【問86】ふと意識を開くと何を感じるか?
意識を25年後くらい(私の45歳の時)に向けてみた。
25年後を想像したときに最初に感じたことは、微笑ましい思いである。漠然とした自分の姿がイメージできたのだが、45歳の暮らしぶりは穏やかで幸せも感じているようであった。
そして、その45歳になる25年後に現在のことを振り返るとどのように思うのか、と考えてみると、今感じているほとんどの思いの感覚は忘れ去っているだろうなと思った。「何をやったか」や「どう感じていたか」という事実は覚えているかもしれないが、遠い過去の感情を身を以って思い出すことは難しいのかなと思った。
3年前まで感じていた高校での部活のことも「毎日苦しい思いをしていた」と感じていた事実は覚えているが、その時の苦しみを現在の自分が直接感じることはできず、3年前というそんなに遠くない過去をいま振り返ると「懐かしいな」くらいの思いである。
まして、25年前のこととなるとどこまで覚えることができるのか、想像ができない。
今から25年前というと自分が生まれる5年前のことであり、勿論何もないわけだが、今こうして文章を書きながら生まれたときのことを思い出してみると案外今まであっという間だったのかも、という思いも出てきた。25年後は遠い未来のことかもしれないが、実際にはすぐ45歳になってしまうのかもしれない。
とにかく、今の自分はここまで「今をその時なりに一生懸命生きてきた」積み重ねの集大成の姿である。25年後の自分を形成するのも現在の自分の「目の前のことに一生懸命生きること」の積み重ねである。
今強く感じている思いも、時が経つにつれて些細なことになっていく。意識を先の未来に向けることによって、どんなに楽しい思いだろうと、どんなにつらい思いだろうと、それらはその時にしか感じることができない貴重な思いなのだと感じ、今を一生懸命生きる。
意識を先に向けたからこそ感じることのできた「今の積み重ねの大切さ」である。