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JARL選挙2024 開票立合報告


1.開票立ち合いのきっかけ

 日本のアマチュア無線界を代表する一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)の運営をめぐる激動が続いている。
 2023年、ここ数年来の社員有志による執行部への追及が奏功し前会長の解任に至った。
 とはいえ慢性的な赤字経営、若年層の会員の減少など問題が山積しており将来の見通しは暗い。
 JARLの今後を見通す上で今年の選挙結果を開票の現場で見てみたかった。

2.開票立会の申し込み

 開票の立会には事前の申し込みが必要で、選挙の立候補者の立候補届と合わせ立会者としての推薦状を出してもらう必要がある。
 知り合いの現役社員に依頼した。
 JARL事務局から開票立会人の決定通知が来たのは4月9日であった。

3.開票会場まで

 開票会場は東京都町田市の三井倉庫レコードセンター。最寄駅は京王線多摩境駅。
 私は東京在住だが、多摩境まで距離があるため万全を期して町田に前泊した。
 開票日である4月20日に現地に8:40集合であった。余裕をみて8:30に到着するとすでにJARL職員の方がいらしていた。
 開票会場に入ると終わるまで出られないので娑婆とはしばしの別れ。
 開票会場にはスマホはもちろん筆記用具も持ち込めない(不正防止のためアグレックスが用意したカラーのボールペンのみ使用可能)。
 昼食は30分程度で交代で取る。
 開票会場は施錠されているためトイレに行く際はいちいち鍵を持っているJARL職員の付き添いが必要。


開票会場の三井倉庫レコードセンター(町田市)

4.開票作業

 開票作業の体制は下記のとおり。
 選挙管理会 4名
 JARL事務局 3名
 立会人   3名
 アグレックス(開票作業担当) 約30名

 開票の流れ
 4月19日 
 18:00  選挙管理会が開票会場のポストを確認し票が残っていないことを     確認
      今回、通常の配達が終わった後に速達が1通到着したという。
      前回、2022年の選挙では締め切り後に到着した投票用紙は約       1,400枚。これだけあれば当落がかなり変わっただろう。
      前々回2020年は遅れてきたのは約400通。2022年が激増してい      るのは、郵便配達の遅延が原因であろう。
 4月20日
 9:15 選挙管理会による挨拶「会員の皆さんの大切な一票、くれぐれも間    違いのないように」
 9:30 開票開始
16:10 開票終了 集計作業
16:57 選挙結果をJARLサイトへアップロード
 

5.疑問票、無効票の例

  • 鉛筆でマークしていない(ボールペン、蛍光ペン等)

  • 候補者の複数、全員にマークしている

  • 投票用紙に書き込みがある(「おまかせします」「なぜこの候補が立候補しているんだ!」「名前が変わりました」「コールサインと名前だけでは選べません!」等)

マークシート読み取り装置で読み取れないものについては一枚一枚選挙管理会メンバーによる合議で有効無効が判定される。疑問票、無効票がなければ1時間ぐらい開票作業を短縮できたのではないか。
選挙管理会の方針としては投票者の意思がはっきりわかるものについては救済していた(候補者2名にマークがあるが片方に✕をつけているもの等)

6.所感

 一番驚いたのは前回締め切り後に届いた票の多さだった。今年の選挙は郵送遅延が広く知られるようになったせいか、選挙期間の前半に集中して届いたと聞いた。それでも特に1エリア以外については締め切りに間に合わず、死票となった例が多いのではないだろうか。JARLの選挙では1票差で当落が分かれることも珍しくない。せっかくの会員の意思が無駄になってしまうのは残念だ。

7.電子投票はどうか

 世間一般では株主総会の投票などに電子投票が導入されている。
 JARLも電子投票を導入すべきと強く感じた。
 膨大な郵送費をゼロにできる。郵送の遅延や無効票・疑問票は解消できる、開票の業務委託費もいらなくなるなどいいことづくめだが、果たして会員がついてこれるか?個人的には電子投票だけに絞りたいがそうすると会員のITリテラシーにかんがみるに投票率が10%くらいになりそうだ。
 現行の郵送方式と電子投票を並立させると金がかかって意味がない。新体制の理事、社員のみなさんにぜひ検討をお願いしたい。
 


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