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なんでまた vol.01

2018年に会社を創業して丸5年が経過した。
創業したてのまだ1人の頃、5年も続かないと言われた。

2007年に新卒で入社したのは上場企業のSIベンダー。限られたエリアで10年営業。残りの1年は営業本部で営業支援。11年間で学んだのはオフィス型複合機で数字を作る方法。トータル3000台以上の複合機販売をした。

入社から自分なりに努力し続けた。歯車がしっかり合っていた。性格は負けず嫌い。でも理由が分かる負けにはまったく腹が立たない。だから営業も楽しくのめり込めて、研究熱心に続けた。

在籍中は新人からずっと年間賞が取れた。最短昇格もし続けたし、ヨーロッパ褒賞旅行も最年少で参加した。入社5年目からチームのリーダーを任してもらってマネジメントぽいこともやった。個人だけでなくチーム全員で売ることを学んだ。

どのストーリーで進んでも明るい道しか見えなかった。上司も先輩も後輩もいい人ばかり。8000人近い社員が全国にいるから飽きない。成績上位者は年に4回ボーナス的なものがあった。たくさん給料をもらい続けた。家を買って、結婚して男の子2人が生まれた。良いスーツを着て、ロレックスをつけて、ベンツに乗った。

入社した頃にぼんやり憧れていたことが全て叶っていた。こわいものもなくなっていた2016年、当時同期のY(現弊社専務)からハワイに誘われた。Yのご両親の知人社長方も集まり、大人数でハワイに行った。ハワイは空港から独特のいい匂いがした。

10日間滞在のハワイのスケジュールの中にゴルフがあった。そのゴルフの行きのバスでS社長と出会った。S社長もいま思えば当時39歳ぐらい。明らかに雰囲気が違った。会社をやっている人が放つ独特なオーラ。

そのバスの中で会社をはじめた経緯や親から引き継いだ億近い借金を返し切った壮絶なエピソードを聞いた。S社長はずっと笑っていたけど、わたしは圧倒され笑えなかった。

この10日間はあっという間に過ぎた。S社長含め一緒の時間を過ごした諸先輩方とは差を感じた。すぐには埋まらない差。だけど埋めるように努力しないといけない差。

たぶんホテルから見えてるダイヤモンドヘッドの見え方、海の青色、波の音、吹いてる風の感じ方も全部違うだろうなと。

ハワイから帰ってきてからまた日常に戻った。ここからの毎日はつまらない、つまらない、つまらない。このまま自分の人生は想定通りに進み、つまらないまま終わる。

止まらないスイッチを押してしまった。危機感で覆い尽くされた。

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