海外旅行に行けない今年は、グーグルアーツで世界のジュエリーミュージアムを旅しよう!
あけましておめでとうございます。Jewelry and Lawでは、今年も宝飾文化の発展のためにできることを取り組んでいきます。
今年は、というより、これからいつ安心して海外旅行に行けるかもわからない時代になりました。
旅行にいくのは難しくても、Google Arts&Cultureで、世界のジュエリー美術館を自宅にいながら散歩してみるのはいかがですか??
ここでは、Jewelry and Law がオススメするジュエリーミュージアムのリンクをまとめておきます。
1 ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(イギリス)
中世以降のジュエリーが数多く収蔵された美術館。
グーグルアーツの「アンティークジュエリー」のカテゴリーには、1061もの作品が公開されています。
気に入った作品は、jpg画像をダウンロードしたり(※ただし画像を転載にあたっては規約を参照するようにしてください)リンクをシェアしたりして楽しむこともできます。
また、グーグルストリートビューのリンクがあるものについては、展示室内をストリートビューで歩き回ることもできますよ。
2 レザンハス美術館(トルコ)
オスマン帝国やビザンチンに関する収蔵品が豊富。
こちらは金のワイヤーを使った紀元前7~8世紀のリング。いまでいうフリーサイズリングでしょうか。
こちらは同じく紀元前7~8世紀頃のカーネリアンとガラスのネックレス。
宝石と工芸にまつわるストーリーも充実しています。
3 大英博物館
言わずと知れた世界的な博物館なだけあって、ジュエリー分野でも、古代から中世までの歴史的な装飾品が数多く収蔵されています。
これは16世紀の結婚指輪だそうです。
4 メトロポリタン博物館(アメリカ)
こちらも有名な博物館ですね。
5 プフォルツハイムジュエリーミュージアム(ドイツ)
ドイツのジュエリー専門の美術館です。古代からコンテンポラリーまで、装飾文化のはてしなく長い歴史を知ることができます。
こちらは紀元前2~3世紀頃のギリシャの蛇のブレスレッド
こちらはファリーズのエナメル作品(1879-1880頃)。
そしてこちらは、フリードリヒ・ベッカーの1997年の作品。
6 グリーン・ヴォルト ドレスデン州立美術館(ドイツ)
かつてザクセン公国の首都だったドレスデンには、緑色の円形の天井をもった宮殿があり、そのコレクションがグリーンドルトと呼ばれていたことが由来。
ドレスデン・グリーンとよばれるグリーン・ダイヤモンドがあまりに有名ですね。
こちらはヨハンメルヒオールディンリンガーのエメラルドの帽子飾り(1719年)。
そしてこちらは、バロックパールを太った男にみたてた彫刻作品(1725年)。
上は、ストーカー気質のアポロンから逃れるために月桂樹になっちゃうダフネの物語(ギリシャ神話)を珊瑚樹で表現したもの(16世紀後半)
7 スミソニアン自然史博物館(アメリカ)
鉱物の標本がとても有名ですね。
まずはなんといってもホープ・ダイヤモンド。
あとはドムペドロ・アクアマリンも有名ですよね。この先細りするカットをネガティブ・カットとよぶようです。
こちらはオッペンハイマーダイヤモンドといわれるキンバリー鉱山(ミナミアフリカ)のイエローダイヤ原石。ちなみにオッペンハイマー家といえばデビアスグループで有名。
そしてこちらはホイットニー・アレキサンドライト。
こちらは、ナポレオン1世がマリールイーズに出産祝いに送ったとされるダイヤモンドネックレス。172個のダイヤモンドは総重量260カラットもあるそう。
また、スミソナイトという鉱物も、ジェームズ・スミソンにちなんでつけらえた名前ですね。
スミソニアンの鉱物コーナーは、半端じゃないので、ぜひストリートビューで歩いて回るのをおすすめいたします。
8 グルベンキアン美術館(ポルトガル)
石油で莫大な財産を築いた、グルベンキアンというアルメニア人大富豪のコレクションが収蔵されています。彼は、ルネ・ラリックのパトロンでもあったため、多くのラリック作品を観ることが出来ます。
9 故宮博物館(台湾)
台北市にある博物館です。翡翠の彫刻や、清朝の装飾品が多く収蔵されています。
翡翠の白菜の彫刻はとても有名ですよね。
翡翠がお好きな方は、こちらオンライン展示(戦国時代から漢王朝までの翡翠彫刻まとめ)はいかがでしょうか?
10 慶州国立博物館(韓国)
かつて新羅の寺院だった跡地にあります。朝鮮民族の金製装飾品を観ることができます。
どこかで見覚えがあるような勾玉などが多く観られて懐かしさを感じることからも、やはり日本の古墳時代の文化は大陸から伝来してきたのだなということがよくわかります。
こちらのストーリー「新羅 朝鮮の黄金王朝」がおすすめです。
11 その他の楽しみ方その①キーワード検索
キーワード検索して世界中の収蔵作品を横断的に眺めるのも、面白いですね。
たとえば、"posy ring"で検索してみると、こんなのが出てきます。
また、"signet ring"で検索してみると、こんなのが出てきます。
12 その他の楽しみ方その②ストーリー(まとめ)を観る
各博物館や個人のキュレーターが、系統立てて作品をストーリーとしてまとめてくれているものもあります。
こちらはプフォルツハイムジュエリーミュージアムがまとめた「ジュエリーの5000年」というオンライン展示。
こちらはボルティモアジュエリーセンター(アメリカ)のオンライン展示”Body of Work: Contemporary Art Jewelry on the Body ”
こちらは、「ラージャスターンのジュエリー」というオンライン展示。州都のジャイプールは有名ですよね。
こちらは、フィレンツェの金細工についてのストーリー。
13 まとめ
いかがでしたか?他にもガジェットをお持ちの方はAR(拡張現実)で体験したりすることもできるようですよ!
海外旅行に行けない今年の休暇は、オンラインで世界中のジュエリーの歴史と文化に触れてみてはいかがですか?
みなさんのおすすめのミュージアムや感想などもツイッターなどからお待ちしています。
<参考文献>
・山口 遼『世界の宝石博物館―ジュエリイの名品を訪ねて 』(徳間書店、1993年発行)