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愛の空回り
娘たちがだいすきなパパと、思春期でそれをちょっとめんどくさいと思う、娘たちとのやりとりの、ささやかなはなしです。
「ケンタッキーあっためたろか?」
キッチンのリフォームが完成した日、出来上がったのが夕方だったため、キッチンは使えるけどごはん作るのは大変、ということで、パパがケンタッキーのチキンを買ってきました。
わたしはもう唐揚げとかいいわ、と思い、めちゃ長生きしそうな和風のお弁当を買いました。なので、パパと娘たちの3人分です。
パパは自分で料理ができることもあり、食べるタイミングとかにも結構うるさいです。だから、食べ物を温めるだけでも、自分の好きなものなら、私が適当にすると気に入らないようで、いつも自分で温めています。
で、パパはケンタッキーも大好きなため、ちゃんとおいしく食べられるように自分であたためていました。そして、娘たちにもちゃんとおいしくあたためてあげよう、と思ったようです。
次女に
「●●ちゃん(次女)、ケンタッキーパパがあっためたろか?」
と言って、次女の分をレンジに入れています。次女は優しいのでふつうにうん、ありがとうとお願いしてました。
出来上がり、お皿に入れてくれました。4本もあります。さすがに多いんじゃないか、と思いましたが、そこでいつもの決まり文句。
「食べられへんかったら、パパが食べたるわ」
結局まだ食べたいのね…
「ほらできたよー。バランスよく胸肉とこれとこれと…」
と説明していますが、次女は「ふーん、別になんでもいい」とKpopの動画をテレビに映しながらパクリ。
丁寧に選んで、丁寧にレンジであっためたのに、反応が薄く、ちょっと肩透かしをくらったようです。
「パパ、愛がから回ってるで。愛の空回り。」
とわたしが言うと、
「なんかの歌詞みたいやな~、娘たちに愛あるのになあ!どうも伝わりにくいみたいやけど~」
「ま、思春期あるあるだね~」
と笑いました。
長女に
次に、長女が部活を終えて帰ってきました。
かえってくるなり、「パパがケンタッキーあっためたるわ!」と言います。突然で長女は「??」という感じ。そしてまた長女の分のチキンをレンジに。
チーン!とできたら、お皿に盛って出してあげながら、また「これは胸肉やで。胸肉はいいたんぱく質で…」と説明を始めると、長女が
「そういうのがいらんねん」。
愛がから回る夜でした。残念。
最終的に
ひととおりあたためてくれて自分のお部屋にパパは帰りました。その後、「しなっとなるからもうちょっとかりっとしてほしい」と長女が言うので、結局、トースターでチキンとポテトを最終的にわたしがカリッとさせました。
パパは娘たちがだいすき。でもうーん、なかなか愛を伝えるのは難しそうな、今日この頃です。