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原田、留学やめるってよ。

コロナ禍の真っ只中、1人の神戸大学の学生がフロリダの大学院留学を辞めてこれからやりたい事のお話。

※この記事は同じく留学を準備してる大学生や、神戸から英語を活かして世界を見てみたいと思っている同世代の大学生・大学院生・若手社会人に向けた内容です。

2020年10月初旬、留学仲介社に1本の電話がかかってきた。

「アメリカ大学院留学、辞めます。」

一年以上に及ぶ準備と熱意はたった4秒の電話で裏切られた。
僕は今も神戸にいます。
これからも神戸大学の大学院生として、ある事をやりたくて、2021年以降も神戸に残ることにしました。

なぜ僕が留学しようと思ったか、そして辞めようと思ったか、自己紹介がてら出生からお話を始めます。

飛ばしたい人は③へ。

①幼少期から大学入学まで

岡山県岡山市藤田という田んぼと住宅街に囲まれた環境で生まれ育ち、なんの変哲もない生活をして過ごした。
幼少期から中学卒業までドラマになる話は無いので割愛します。

高校は県内の進学校とされる”岡山五校”に含まれる、岡山芳泉高校に入学するが、高校では何もかもが上手くいかなかった。
体育以外の授業は寝る、成績は360人中358位、野球も全然。
上手くいかなかったんじゃない、やらなかった。
大学受験ももちろん上手くいくわけなく、浪人が決まった。

そこで初めて「後悔」ということをした。

※浪人の1年間は別の投稿でお話します。

1年間の浪人生活を経て、
「神戸大学理学部数学科」に合格。
↑イマココ

②大学入学から大学院留学を決意するまで

“格子なき監獄”と呼ばれる全寮制の予備校で1年間を過ごし、
神戸大学の入学式を迎えた時、
ずっと応援してくれた両親へ恩返ししたいと思うのと同時に、この大学生活は絶対に無駄にしたくないという想いが湧き出てきた。

4月、大学の授業や部活など、新生活が始まり、大学生活を有意義なものにするために、将来自分が何をしたいのか初めて考えた。

「アメリカのApple本社で働く。」

何故そう思い立ったのか覚えていない。
自己承認欲求を満たしたいがための陳腐な目標を掲げた。
いちご牛乳にあんこ投入するぐらい考えが甘い。

しかし、その原動力は凄まじかった。

苦手で好きじゃなかった「英語」もすぐ勉強し始めた。
1年生の夏休みは神戸大学のプログラムを使って初めてフィリピンへ、
2年生の春休みには、2ヶ月間インドへプログラミングを学びに、2回の海外留学へも行った。

オンライン英会話を始めてみたり、とりあえず話せる事を目標に必死だった。
そのため、大学に入ってからはそれまでに増して海外志向が強くなった。
数学科ではプログラミングを習わない事が分かってたので、HTML、CSS、Java、C言語などのプログラミング言語も独学で勉強し始めた。

しかし、2年生の春休みを終え、3年生に上がった頃、ふと自分がプログラミング自体をそんなに好きでない事に気づいた。

あまりにも気づくのが遅すぎた。

ただ、ちょうどその頃に本格的になってきた大学の数学が好きにもなっていた。

③留学を決意してから辞めるまで

そんな時たまたま、YouTubeでアメリカの大学で行なっている数学の講演を見た瞬間、プログラミングよりもやりたいことが見つかってしまった。

「ラングランズ・プログラム」

代数学、解析学、幾何学と大別される数学だが、それら3つを統合できるのではないかという画期的な予想。

「これだ!」と感じた。

その最先端を研究している教授がアメリカのカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)に在籍している。

その人のもとで学ぶ。3回目の留学先の予定が決まった。

そうと決まればすぐ準備に取りかかった。
TOEFLとGREの勉強、日々のGPA、果てしなく辛かったが、昔から耐えるのは得意だった。

意気揚々と勉強し、着々と準備を進めていたが、4年生の夏休みに入る前、何故だか悶々としていた。
胸の奥に違和感がある。
頭の片隅に一抹の不安がある。

「本当に留学行って大丈夫なのかな?」

自分が本当にやりたい事は大学院留学して数学を勉強することなのか?
数学なんて紙とペンがあればできるのに、このコロナ禍の中わざわざ行く必要ある?

4年生で就職活動を控えた時期と言うこともあって、
社会人になった時仕事につながりにくい専門的な数学をとてつもなく高い学費とこれから更に3年と言う時間を使ってやって、それに見合う将来が待っているのか冷静になると、

不安が勝った。

この不安は漠然としてはいるが、本当に多くの大学4回生が1度は心に浮かぶ不安でもあると思う。

ここに来てやっと、
自分のやりたい事と初めて「向かい合った」

それでも勢いで勉強したおかげもあって
UCバークレーは経済的理由で断念していたが、近い研究が出来そうで、比較的学費と寮費が安価な「サウスフロリダ大学」には実は合格していた。

フロリダ州タンパに位置するサウスフロリダ大学は、僕の専攻している「数学・幾何学」が強く、現在の神戸大学で自分が所属するゼミの教授が若い時に在籍していた大学でもあった。

