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ボクシング世界戦リターンマッチ(4)

 今回取り上げるのは、元WBC世界バンタム級チャンピオンで、12度の防衛記録を持つ山中慎介氏です。
 2015年9月22日と2016年9月16日に、ゴースト(幽霊)の異名を持つアンセルモ・モレノ選手(パナマ🇵🇦)との対戦です。
 当時の山中選手は、「神の左」と呼ばれる伸びる左ストレートを武器に、多くの挑戦者をマットに沈めて来ました。
 3月の9度目の防衛戦の相手、モレノ選手は、WBAバンタム級王座を7度防衛し、スーパー王者まで登りつめた選手で難敵でした。身体が柔らかく防御技術に優れていて、一発もある曲者。12回フルに戦い、判定2対1で山中選手の勝利。防衛に成功します。
  この後、1試合を挟んでの再戦となりました。約1年ぶりの、2016年9月16日に行われたリターンマッチは、初回からモレノも攻勢に出て来て、倒し倒されの非常に白熱した試合になりました。ガードが下がったところに、モレノのパンチを被弾。山中選手もダウンします。ダメージが少なかった為、その後は持ち直します。そして、今度は山中選手が神の左で、モレノ選手からダウンを奪います。両者が攻撃的に試合を進めている為、12回判定は無いと思ってました。
 そして迎えた第7ラウンド。山中選手の左が冴え渡ります。驚きの表情を見せるモレノに対して、コーナーに追い詰めラッシュ。モレノは崩れ落ち戦意喪失。7回1分09秒TKOによる山中選手の11度目の防衛成功となりました。
 ただ気になったのは、最初のモレノ戦辺りからダウンが目立ち始め、ソボリオ・モリス戦でもダウンしてます。
 山中選手は、12度の防衛に成功。最後は、ルイス・ネリのプロとして有るまじき行為により、王座陥落してしまいますが、記録と記憶に残る日本人王者になったと思います。神の左と呼ばれた左ストレートは、伸びながら狙ったところに命中すれば、一発で相手を倒せる素晴らしいパンチでした。

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