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「箱根駅伝で創価大の選手が卑劣な体当たり」は誤り【ファクトチェック】

2023年1月2日から3日に開催された第99回箱根駅伝で、「創価大の卑劣な体当たり」という言葉とともに、創価大の選手が國學院大の選手に接触する中継動画が拡散しました。しかし、接触された國學院の選手自身が故意による「体当たり」を否定しています。

検証対象

2023年1月3日、「創価大の卑劣な体当たり」という言葉とともに箱根駅伝の中継映像の一部がツイートされた。動画では、創価大の選手の右腕が、右側を走る國學院大の選手の左半身にぶつかっている。

他にも「創価大学の選手が体当たりで進路妨害」といった同様のツイートが投稿され、「創価タックル」というワードが一時Twitterのトレンドになった。

検証過程

今回投稿された映像は、1日目の箱根に向かう往路の3区。

映像では、創価大の選手が右側を並走していた國學院大の選手に近づき、右腕を國學院大の選手の左半身に接触させたように見える。

現場はどういった地点なのか、無料見逃し配信アプリTVerで中継を確認した。投稿された動画にはカットされていたが、現場付近にはレクサスのお店があることが分かった。調べてみると「レクサス横浜戸塚」だった。付近の地図を確認すると、現場は右への緩いカーブで、二股に分かれており、駅伝のコースは直進ではなく左側の車線に入っていく。上空から捉えた地図は以下の通り。(Googleマップ

検証対象のツイートが拡散したのに対し、接触された國學院大の山本歩夢選手は2022年1月3日夜に引用リツイートでこう述べている。

判定

現場は緩い右カーブで、コースは左側の道路へ変更する地点。道なりに走っていた創価大の選手は、右後方から追い抜いてきた國學院大の選手に接触した。「創価大の卑劣な体当たり」は誤り。

あとがき

選手同士がぶつかったのは事実のため、編集部内では判定を「不正確(ミスリード)」とすべきとの意見もありました。しかし、接触された選手の説明や地理的な条件から故意性は確認できず、『誤り』と判定しました。

検証:杉江隼
編集:古田大輔


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