ネクロムンダの歩き方:その①

※2023/10/19 新コアルールブック発売に合わせて、一部の記載を修正
2023/11/1 ブックオブアウトランドについての記述を修正

①はじめに

本記事は、ネクロムンダに興味を持っているが、調べてみても日本語で書かれた情報が少なく、いったいどんなゲームで、そもそも始めるためには何を買ったらいいのかわからない、という方向けにゲームの内容や、ゲームをするために何が必要なのかについて情報提供するための記事となっています。

今後、ギャングの特徴やもう少し詳細なルール説明、ネクロムンダでメインの遊び方となるキャンペーンについて説明する記事も書いていこうと思います。

筆者はネクロムンダのルールブックやボックスは一通り購入済みで、ある程度は読んでいますが、全てを把握出来ているかと言われると微妙な点がありますし、英語は得意ではないので、たまにルールミスもありますので、そこら辺は大目に見ていただけると助かります。

また、ネクロムンダについて気になる点があれば、Twitterに書き込んでみると、筆者が勝手に検索して回答したりしなかったりします。

①-1どんなゲーム?

ネクロムンダはスカーミッシュと呼ばれる小規模ゲームに該当し、10人前後のギャングキャラクターを使って遊びます。

お互いにコストを決めて戦うマッチプレイも可能ですが、主な遊び方は複数人のプレイヤーが集まって行うキャンペーンゲームとなっており、各人がギャングチームを結成し、一定の期間、ギャング同士での抗争を繰り広げます。
※キャンペーンゲームについての詳細は、別記事にまとめる予定です。

ゲーム結果によってギャングメンバーが成長し、手に入ったクレジット(お金)で装備を拡充、新人ギャングやハイヤードガン(雇われギャング)、アンボット(採掘機械)やエキゾチックビースト(危険な野生動物)などをギャングメンバーに加えることができます。

抗争の中で獲得した経験点を使って、能力を向上したり、ユニークなスキルを習得したりすることでキャラクターを成長させ、交易所やブラックマーケットにある無数の装備を好きなように購入してカスタマイズすることが可能なため、TRPG的な要素が強いと言えるかもしれません。

そして、大怪我をしたキャラクターはダイス目次第では死を迎え、データシートから削除されることも…。

ゲームの大きな流れはウォーハンマー40kとかなり似ていますが、特徴的な違いとしては以下のような点があります。

・プレメジャー禁止:事前に予定している移動先や射撃対象までの距離を測るのは禁止です。

・ミニチュアの向きに意味がある:ミニチュアの視界がある正面にヴィジョンアーク(台形の型紙)を置いて視界の判定を行います。

・スペシャルセーブやリロールがない:ダイス運の出やすいゲームとなっています。ヒットロールが2+だからといって当たるとは限りません!

①-2何を買えばいいのか?

ネクロムンダを始めたいと思った場合、現状では以下の2種類の方法がオススメです。

1.ボックスセットの購入

2.ギャングミニチュアとルールブックを購入
(注意!!) 現在、絶版となっているルールブック「Gang of UnderHive」は現行のルールでは使用不可となっています。

1.ボックスセットの購入
ボックスセットは二つのギャングのミニチュアとルールブック、ネクロムンダ専用ダイス、判定用のテンプレートセット、インチを測定することの可能なメジャーなど、最低限のゲームをするために必要なものが一通り入っている大型箱のセットです。

公式で絶版になっているボックスを除くと、現在、発売しているボックスセットは以下の二つとなります。

・Hive War(ハイブウォー)
多くの人がここから始めるであろう、基本的なネクロムンダのスターターセットです。

入っているモデルは毒を得意とする女性メンバーのみのギャング エッシャー家と、不気味で狡猾なロングコートのギャング デラク家の二つ、テレイン(建物)となっています。

ハイブウォーのルールブックにはエッシャーとデラクだけでなく、6大ギャング(ゴライアス、エッシャー、オーロック、デラク、コーダー、ヴァンサール)全ての編成ルールも記載されていますが、アップデート前のものとなっており、詳細や最新のルールは各家の(「House of~」通称:ハウス本)に記載されています。

