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「それでも、誰かを疑っちゃ絶対にダメだ。」とこれからの未来の自分に何度も言い聞かせるんだ。

「それでも、誰かを疑っちゃ絶対にダメだ。」

私にとって

今年、一番の事件だったかもしれない。


とても大切な、カギが無くなりました。

血の気も引くくらい焦りました。

それはもう、そのカギを探しまくりました。
考えられる範囲のところはすべて探しました。


それは日中、仕事も手につきません。

どうか、神様・仏様あわれな私をお助け下さい。
日頃神仏に頼りもしない私は祈のれるだけ、祈りました。

だけど、何一つ状況は変わりません。


考えられるところに連絡をし
手を尽くしたあと、
ふと、これは無くしたんじゃなくて
取られたのではないか?

そういえば、アイツは私のことをよく思っていない
こうやって、苦しんでいる私を見てほくそ笑んでいるに違いない。

そう思いだすと、
不思議なもので
ドンドンそっちの線しか考えられない状況になってきます。

そういえば、数日前言い争いになった腹いせにカギを奪ったんだ。
そして、どこかに捨てたんだ。
証拠は!?
それはないけれど、きっとそうだ。
そうとしか考えられない。

その晩、酒を大量に飲むも、寝むれない。
かえって怒りでどうにかなってしまいそうだ。

怖いもので
妄想の暴走が止められない。
冷静になれない。

そうに違いない。
もうそれしか考えらない。

でも、疑っちゃいけない。
そうじゃない可能性もあるだろう!?
もしも、違った場合どうする!?

もう一度昨日探したところを探しなおそう。
さらに他のところも気になるところが出てきた。

でも見つからない。

これだけ探したのに見つからない。
やっぱりアイツしか考えられない。
そうだ、アイツだ。
アイツしかいない。

やっぱり、カマをかけて話して、本音を探ろう。
いや、そんなことしてもなんにもならない。
でもそうでもしなければ気が済まない。

如何にして、アイツの鼻をあかしてやろうか。
そうでも、しなければこの気がおさまらない。
そのためにはカマをかけてやらねば気が済まない。

よし、今日の夜アイツにカマをかけてやる。
疑っているということを絶対に口にせずにうまく聞き出してやる。
それなら何と話しかけようか、
どういう風に話を持っていけばいいのか、
くそっ!また仕事が手につかない。

こうやって話してやろう
ああ言ってきたら、こんな風に風に言えばいいのではないか。
と、頭の中が沸騰しそうになっていたその時、

「あったよ、カギ」

思いもよらないところから発見の知らせを受けました。
アイツとは全く関係がないってことも同時に判明しました。

脇から変な汗が大量に出ました。

ホッとしたと同時に、
猛烈に自分を恥じました。
情けなくなりました。

「誰かを疑っちゃ絶対にダメだ。」
これは、未来の自分に言い聞かせなきゃいけないって思いました。
いっそのこと、入れ墨にしてしまってもいいとさえ思えるくらいでした。
しないけど。

今年私にはそんな、事件がありました。

「それでも、誰かを疑っちゃ絶対にダメだ。」

なんしか、カッコいい大人になろう。

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