見出し画像

便利な経営戦略のツール:インフルエンスダイアグラム

前回は、企業経営にリズムを生む『限界利益』を重視した経営管理についてお話ししました。今回は、その際に触れた『インフルエンスダイアグラム』というツールについて少しだけ詳しく紹介します。

『インフルエンスダイアグラム』は、目標から逆算して影響要因を分析するツールです。ゴールに影響を及ぼす要素を明確にし、ビジネスのモデリングを行います。シンプルで使いやすいので、興味を持たれた方はぜひ試してみてください。

fig.1に一般化した事例を載せています。この図では、『売上増加』をゴールとして、それに影響を与える要因を階層的に示しています。例えば、売上は「顧客単価」と「顧客数」に分解され、さらにそれぞれの要因が詳細化されています。

fig.1_インフルエンスダイアグラムの使用事例

この『インフルエンスダイアグラム』は1970年代にロナルド・A・ハワード教授とジェイムス・E・マセソン博士によって発表されました。正式には、ビジネス要素を「意思決定ノード」・「不確定ノード」・「価値ノード」の3種類に分けて描くそうですが、実際の使用ではより柔軟に適用できます。

このツールを使うことで、ビジネスモデルの理解や目標達成に向けた施策の検討に役立ちます。例えば、自社の『売上公式』を作成する際に活用できますね。基本的な「売上」=「顧客単価」✕「顧客数」という公式に、自社の特性に応じて「リピート率」、「成約率」、「新規顧客数」「既存顧客数」などの要素を加えていくことができます。ちなみに 私は結構使っています。

ぜひ、ご自身のビジネスをこの『インフルエンスダイアグラム』を使って整理し、独自の売上公式を作ってみてはいかがですか?。それによって、どの要素に注力すべきかが明確になり、効果的な戦略立案につながるでしょう。


参考資料:

  • 「不確実性分析‐実践講座」 福澤英弘 小川康 /著

  • 「スタンフォードで学んだ 最強の意思決定 メンバーの知恵を錬成する実践手法」 籠屋邦夫 /著

いいなと思ったら応援しよう!