エリンジウムの花ことば 第7話
「瞳子さん、デートしよう」
6月、初任者研修も最後の追い込みに入り、次回はいよいよ筆記のテスト、という日の放課後、コンビニのイートインでソフトクリームにかじりつきながら、僕は言った。
「デート。私にとっては、今もじゅうぶんそんな気分だけど?」
「またそんな、殺し文句言う~。もう、大好き」
「だってそうでしょう? 50過ぎたおばさんにデートしよう、なんてそれだけで舞い上がるわ。殺し文句は葵くんの方でしょ」
「いやいや、こんなすてきな大人の女性に、コンビニのアイスでデートだな