人生ゲームだけじゃない!奥が深いボードゲームの世界
みなさんは、ボードゲームで遊んだことはありますか?「ボードゲームってつまり、人生ゲームやすごろくのことでしょ?小さい頃遊んだっきりだなぁ」という方も多いんじゃないでしょうか。
その影響で、「ボードゲームって子供向けの遊びじゃないの?」「要はサイコロの目に合わせて進んでくゲームでしょ」というイメージをもたれている方もいるかもしれません。
でも、例えば子供の頃に飲んだ甘酒の記憶をもとに「お酒」について語ってる人がいたら、「いやいや、お酒ってもっといろいろあるし、もっと奥が深いよ?というか甘酒にはほとんどアルコール分は含まれてないよ?」って思いますよね。
ボードゲームも、めちゃくちゃ種類が豊富で、奥が深いんです。数日がかりで粘り強く交渉を重ねるゲームもあれば、合コンとかでパッと遊んで打ち解けられるゲームもある。勝敗を決めるものもあれば、みんなで協力するものもある。最初に遊んだボドゲが例えあまり好みじゃなかったとしても、ハマれるゲームにきっと出会えると思います。
参考までに、いくつか例をあげてみますね。全然違うタイプのボードゲームを紹介するので、一口に「ボドゲ」といってもこれだけの幅があるんだと実感してもらえれば嬉しいです。
*ボドゲの王様: カタンの開拓者たち
まずは、王道ボードゲーム「カタン」。ボードゲームに詳しくなくても、「カタン」の名前は聞いたことがある、という方も多いんじゃないでしょうか。
「木材」や「レンガ」などの資材を集めつつ、家を建てたり、街を作ったり、道をひいたりと「開拓」をすすめていくカタン。「運」「戦略」「交渉」の全要素がバランス良く含まれているのが特徴です。
資材の取りやすさが変わってくる最初の配置で、どのポジションを狙いにいくのか。たくさん家を建ててポイントを稼ぐのか、はたまた道をがんがん伸ばすのか、その他のボーナスポイントを狙いにいくのか。上手な交渉のコツは何なのか。
非常に奥が深いゲームでもあり、その実力を競う「カタン日本選手権」や「世界大会」なんてものも存在しています。
*コミュニケーションゲームの代意格: インサイダーゲーム
続いて代表的なコミュニケーションゲームである「インサイダーゲーム」。「はい」か「いいえ」だけで答えられる質問を繰り返し、隠されたお題をあてるというものです。
お題を知っていて質問に答える「マスター」と、お題を当てるべく質問を繰り返す「庶民」にわかれて遊ぶこのゲームですが、実は密かにお題を知っている「インサイダー」が「庶民」の中にこっそりと紛れ込んでいます。
「インサイダー」は、自分が「インサイダー」であることを悟られないよう「お題を知らないフリ」をしながらも、うまく議論を誘導していく必要があります。
一方の庶民には、「お題をあてる」と「インサイダーをあてる」の2つの目標があります。制限時間内にお題を当てたい一方、的確な質問をしすぎてあまりに早く答えに到達してしまうと、インサイダーをあぶり出すことができない。そんなジレンマの中で駆け引きを楽しむゲームでもあります。
みんなでわいわいしゃべりながら進める15分くらいのゲームなので、アイスブレイクにも最適です。
ちなみに余談ですが、このゲームには「ボード」は登場しません。使うのは、お題や役職が書かれたカードのみです。「ボドゲ会」や「ボドゲカフェ」では、こうしたカードゲームも含めたアナログゲーム全般を扱うことが多いです。
*タフな交渉ゲーム: ディプロマシー
続いては、20世紀初頭列強各国になりきって外交に挑む「ディプロマシー」。先ほどのインサイダーゲームとはうってかわって、とにかく時間がかかる重ゲーです。一日じゃ決着がつかないことも。
このゲームの肝は、一にも二にも交渉。がっつり交渉タイムをもうけたあと、各国が「せーの」で軍を動かす、というサイクルを繰り返しながら自国の補給地を広げていきます。交渉内容を他の国に聞かれないよう、わざわざ別室にこもったりもします。
たとえば自分が「イギリス」役になったら、「フランス」を呼び出して「ちょっと一緒にドイツ攻めませんかね?」とか、「イギリス海峡はお互い不可侵にしておきましょ」なんて密談をするわけです。
その一方でドイツにもいい顔をしてみたり、どのタイミングでフランスを裏切ろうか考えたり、はたまたロシアの動向が気になったりと、なかなかタフなゲームでもあります。
*協力ゲーム: パンデミック
ハードな交渉ゲームがある一方、プレイヤー全員で協力して共通のゴールを目指すものもあります。
「パンデミック」の舞台は、4種類の感染症が同時にはびこる世界。プレイヤーはそれぞれ「衛生兵」「検疫官」「科学者」などの役割を担い、感染拡大を食い止めるべく奔走します。
で、各プレイヤーの能力がめちゃくちゃ高いのです。たとえば衛生兵は、自分が滞在している都市のウィルスを全部取り除くことができます。ひとりで、全部ですよ?国を挙げての緊急事態宣言だのロックダウンだのをもってしても難しい偉業を、一人で成しとげてしまうのです。
それから、検疫官。検疫官がいる都市、そしてその隣の都市では、新たなウィルスが増えません。潜伏期間中の無症状患者もだれ一人見逃さないばかりか、なぜか隣の都市にまで影響がおよぶという強者。
こんな強者たちが揃っているにもかかわらず、ウィルスは増え続け、ゲームオーバーまでの時間が刻一刻と迫ってきます。それまでにワクチンを完成させ、人類を救う英雄になれるのか。こんなご時世だからこそ、一度挑んでみたいゲームです。
*パーティーゲーム: たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ
戦争に感染症にと重いテーマのゲームが続きましたが、もっともっと軽いゲームもたくさんあります。
たとえば、「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ」。
このゲームでは、いろんな言葉が書かれたカードが各プレイヤーに配られます。プレイヤーは手持ちのカードを自由につなぎあわせ、即興でプロポーズの言葉を考える、というわけです。
このカードなんですが、「愛してる」みたいなストレートなものもあれば、「おじいちゃん」みたいにちょっと使いどころに迷うものもあります。
じゃあベタな愛の言葉が配られたプレイヤーが強いかといえば、そうとも限りません。各ターンの勝者を決めるのは、プロポーズを受ける役の人。直球のメッセージがいいのか、ひねりがあるプロポーズがいいのか、全てはその人の好み次第です。また、プロポーズ時に本気で演技してみたりしても盛り上がるはず。
ここまで5つほど紹介してきましたが、これだけでもボードゲーム(アナログゲーム)の幅の広さがわかっていただけたんじゃないかと思います。
このほか、イラストからの発想力が試される「DiXit」、生き物たちに変な名前をつけて遊ぶ「ナンジャモンジャ」、瞬発力が問われる「おばけキャッチ」、ヒントをもとにお題をあてる「Just one」、パズルゲーム「ウボンゴ」などなど、まだまだいろんな種類のゲームが存在しています。ぜひいろいろと遊んでみて、好きなゲームを探してみてもらえればと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?