030 HOW TO B-TAO
このカードシステム(B6カード)は元来、文化人類学博物館の初代館長であられた、故・梅棹忠夫先生が、ご自分の研究用に開発されたもの、つまり、本来は研究者用のものです。その本来の使い方については私のようなものがどうこう言うより、先生の御著書、「知的生産の技術」をお読みいただいた方が、はるかに良いと考えます。多分どこの図書館にもあると思いますし、是非一度お読みいただければと思います。
B-TAOシステムは、それだけではなく、より柔軟に、はるかに広い分野でご利用いただけるよう、内容を充実させました。しかし、だからと言って他の類似のシステムより優れている、というわけではありません。
このような「思考ツール」は、何を選ぶかより、それをどのように使うか、どれだけ自分の気分に寄り添っているか、つまり、ストレスを感じずに使えるか、ということが大事だと思います。アイデアに専念したいのに、その道具に気を取られていては何にもならないからです。道具はあくまでも「脇役」にすぎません。そのため、とりあえずは様々なものを試してみて、自分の気分に合いそうなものを選ぶことが重要です。
そのような観点から、梅棹先生が、このシステムに単なる「情報整理」ではなく、「知的生産」という明確な目的を与えられたことは、大変重要なことだと思います。
B-TAOは、単なる「整理・備忘録ツール」ではありません。自分の思い付きやちょっとしたアイデアなどを集積し、検討し、組み合わせ、新しい道を見つけてまとめ、結果を外部に「知的生産物」として提供するためのツールです。カードを書いているときにそれまで思いつかなかった新しい考え方に気付き、それまでの行き詰まりにブレークスルーが生まれる、そこがこのシステムの醍醐味かもしれません。
次項より、B-TAOのごく基本的な使い方と、より幅を広げた仕事のアイデアを、マガジンを分けて『B-TAO「凡人」仕事術』として、書いてみます。
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