おすすめの映画ールパン三世カリオストロの城
次はちょっと飛んで⑩のルパン三世カリオストロの城をご紹介したいと思います。
私にとっては宮崎作品の中ではダントツの1位。ラピュタもすごく良かったのですが、やはり全体的な完成度、熱量のこめ方、1秒も無視できない作り込みなどを考えるとこれが一位かと。。
宮崎さんの若さのエネルギーが溢れた作品ですし、想いがこれでもかと随所に見られる作品になっているかと思います。
ストーリーは語るもがなかと思いますので割愛します。
私が特に良かった点です。と言いながら既に何十回も見ているので、オープニングのカジノ強盗のシーンでサイレンが鳴るところで号泣です(笑)。
その後の音楽も全て秀逸。どのシーンにもこれしかないというぴったりな音楽で臨場感を高めます。映画音楽、アニメ音楽でこれほど感動したことはかつてありませんでした。
全体的に流れているテーマとしては私が感じたのは
1.男とは
2.格好良いとは
というテーマかと思います。
よくある男とはというテーマで格好良さを打ち出す作品には
男としてのマッチョさ、強さ、そういったものを売りにしている作品も多くありますが、本編ではそういった部分を取り上げているわけではなく
・どこか欲のない?達観した生き方
・全体的に力みがなく、リラックスした状態
・損とか得とかそういった軸で生きていない姿勢
・表には出さないが、信用・信頼で深く結びついた関係
・すごい才能を持っているが、それを全面に出すわけでもなく、必要な時にさらっと出してくるクールさ
この辺が挙げられるのかなと思います。
ルパン、次元、五右衛門 いずれもいわゆるアニメ制作版とは少し異なった、コミカル性を少し抑え気味にした、本来の?各キャラクターの描かれ方があり、それぞれ”男”を感じさせます。惚れ惚れします。もちろん銭形もそうです。
また、女性の描かれ方もアニメ版とは1味違う。不二子はアニメと違い意地悪でわがままな不二子ではなく、深い人間性を持ち合わせ、それを垣間見せる不二子版となっています。ルパンとの過去の関係を語るシーンや、銭形との向き合い方にもそういった姿勢が描かれています。この作品の不二子はとても魅力的です。しかし、主役の3名+1名を際立たせるためか、不二子本来のかき乱し感、主人公感は出ていません。
ルパンの緩急が素晴らしく、本気ルパンとおちゃらけルパンの切り替えがすごいです。それがあるからか、本気ルパンの時の格好よさが痺れるくらい格好良いです。男はこうありたいなと思います。
また、盛り上げ方も非常にうまい。私はいつも、次元が塔のハジに控えており、城から煙が上がるシーンで”おっ始めやがったか”というようなセルフを吐くシーンがありますが、あそこが1つの盛り上げりの頂点で、そこからのルパンの一気呵成の動きは何もかも置き去るような、目的目標にむかって文字通り一直線、一点の曇りもない状況、これが興奮します。
クラリスですが、こちらはもうなんというか、アニメにおける絶対者というか、ヒロインの王道も王道と言いますか、これ以外の描きようがあったかどうかと思ってしまうほど、完成されたキャラクターです。伯爵も悪役として完璧です。
つまり、結局何を思ったかというと、それぞれのキャラクターに嘘がない、無理がないというのがこの作品の最大の魅力かなと思いました。
映画やアニメを見ていた時々没頭できない要素として、各キャラクターの設定に無理が生じている場合などは、時々冷めてしまうのですが、本作品はそれがありません。落ち着いて見ていられます。
格好良い男とはというテーマで見ると、色々な発見があると思いますし、単純に冒険活劇として、古城、謎、美女のお姫様、盗賊と一味、などなど要素も娯楽としてはくすぐらる要素ばかりで見どころ満載です。
もしご覧になっていない方がいたら視聴をおすすめします。