第2回JPTミッション研修 開催レポ
こんにちは、JPT note編集部です。
6月2日(木)に2回目となる「JPTミッション研修」を開催しました!
ミッション研修とは?
JPTでは「障害の有無に関わらず、全ての人が対等(parallel)で、社会的意義を感じながら持てる技術(technologies)を発揮して働ける社会の実現」をミッションに掲げています。
そして、JPTに関わる一人ひとりが、このミッションを実現する主体だと考えています。
「誰もが対等に働ける社会」とはどんなものなのか、どのような意味や価値があるのか、体感や対話を通して考えるきっかけにすることを目的に研修を開催しました。
今回はパラテコンドー選手の伊藤 力選手をお招きし、「パラアスリートと考える、障害、スポーツ、仕事」をテーマに、JPT副社長の阿渡さんとパラテコンドー日本代表同士によるパネルトークを行いました。
伊藤 力選手(株式会社セールスフォース・ジャパン所属)
2015年、職場での事故により右肘上部を切断。退院2週間後にはアンプティサッカーを始める。アンプティサッカー関係者の紹介で、2016年1月パラテコンドーと出会う。全日本選手権優勝、国外の大会でも優勝するなど実績多数。
阿渡 健太(日揮ホールディングス株式会社所属)
先天性の両上肢障害。日揮ホールディングス株式会社で人事業務をしつつ、2021年1月から日揮パラレルテクノロジーズ株式会社の副社長を兼任。2017年からパラテコンドーをはじめ、仕事と競技を両立しつつ、2024年パリパラリンピック出場に向けて活動中。
パラアスリートと考える、障害、スポーツ、仕事
パネルトークでは
・障害に対する考え方
・パラテコンドーの醍醐味や魅力
・企業に所属するアスリートしての役割
など、様々な視点でのお話を伺いました。
先天性/後天性による受け止め方の違いもありつつ、障害に対しては
「障害は障害でも、変えられないものならば前向きに考えるしかないと思っている。パラテコンドー選手として活動できるのは、腕がないからとも言える」(伊藤さん)
「障害は社会が見るカテゴリーのひとつで、自分自身は障害者という感覚はない。障害の有無にかかわらず、自分を受け入れてやりたいことをやっていくことが大切」(阿渡さん)
など、自身の身体的特徴を俯瞰して捉えつつ、前を見据えて挑戦する姿勢が印象的でした。
競技については
「パリパラリンピックを目指し、自分が選手としてどこまでいけるか挑戦したい。自分の挑戦する姿を通じて、障害を持つ子どもたちにもこんなことができるんだよというのを伝えたい」(阿渡さん)
「パラリンピックで金メダルを取ることを目標にしている。パラテコンドーの競技人口はまだまだ少ないので、競技者を増やすためには実績が必要だと思っている。純粋に見ていて面白いスポーツだと思ってほしい」(伊藤さん)
と、それぞれの熱い思いに刺激をもらいました。
伊藤さん・阿渡さんの生活をプチ体験
パネルトークの後は、2班に分かれてのグループワーク。
伊藤さんの発案で、この日の午前中、私たち参加者は『片手なし』チームと『両手なし』チームに分かれ、それぞれ片手or両手を封じての生活にチャレンジしました。
この体験をふまえて
・やってみての感想や困ったこと、工夫したこと
・困りごとを解決するために、個人(当事者)と社会(周囲)がそれぞれ出来ること
について話し合いました。
「困ったこと」では
・普段両手を使って服を着ているので、片手でどう着替えたらいいのか分からなかった
・ベルトやジッパーを扱うことが難しい。ウェストゴムのズボンでないとトイレに行けない
・錠剤の薬を一体どう出したらいいのか本当に困った
など、たくさんのエピソードが出て盛り上がりました。
解決策の中には「腕を使えない人がどんな工夫をしているのかを共有するようなサイトがあったら便利では?」など、JPT社員らしい発想も。
「自分が身体障害の当事者だったらどうする?」を考える、大変貴重な機会になりました。
参加者の声
研修を終え、参加者からは
・自分に障害が無い部分では、その状態に頼りきって生活してしまっていて、「できない場合」についてほとんど考えていなかったことに気づいた
・不便だけど、なんとかしたら色々できるんだと思った。バリアフリー設計されている建物などを、あらためて使う人の気持ちになって考えたりするきっかけができた
・障害のある人が使ったらどうか?という目線を、システムやWebアプリの開発に取り入れる発想が必要だと感じた
などの声が寄せられました。
伊藤さん、阿渡さん、そして参加者のみなさん、ありがとうございました。
(執筆:あきこ)