早めの補聴器を
今年80歳になった父は、比較的若い頃から耳が悪く、今は大きな声でゆっくり話しても一度で聞き取れないことがほとんど。家族みんながストレスでした。
一度、そこそこいいお値段の補聴器を造園の仕事中に外で落としたことに気づかず、なくしてしまってからは、 新聞の広告に載っている補聴器や集音機を通販で買っては使えないとこぼしていました。
去年デイサービスに通い始めたため、数か月に一度サービス担当者会議というのがあり、父の担当の方との面談をする際に埒があかなくて筆談になったことも。適当なものを買っては使えない、などと言っていないで、まずはきちんと耳鼻科に行って診てもらい、フィッティングというか、父の耳の状態に合ったものを、と思うものの、私もなんだかんだ忙しかったのです。
やっとこさ耳鼻科を受診し、いざ補聴器の販売店の方とお会いすると、なんと「お父様の聞こえの状態だと、障害者手帳を申請して通れば一定の金額の補助が出ます。その範囲内の商品であれば、ほぼ無料で補聴器を使うことができます。もし最新のものとか、コンパクトで目立たないものをご希望の場合は、その超えた金額分だけお支払いいただけば良いです」とのこと!
そんなこと初めて聞きました。そういった制度があることは知りませんでした。父の耳の状態がそこまでだということも。
補聴器ってピンキリで、高価なものは100万ほどするものもあるそうです。中途半端にそのことを知っているため、父も母もそんなお金ない、と諦めていたのです。
私が経済的に余裕があれば、有無を言わさず作ってもらって使わせるのに、と思っていたら、無料で使えるかも知れない⁉︎
このことを知らなくて、聞こえなくてもがまんしたり、ごまかしたりしている人、たくさんいるのでは? そう思ってnoteを書くことにしました。
3か月おきのサービス担当者会議で担当のケアマネさんに詳しく説明すると、熱心にメモをとっていらっしゃいました。そこまではご存じなかったとのこと。
障害者手帳の申請と、補聴器交付の手続きは、市役所の障害福祉窓口で同時に手続きができます。市の職員の方が作成してくれた書類は受診した耳鼻科の先生に持参します。身体障害者診断書、意見書と、補装具費支給意見書を記入してもらい、再び市役所へ提出します。
この提出時に必要なのは、障害者手帳用の縦4センチ、横3センチの証明写真と、マイナンバーカード(マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、マイナンバーの記載された住民票のうちいずれか一つ)です。
申請後は、県の総合療育総合センターという機関に送付され審査されるため、交付までには2か月ほどかかるとのこと。一瞬「その間は補聴器ナシかぁ……」と思っていたら、なんと今日からその期間も無料で補聴器を借りられるというではありませんか!
とにかく本人も母も、お金のことを心配していたので、ものすごくほっとしました。忙しさにかまけて、後回しにしていたことを後悔しました。
仮の補聴器をつけた翌日、荷物が届いていたことに気づいた母が父に聞くと、
「ピンポン聞こえたから出た」
と……。ここ数か月、父も母もいるのに不在票が入っているのが普通でした。宅配ボックスを置くか、インターホンに連動して光るものとかどうだろう、などと考えていましたが、まずは良かった! 一つひとつ潰していかなくては。私が週5日フルタイムで働いていたら、受診の付き添いから市役所窓口での申請手続きなど、ここまでできないよなぁ、と思うとなんとも言えない気持ちになりますが、次は母も耳鼻科を受診させなくては。
「聞こえが悪くなってきたけれど、補聴器は抵抗がある」とか「見た目がカッコ悪い」だの言っている場合ではありません。他の病気などもそうですが、あまりひどくしない内に早め早めの対策をして行った方が絶対良いのです。状態を悪くしてしまうと、リカバリーに時間がかかってしまいます。虫歯の治療などがそうですよね。
今回父と一緒に耳鼻科の予約を取ったにも関わらず、私がブチ切れて母だけキャンセルしたことの顛末は次回また書きたいと思います。ハァ。