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真空管ラジオをレストアしてみている。 1台目 (1) 電源周辺 その1

サンヨーSF-400のレストア記事です。

ラジオは鳴っているが違和感を感じる。パイロットランプがとても暗い。音量をあげると音が不自然になり、途中から大きくならないなど。不健康な感じです。裏ブタをはずし、周波数指示棒を外し、パイロットランプやマジックアイを外し、底のネジを外してラジオ本体をキャビネットから引き出します。

パイロットランプには6.3V用のものが使われていて、ひとつ切れていましたので、交換します。

回路図も少し破れていましたが、キャビネット内に貼られていました。

SF-400回路図

トランス付きの5球スーパーは、下記のようなトランスを使って、各真空管のヒーターを並列に接続して点灯しますが、トランスレスでは、トランスを使わずに真空管のヒーターを直列につなぎ、100Vで点灯させす。この点はこのラジオも同じです。

トランスレスラジオのヒーター配線の例

そして、高い電圧を各真空管に供給しますが、トランスレスの場合は、100Vの入力をそのまま整流して各真空管に供給します。上の図のV5(35W4)で100Vを整流しています。
下の回路図は、SF-400の電源周辺の回路図です。ヒーター回路はトランスレスと同様ですが、単巻きトランス(オートトランス)によって整流する電圧を高くしてあるのと、パイロットランプ用に6.3Vが出ています。

SF-400の電源周辺

トランスをよく見てみると、断線しています。テスターでも測ってみましたが、オートトランスなので全ての端子間で導通があるはずなのですが、ない部分があります。上の図で言うと、パイロットランプがつながっている部分と、ヒーターと整流管がつながっている部分の巻き線は生きていて、パイロットランプの下側とヒーター回路の間が切れていました。途中が切れていても運よく、ヒーター回路はトランスが関係ない回路ですし、整流管も前にLがある状態で電圧は掛かっていたことになります。多分パイロットランプは、高圧のLとの間がトランスとなって、薄く光っていたということになると思います。

あと、ヒューズが2本入っていますが、片方には5Aが、そしてもう片方は、切れたと思われる管の半田を取ってそのなかに銅線を通して管のそとがわに巻いてありました。これらは、後で1Aのヒューズに交換しておきます。(本当は0.7A 2本)

赤丸の所に切れたワイヤーが見えます。

ということで、このオートトランスは巻き直しすることに決めました。トランスは高校生の時に巻いたことがあり、その記憶とWebを頼りに決行です。

まずは、外枠をペンチ類を使って取り外し、”EIコア”を少しずつマイナスドライバーを駆使して外して行きます。

取り外したコアとコイル

そして、外側から順に巻き数を数えながら巻き線を外してゆき、トランスの全体像を書き留めておきます。

解いた巻き線オートトランスの分解結果
オートトランスの分解結果

黒線側が巻き線の外側で、黄色が一番内側(巻き始め)です。
単純な巻き線比で計算すると、6.3Vの所は6.7Vになります。
直流抵抗は、黒-緑間:0.5Ω,青-黄管:26Ωでした。

EIコアをEとIに並べてみた

次回は、コイルを巻いて行きたいと思います。

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