・Ash Wastes(アッシュウェイスト)
ビークル(車両)ルールに特化した大型の追加セットです。

入っているモデルはタフで恐れを知らないギャング オーロック家と、新録の荒野を息抜き、飼いならした巨大生物を乗り回すノマドの二つ、テレイン(建物)となっています。

通常のテンプレートやダイスに加え、アッシュウェイストで追加されたビークルルール専用のダイスも封入されていますが、アッシュウェイストルールブックにはオーロックとノマドの編成ルールが記載されていないため、オーロックのハウス本である「House of Iron」、ノマドの編成ルールとオーロックの専用ビークルの能力が記載されている「Book of the Outlands」が必要となります(各ユニットの能力は組み立て説明書に記載されているので、なんとなく遊ぶことは可能です)

2.ギャングミニチュアとルールブックを購入
ボックスセットの値段が気になる方や、ボックスに入っているギャングではない違うギャングを使いたい場合は、ギャングのミニチュアが入った箱と各ギャングの編成が書かれた本:ハウス本(「House of~」)を購入してスタートすることも可能です。

以下に、各ギャングと編成ルールが記載されている本について記載しますが、各ギャングのより詳細な特徴については、別途記事を作成しようと思っています。

○ギャング一覧

※ギャングごとの編成ルールに関しては、ビークル関連は省いて考えています。

ネクロムンダ:ギャングリスト

○ミニチュア以外に必要なものについて

ギャングのミニチュア以外にゲームに必要なものについて記載しておきます。単体販売があるかについてはGWの公式サイトに存在するか、という観点での記載としています。

ネクロムンダ:ミニチュア以外に必要な物

○オススメのギャングは?

どのギャングを使うのかですが、基本的には見た目で気に入ったギャングを使うのがオススメです。特にキャンペーンではギャングメンバー一人一人が成長していきますし、名前もつけますので、愛着がわくギャングがいいと思います。

ギャングの強さについては、どのギャングが明らかに強い、というのは特にありません。射撃の強いギャングと白兵戦しかできないギャングが対戦した場合等で、相性の問題が出てくる事はありますが、テレインの配置を工夫したり、そもそもタクティクスカードによって相性差を埋める事もできます。

ビークル等を使用する、アッシュウェイスト環境で遊ぶ場合、イニシアチブというパラメータの低いギャング(ヴァンサール、スカット等)は苦戦する事もあります。
※ビークルに轢かれるかどうかの判定等、イニシアチブで判定する場面が多いためです。

①-3ルールブックの使い方

基本となるルールが記載されたコアルールブックに加え、各種ギャングのルールに特化した「House of~」通称:ハウス本にはそれぞれのギャング編成についてのルールや、追加装備、ユニークキャラクター、キャンペーン用ルールなどが記載されており、かなりのボリュームとなっています。

まずは、ハウス本のここさえ読めばギャングを編成することが可能になる! という箇所について、以下に説明を記載します。

・「House of ~」の場合
6大ギャングの編成ルール本である「House of ~」の場合は、以下の箇所を読むと編成を組む事ができます。
「HOUSE xxxx(ギャング名) GANG LIST」:「GANG COMPOSITION」が編成制限となっていますので、ここは読む必要がありますが、その他の項目はとりあえず読まなくても構いません。

その後のリーダー、チャンピオン、ギャンガー、ジュブ、プロスペクト(いない場合もあります)は各ユニットのパラメータ、初期装備リスト、取得出来るスキルについての記載がありますので、ここはきっちり読んでおいてください。

「ADDITIONAL RULES」:各ギャング専用のスキル(例:ゴライアスならMUSCLE SKILL)について記載がありますので、そこは読む必要があります。その後に、ギャング毎に専用の特殊ルール(例:ゴライアスならGENE-SMITHING)の記載があります。この特殊ルールはどのギャングも面白いので、ちょっとボリュームがありますが読んでおいてください。

「WEAPON REFERENCE CHART」:ここから「WEAPON TRAITS」までに各装備のパラメータが記載されていますので、必要な情報になります。

「GANG TACTICS」:タクティクスカードのデータが記載されています。ゲームにも使いますのでここも読んでおく必要があります。

※デラクに関しては、サイカーを入れるのであれば、「Book of the Outcast」もあると便利ですが、編成時にこちらの本に記載されたサイキックは使用出来ない(エラッタあり)ため、編成するために必須というわけではありません。

・「The Book of Judgement」の場合
6大ギャングの編成ルールと比べると編成ルールが古く、かなり独特な編成ルールなので、正直、わかりにくいところがあります。