しかし、それでもまだ学費も生活費も日本の3倍以上かかるのに、
このコロナ禍の中、本当に自分はアメリカに行ってまで数学を勉強したいのか?
自問自答した。 その瞬間、心の中の自分は首を横に振っていた。

理由は、2つある。
1つは、国立大学とはいえ、浪人時代も合わせて学費で世話になっている親にこれ以上の負担を掛けてまで”今”行く必要はないと感じたから。
本当に行きたくなった時、「自分で稼いだお金」を使って行った方が必ず自分の糧になると思った。

2つ目は、留学よりも”今”やりたい事を見つけたからである。

この2つ目の理由が僕がアメリカ行きの留学をやめた理由であると同時に、
この記事を書くことになった理由そのものになる。
ここからがこのお話の本題です。

④これからやりたい事の話

少しさかのぼり、大学3年生の夏、
英語を勉強していく中で、大学以外でも英語を「話す」環境を求めていた。
そんな中、知り合いから英会話カフェの事を聞き、興味本位で足を踏み入れた。

SMECと呼ばれる、当時元町で毎週土曜日の昼に開催されていた英会話カフェだ。
“初級者の居ない英会話カフェ”を掲げており、初めて行った時は緊張しすぎて気管にコットンでも詰まっているのかと思ったが、オーナーさんが知的で話も上手く、あっという間に終わったのを覚えている。
2時間が本当に「あっという間に」終わってしまった。。。と思うと同時に、終わった時には来週も来ようと決めていた。

何度か通っているうちにオーナーさんが、英会話カフェとは別に、バーも経営しているという事を知り、すぐに行ってみた。
このバーも何度か通っていた時、非常に興味深い話が耳に入ってきた。

「後継者としてSMECのオーガナイザーをやってくれる若い子を探している。」

興味のある事には条件反射的に手を挙げてしまう男だ。
(長くなるので割愛しますが、以前からビジネスコンテストに出たり、マーケティングや経営にも興味があった)
Facebookやinstagramなどの有料SNS広告を打ったり、HPを変えたり、実際のコンテンツにおける施策を考えたりと、大学では勉強出来ない事を学べるチャンスだと思って飛び込んだ。

翌年の1月から本格的にスタッフ側の立場に立ち、上記の事をやっていく中で、自分がメインでオープンさせてもらえるようになった。
オーナーから自分に替わっても、毎週のように来てくれるお客さんや、
新たに自分が打った広告を見て、来てくださったお客さんを見て、

素直にめっちゃ嬉しかった。

それは自分にとって勉強して良い点を取れた時や、数学の難しい証明を理解した時よりも、素直な感情だった。
そして、その光景は僕の心の中に漠然と居座っていた不安を消してくれるかの様だった。

「お客さんが、自分にお金を払って来てくれてる。」

自分で考えて仕掛けたことが、少ないけど「売上」として数字に残って、
その手に現金を握った時は、なんだか塾の講師のアルバイトで頂いたお給料とは少し違った。

そして、なんだか少しだけ自信がついた。
間違いなく自分のなかで「嬉しい」ことはわかった。
同時にこの感情が将来の不安をやわらげてくれる気がした。

今まで自分が本当に欲しかったのは「これ」だった。
フィリピンにも、インドにも、きっとアメリカにも無かった。

卒業した後の進路に迷ってはいたが、この経験を通して「集客」に関わる世界に進みたい。
その時に今自分ができる就職活動で最大の武器になる経験は、

「集客戦略の立案、実行、振り返りを繰り返しながら、
 商品となるお客さんが得られる体験をデザインを考えて、
 試行錯誤しながら結果として数字が見えること」

その土台はSMECに既に整っていて、自由に変えれる。

自分が本当にやりたかったのは「これ」だった。

だから、神戸に残りこれまで勉強したことを総動員して自分のできることを試してみたい!
そして、コロナの影響や僕個人の問題のため、2020年8月から休止にしていたSMECを今年の4月から再開するとともに、新たな体系にチャレンジしていきます。

そして、一緒に頑張れる仲間も募集しています。
ここまで読んでくれて、少しでも興味のある人は迷わずにメッセージかコメントをください。

必ずもらったその日のうちにお返事します。約束します。
既読スルーしません。

僕が体験した
「お客さんが来てくれて嬉しかった気持ち」
「自分で考えたことに結果が出た時の気持ち」

を共感してくれる同世代がいたらもっと楽しい!と思っています。
このお話には書いてませんがたくさんの失敗やうまくいかなくて無駄に終わった作戦もあります。そんな時にひとりで落ち込むより、誰かと一緒に振り返れた方が失敗も合わせて楽しめる気がしています。

なので、次回の記事は僕がこれから挑戦する新しいSMECの具体的な内容を説明していきます。アルバイトの募集要項の様なものですがもっとわかりやすく、ちょっとオカシイ内容になってますが、絶対に大学のキャンパスで過ごす時間よりは有意義になるはずなので、
神戸にいるヒマしてる大学生か若手の社会人の方でこの記事を読んでいる人はこのまま次の話をクリックしてください。

ということで次回へつづきます。



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