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スルーされた風景 駐禁の看板から見えるもの

自宅から近くのセブンに行く途中に見かけた看板です。 これは、今はやってませんが、かって和歌山城下で代々続く「島喜」という薬問屋さんで使用されていた看板です。 この家の島安次郎(1870-1846)さんが、何を思ったのか、東京帝国大学機械工学科に行かれたところから物語が始まります。 島さんは大学卒業後、1894年に関西鉄道に入社し、「早風」などで機関車の高速化を追求し、関西鉄道の国有化後は、鉄道院に入省、日本の鉄道の高速化に邁進していきます。 鉄道の高速化には、広軌にし

    • スルーされた景観 和歌浦片男波

      若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る    万葉の歌人、山部赤人が、神亀元年(724年)に詠んだ和歌浦の片男波の景観です。かって、同じこの景観を見ながら、スルーした俳人がいました。 その俳人は、晩春に、和歌浦を訪れて、     行く春を 和歌の浦にて 追付たり と詠み、また紀三井寺では、 みあぐれば さくらしもうて 紀三井寺 とも詠みました。 桜は散ってしまっていたようです。    紀三井寺は、最近はそうでもないですが、関西では最も早く桜が咲く標準木があ