表に記載したWhiteDwarf477号に記載されている「バッドゾーンエンフォーサー」が、「House of ~」の編成ルールに近く、わかりやすくなっています。

また、この本にはキャンペーンを遊ぶなら把握しておきたい「ブラックマーケット」というキャンペーンゲーム後に買い物に行くことができるマーケットのデータも記載されています。40kプレイヤーならどこかで聞いた事があるような武器が売っていたりするので、読んでみてください。
※2023/10/19 追記 ブラックマーケットは新コアルールブックに記載されましたので、ブラックマーケットのために「The Book of Judgement」を購入する必要はなくなりました。

P.29からの「GANG COMPOSITION」が編成ルールになっています。P.31からP.33までがそれぞれのファイターのパラメータと装備リストになっています。

P.36からP.86まではキャンペーンルールになっていますので、とりあえず読む必要はありません。

P.93からが前述した「ブラックマーケット」です。キャンペーン時にしか意味がないデータですので、編成時に読む必要はありませんが、サラッと見ておいても面白いかと思います。

P.100からは装備のパラメータが記載されていますので、編成時に装備を決める際に参照してください。P.127に武器特性P.128にエンフォーサー専用スキルの記載がありますので、ここも編成時に必要なルールになります。

・「The Book of Ruin」の場合
この本には、「コープスグラインダーカルト」、「ケイオスカルト」、「ジーンスティーラーカルト」の3ギャングについての記載があります。

P.17の「GANG COMPOSITION」がコープスグラインダーカルトの編成ルールです。P.18からP.20が各ファイターの能力値、装備リストが記載されています。装備の能力値はP.120から記載があります。また、P.124に専用スキルの記載があり、こちらも編成時に必要になります。

P.25の「GANG COMPOSITION」がケイオスカルトの編成ルールです。P.30からP.32が各ファイターの能力値、装備リストが記載されています。P.34にはサイキックの記載がありますので、サイカーを編成した場合はちゃんと確認してください。

P.40の「GANG COMPOSITION」がジーンスティーラーカルトの編成ルールです。P.43からP.46が各ファイターの能力値、装備リストが記載されています。P.48にはサイキックの記載がありますので、サイカーを編成した場合はちゃんと確認してください。

ケイオスカルト、ジーンスティーラーカルトの装備の能力値、武器特性に関してはおまけの項に記載しているトレーディングポストで確認してください。

・「The Book of Peril」の場合
ヴェネターギャングは編成の自由度が高い点が魅力ですが、他のギャングのデータ等を知らないとなかなか編成が難しいかもしれません。

P.13の「GANG COMPOSITION」がヴェネターギャングの編成ルールです。アクセスできるスキルが選択式であることに注意が必要です。

P.16に「HOUSE LEGACY」についての記載がありますが、こちらのルールを活かすには6大ギャングのルールブック(House of ~本)が必要になります。

P.17からは各ファイターの能力値について記載がありますが、ヴェネターギャングの場合、能力値は選択式となっています。装備リストはおまけの項にあるトレーディングポストを使用します。

・「Book of the Outcast」
アウトキャストギャングも、ヴェネターギャング同様に編成の自由度が高い点が魅力ですが、他のギャングのデータ等を知らないとなかなか編成が難しいかもしれません。アウトキャストギャングの編成についての詳細はここでは記載しません。
※各ギャングの詳細については、どこかで記事にしたいと思っています。

P.14の「GANG COMPOSITION」がアウトキャストギャングの編成ルールです。アウトキャストの編成にはいくつかパターンがありますが、有名人(ドラマティスペルソナ)をリーダーにする場合は、そのキャラクターのデータが記載されている本、ギルドメンバーを使用したギャングを使用する場合は該当するデータが載っている(House of ~本)が必要になります。

オリジナルのリーダーを作る場合は、P.18からリーダーのデータ、P.28からチャンピオン、ギャンガーについてのデータが記載されています。ギャンガーについては装備リストも記載されています。

P.52からはサイキックについて記載されています。かなりボリュームがありますが、アウトキャストでサイカーを編成するのであれば、確認しておいてください。なかなか強力なサイキックが揃っています。

P.62からはキャンペーンルールです。編成時には必要ありませんが、興味があれば見ておいても面白いと思います。
※キャンペーンについては、いずれ別記事としてまとめる予定です。

