【映画雑記】ストーンズの「ワン・プラス・ワン」/ゴダールが苦手です。
ゴダールが苦手です。
ゴダールの「勝手にしやがれ」は必ず最初の5分でギブアップしてしまう。具体的に言うと「海が嫌いなら云々」って独り言のとこまで。好きな人がたくさんいるのはよくわかるんだけど、どうしても入ってこないものってある。
ゴダールの映画で最後まで観られたものはローリング・ストーンズを撮った映画「ワン・プラス・ワン」しかない。しかし、これが宇宙レベルの超絶的退屈さ加減。画面にはローリング・ストーンズ。俺の大好きなストーンズである。なのに!あの名曲「悪魔を憐れむ歌」の制作過程を記録していながら、全く面白くない。これはきっとパラレルワールドの出来事だから理解できないんだと思ったもんだよ。まぁ、真面目に言えばゴダールがストーンズの「音」ではなく、ストーンズがいる「風景」を切り取ってるだけだからだろう。しかし、怪我の功名というか、なんというか、その熱狂のない醒めた視点のおかげで、ブライアン・ジョーンズがスタジオの中でどんどん無用の長物扱いされていくさまが残酷なまでに際立っている。ミック・ジャガーとキース・リチャーズが、真のストーンズを生み出すために人身御供としてブライアン・ジョーンズを悪魔に差し出した。悪魔に売り飛ばされたブライアンの魂が死んでいく様が赤裸々に映し出されている。
「でも!」
映画としては全然のれないんだ。つまんないんだよ。
タランティーノとか、庵野秀明とか、YMOの1stアルバムの曲名群とか、第一期ルパン三世とか、あれとかこれとか、わかるよ?ゴダールがいなければ、存在しなかったんだろうなぁって感じ。「ワン・プラス・ワン」も音楽映画の傑作という扱いは確立してますしね。
まぁ、食べ物の好き嫌いレベルです。