなく、現代の状況・価値観にあわせてアップデートされるのかどうか(実際、ジュキヤさんもサブチャンだとがっつりコミュニケーション系の動画をやってたり、そもそも現在の“The YouTuber”なコミュニティにも接点がある)。

あるいは、時代の状況・価値観が”また変わって”、過激な動画や企画性の高い動画がメジャーになるのかどうか。

コムドットが2021年大きく飛躍し注目を集めて、新世代・レジェンド世代というくくりも生まれて久々に“The YouTuber”がにわかに活気づいてる状況で、2022年はどんな変化が生まれるのか。

そういった現在の“The YouTuber”たちを取り巻く環境や時代の変化も含めて考えると、ジュキヤさんの作品・スタイルはクオリティとしても文脈としてもむちゃくちゃおもしろくて、個人的にはベスト3のうちのひとつです。


以上、ニゲロオリゴ糖の2021年「素晴らしいなあ...」と思ったコンテンツベスト3でした。

いまここで触れたモノ、あるいはこれまで触れてきたモノとはまた全然違う何かをおもしろがっているような2022年になればいいなあと思ってます。

それでは。









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