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「雪印北海道バターには実は30%マーガリンが入っている」は根拠不明【ファクトチェック】

「雪印北海道バターには実は30%マーガリンが入っている」という内容のツイートが拡散しましたが、根拠は示されておらず、発売する雪印メグミルクは否定。投稿はアカウントとともにすでに削除されています。

検証対象

2022年12月19日に、雪印メグミルクが販売する「雪印北海道バター」の画像付きで、以下のツイートが拡散した(ツイートと投稿アカウントはすでに削除されている)。

この有名な雪印のバターは、表にも裏にも書いてないけど、実は30%マーガリンが入っています。完全に騙している。明治、森永、雪印は人生から排除なり。

このツイートに関連して「あたかもバターみたいな詐欺的な売り方辞めい!」などと、同調するようなツイートも広がった。

検証過程

バターやマーガリンは厚生労働省令JAS規格で「バターは乳脂肪分80パーセント以上」といった成分規格や製造法などが規定されている。原料から製造手法まで全く違うため、途中で誤って混入することはない。

日本ファクトチェックセンター(JFC)は厚労省食品監視安全課に取材した。雪印メグミルクの雪印北海道バターに関して、マーガリンが混入しているような情報は寄せられているか問い合わせたところ、「厚労省としてそのような情報提供や問い合わせは把握していない。何を根拠にしてそういう主張をしているかもわからない」との返答だった。

JFCは雪印メグミルクにも問い合わせた。広報担当は「雪印北海道バターは純粋なバターであり、マーガリンが入っているということはない」と完全に否定した。こちらも「なぜ、そのような間違った情報を発信しているのか意図がわからない。社内で対応を検討している」と話した。

検証結果

「30%マーガリン」と主張したツイートに根拠は示されておらず、その後、アカウントごと消去されている。雪印メグミルクは明確に否定し、厚労省も情報を把握していない。これらを踏まえて、検証対象のツイートは「根拠不明」と判定した。

あとがき

根拠がまったく見当たらない情報について、それが誤りであるという根拠を見つけるのは非常に難しいことがあります。今回についても、第三者機関がバターにマーガリンが混入していないか定期的に調べるという制度はないため、「雪印メグミルクが組織的に大規模な嘘をついている可能性」を完全に否定するためには、製造ラインへの詳細な取材が必要となります。

業界関係者にも技術的な観点から話を聞きましたが「原料と製造工程が違うために、誤って混入することはないし、意図的に混ぜて作ろうとしたら、その方がよほど難しい」とのことでした。

検証:古田大輔
編集:藤森かもめ


JFCのファクトチェック判定基準などの指針はこちらをご参照ください。

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