4月の東よか干潟①クロツラヘラサギとヘラサギ
4月の中旬、有明海の干潟、佐賀市の東よか干潟へ行って来た。雲仙普賢岳を背景に拡がる東よか干潟。ラムサール条約認定の広大な干潟だ。
第1日目は11時頃に満潮になるというのでその3時間ほど前に佐賀駅近くのホテルを出て、現地に向かった。生憎雨の予報であったが、現地に着くとどんより曇っているのが雨は落ちていない。潮が上がるにつれてハマシギが大きな群で飛び回る。まるで龍が大空を舞うようにうねっている。
満潮に近づくとシギやチドリが岸に近づいてくるが、なお遠い。
首の周りが黄色を帯び、派手な冠羽が目立つクロツラヘラサギが群れている。
群の中に数は少ないがヘラサギも居る。クロツラヘラサギに比べてやや大きいが見た目はかわいく感じる。
クロツラヘラサギとヘラサギは平らなしゃもじのような嘴を持つユニークな水鳥である。両者はトキの仲間である。クロツラヘラサギは朝鮮半島、ロシアで生息し、繁殖し、日本を含む東南アジアで越冬する。クロツラヘラサギは生息地の環境悪化のため1000羽程度にまで激減したが、懸命な保護活動の結果、今では4500羽くらいに回復した。環境省の絶滅危惧種IB類に指定されている。ヘラサギはユーラア大陸中緯度より南で生息し、冬に中国、日本、アフリカ大陸で越冬する。共に吃水域、干潟など湿地にいる。大きさは前者が体長75cm、体重1.5kg弱、後者は体長83cm、2kg弱。両者は嘴が黒くヘラ状であるなど良く似てるがクロツラヘラサギは顔に羽毛がなく黒い。クロツラヘラサギの若鳥は翼の先端が黒い。成鳥になるにつれて嘴に横線のような皺が見られる。干潟など湿地に居て、ヘラのような平たい嘴を水中に入れ首を左右に振りながら、嘴に当たった貝、蟹、小魚を捕食する。