趣味がとっ散らかっている
子どもの頃から飽きっぽい性格だった。
母が習わせたピアノも、自分からやってみたいと言った習い事も、割とすぐに飽きてほぼ練習などしなかった。
「大人になってから」と、「結婚してから」がほぼイコールの私は、家事育児が仕事の20代を過ごした。
その間に、いろいろなことに手を出していった。
洋裁。
子どもたちの洋服から、私たち大人の簡単なもの、小物など。
少しずつデザインや配色を変えて家族でお揃いの服を着ていると、注目を集めたりして、こそばゆいながらも誇らしげな気持ちだったことを思い出す。
我が家は滅多にディズニーなどへは行けなかったけれど、それでも長男が小1、二男が4歳、娘が2歳の時にピーターパンとミニーの手づくりコスプレで行ったディズニーランドでは、パレードのキャストが
「あっ!ピーターパンだ!」
と、リアクションしてくれたり、メリーポピンズとバートさんが
「Oh!ミニー!」
と、向こうから駆け寄って来てくれたりした。
それなのに娘は当時絶賛人見知り発動中で、着ぐるみもダメなら外人さんもダメで、メリーポピンズとバートさんはせっかくテンション高く寄って来てくれたのに、「アワワ」という感じでばつが悪そうにフェイドアウトしていった。
並行してハマっていたのがパンづくり。
当時、軽のワゴン車で週に一度美味しいパンを売りに来ていた。買うたびに「美味しいのだけど、けっこうな出費だよなぁ…」
と思っていた。
恐る恐るホームベーカリーを買って、最初は材料を入れて山型食パンをスイッチ一つで焼いていた。
その内に、ホームベーカリーについて来たレシピブックを見ながら、生地をこねるところだけ機械でやり、成形してあんパンなどの菓子パンから作り始め、シナモンロールやベーグル、ベーコンエピなども作れるようになった。
小1だった長男のお友達が家に遊びに来ていた時、あんパンを焼いていて、オーブンから出すのを見ていたお友達(男子)に、
「すげー!おばちゃんさ、大きくなったらパン屋になれば?」
と言われた…。あのねキミ、わたしゃもう27歳の大人なんですけど?
フルタイムで働き始めると、日々の忙しさで好きなことをする時間がとれない。疲れて寝てしまい、仕事と最低限の家事しかできない自分が嫌で仕方がない。
ここ数年で始めた水引のアクセサリーもなんとなく中途半端になっているし、紙で工作したりも好きなのでしっかりした紙や箱などが捨てられない。
今こうしてパソコンのキーを叩きながら、隣りには途中で止まっている刺し子の練習キットがある。
そして、見出しの画像は私が初めて作ったひよこのつるし飾りだ。今年3月に「地元の神社でお雛さまをたくさん飾っているらしいので一緒に見に行きませんか」と娘のお姑さんが誘ってくれて、3人(娘のお腹には女の子の赤ちゃんがいたので3.5人?)で行った。
外のおひなさまの大群も圧巻ではあったが、室内にはたくさんのつるし飾りも展示されていた。存在じたいは知っていたけれど、実物を見たのは初めてだった。
ネットで検索してみた。江戸時代の昔はお雛さまは庶民には買えるものではなかった。それでも親が子どもに「健やかに育ってほしい」と思う気持ちは皆同じ、そこで端切れで縁起の良いモチーフを作ったのが始まりで、発祥の地は山形県(傘福)、静岡県(雛のつるし飾り)、福岡県(さげもん)の三か所らしい。
ここで、手づくりフリークの私の血が騒がないわけがない。
今はつくづく良い時代である。ちりめんや和柄のほどよい端切れが、100円ショップで手に入る。もしも上手く行かなくて、材料を多少無駄にしてしまったとしても、罪悪感は最小限で済む。
まあでもね、ひよこのつるし飾り一つだけ作って、既に違うことも視界に入ってきたりで、集中力が長続きしない私。来年の孫娘の初節句までに形にできるのかアヤシイところではある…。
常に、何かしらをやってみて失敗したり悦に入ったりしているのは私の標準装備。
そんな私の精神を、「尊敬する」と言ってくれる人がいて、「とっちらかっているけど、まあいいか…これが私だし」と、最近やっと思えるようになりつつある。
おもしろいと思って下さった方はサポートをいただけると大変ありがたいです。いただいたらまずは小躍りして喜びます。そして、水引セラピーに関わる材料費や書籍の購入に、大切に使わせていただきます♬