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書籍「小学生の子が勉強にハマる方法」とゲーミフィケーション
こんにちは。ゲーミフィケーションデザイン賢者Lv98の”きっしー”です。
最近読んで面白かった本を紹介します。
「やる気」を科学的に分析してわかった小学生の子が勉強にハマる方法(菊池 洋匡, 秦 一生著,2019,実務教育出版)
小学生向けの学習塾の先生方が書かれた本です。
子供たちを「勉強に楽しんで取り組ませる」ための理論と実践法が書かれています。
その内容は、我々のゲーミフィケーションととても親和性のある内容でした。
「ARCSモデル」を使って学習意欲を分析
アメリカの教育工学者J・M・ケラーの心理学的やる気研究の集大成「ARCSモデル」を用いて、勉強を楽しんで取り組む“技術"を実践した内容を紹介しています。
対象者の子供に合わせて、「ARCSモデル」に独自のアレンジを加えているのも実践的です。
まずは「ARCSモデル」を使って学習意欲を分析し、本書の1章から4章で、手法を様々な紹介しています。
「Attention=注意」・・・勉強に「ワクワク」させる
「Reason=理由」・・・勉強に「やりがい」を感じさせる ※ケラー原著ではRelevance
「Confidence=自信」・・・「自分もできそう」と思わせる
「Satisfaction=満足感」・・・「勉強してよかった」と実感させる
すぐにも使える数多くのアイデアが紹介されています。さすが、どれも塾で実践されたことなのでしょう。
「ARCSモデル」をゲーミフィケーション6要素に当てはめるとこのように対応し、親和性が高いです。
《能動的な参加》 「Attention=注意」
《達成可能な目標設定》 「Confidence=自信」
《称賛の演出》 「Satisfaction=満足感」
《即時フィードバック》 「Satisfaction=満足感」
《成長の可視化》 「Reason=理由」
《独自性の歓迎》 「Attention=注意」
一対一で対応しているのではなく、複数対応している中の一番強い様子です。
具体的なアイデアで、特に面白くて、ゲーミフィケーションとしても素晴らしいものを3つ紹介します。
(38ページの図より引用)
つまらないドリルをすごろくゲームにする
35ページからの、「つまらないドリルをすごろくゲームにする」。
文中にゲーム名付いていなかったので「スゴロク算数」と私の方で勝手に命名。
分厚く出来の良い算数ドリル「下剋上算数(基礎編)」で繰り返し演習すれば実力が付くが、子供にとっては、見た目の圧倒感(最初からムリ)と飽き(途中までやったが飽きた)という2大ハードルが発生する。
では。どうすればいいのか?
著者らは、ここで、サイコロと得点表を準備。テキストを頭から順番にやるのではなく、サイコロを使って飛ばし飛ばしやりながら、ゴールを目指す。ゴールしたら次はサイコロを変えて繰り返す手法を実践した。
結果、ゲームみたいで楽しい、まばらに埋まるとたくさん解いているように見えて自信がつく、まばらだと隙間を埋めたくなるのですごろくなしでも解く様になる。など学習意欲が向上したそうです。
(41ページの図より引用)
成長を数値化して自分育成ゲームにする
40ページからの「成長を数値化して自分育成ゲームにする」。
こちらもゲーム名付いていなかったので「漢字ドラゴン」と私の方で勝手に命名。
得点表のスコアを使って、ゲームのようにキャラクターが成長する。合格点以上ならレベルアップ、スコアだけ経験値(HP)が増える。一定のレベルアップ毎により強いモンスターのアイコンになる。
毎日の学習を数値化し、レベルアップを楽しむゲームにした。効果点以下であってもスコアが経験値になるので弱い時の努力も報われる。模試という他人との勝負より、宿題を楽しくやり込めば、模試の結果もついてくる。
(19ページのマンガより引用)
算数クイズだよ
23ページの、算数をパズル、理科や社会をクイズに言い換えて、子どもに楽しそうなイメージを与える。私も使っている楽しくなる手法です。
読み終わって、こんなにいっぱい付箋紙貼りました。
内容は、小学生を対象としていますが、中学生以上、社会人にも応用できる勉強にハマる方法(=ゲーミフィケーション)ではないかと思いました。ここの学習塾、見学に行ってみたいです。
(おわり)
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執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/