P.104からはタクティクスカードのデータが記載されています。アウトキャストは強力なタクティクスカードが存在するギャングですので、内容を確認しておいてください。

P.108からはトレーディングポストの記載がありますが、おまけの項にあるものをダウンロードして読んでもらえれば、こちらの方は読んでいなくても問題ありません。

・「Book of The Outlands」の場合
この本には、ノマド、スカットの他ビークル関連についても記載してありますが、本記事ではビークルについては扱いません。また、通常のギャングでは「GANG COMPOSITION」の項にギャング編成ルール(ギャングのリーダー、チャンピオンとその他の人数比率について)が記載しているんですが、この2ギャングに関しては、その点に関してはアッシュウェイストルールブックを参照という記載になっています。実際には6大ギャングの編成ルールに従って編成する形になりますので、「House of 〜」本を参照してください。
※「Book of The Outlands」のみでは編成ルールが完結していないため、ギャングの人数比率に関しては、「House of 〜」本を参照しつつ、能力値等は「Book of The Outlands」を参照する必要がある、という形になっています。

P.8の「GANG COMPOSITION」がノマドギャングの編成ルールです(前述の通り、不親切な記述なのですが・・・)P.10からP.21まで各ファイターのデータや装備リストが記載されています。

P.103に専用スキルのデータが記載されています。強力なスキルが多いですが、アッシュウェイスト環境でのゲームでないと活かしにくいものが多くなっています。

P.27の「GANG COMPOSITION」がスカットギャングの編成ルールです(こちらも前述の通り、不親切な記述なのですが・・・)P.28からP.36まで各ファイターのデータや装備リストが記載されています。

P.102に専用スキルのデータが記載されています。

P.132からはノマド、スカットに共通した装備品のデータ、武器特性が記載されています。

おまけ:

○ギャング編成に役立つサイト
・yaktribe

非公式のサイトですが、ファイターごとのカードが印刷できたり、装備のデータが参照できるようになっている等、非常に便利なサイトです。ユーザー登録が必要ですが、すべて無料で使えるサイトです。

キャンペーンの管理も出来るようになっており、実際に自分がキャンペーンを主催した際には、参加者にこのサイトの登録をお願いしました。

https://yaktribe.games/underhive

○公式PDFリンク
公式からいくつかPDFとして公開されているデータがありますので、リンクを記載しておきます。

・タクティクスカード
タクティクスカードは「House of ~」本にはデータが記載されていて、そのカードセットも発売されていますが、実はその前にもギャングごとのカードセットが発売されていました。そちらに関してはほとんど再販されない上に、データが記載されている本もない、という状況になっています。

そういったタクティクスカードとは別に、どのギャングでも使用出来る(一部ギャング専用もあり)タクティクスカードが公式で以下に公開されています。

https://www.warhammer-community.com/wp-content/uploads/2019/05/Necromunda-Web-Exclusive-Tactics-Cards-1.pdf

使い勝手のいいカードが多くあるので、ぜひダウンロードして使ってみてください。タクティクスカードのあるなしで、かなりゲームが変わりますし、キャンペーン時のハンデとしても使われます(シナリオによって多少異なる場合がありますが、ギャングの強さを表わすレーティングの差が100あるごとに追加で1枚タクティクスカードが使えます。)

・エラッタ(FAQ)
ネクロムンダはあまりエラッタがあたりませんが、最新のエラッタが以下で公開されています。

コアルール+このFAQが最新ルールという事になります。誤植レベルの修正がメインですが、デラクはサイキック関係でナーフが入っていますので、注意が必要です。

https://www.warhammer-community.com/wp-content/uploads/2018/12/87J0jgS4omrX35qE.pdf

・トレーディングポスト
基本的にはキャンペーンで使用する買い物リストになります(キャンペーンでは各ゲーム後にこのリストから買い物をする事ができる)

ヴェネターやアウトキャストギャングを使う場合は、この買い物リストからユニットによって決められたレア度の装備を購入する形になりますので、必須です。

その他のギャングを使う場合でも、リストを眺めてどんな武器があるのか等を見ているだけでも楽しいですよ!

https://www.warhammer-community.com/wp-content/uploads/2018/12/9NnA1LwqaYuUTMAF.pdf

余談ですが、こうやって無料で公開されるまでは、現在絶版となっている「Gang of the UnderHive」にしか記載がなかったため、編成ルールが古くて使えないにも関わらず、トレーディングポストのためだけにこの本を購入する必要がありました(キャンペーンをするのであれば、トレーディングポストのデータは必須なので)いい時代になったなあ・・・。

まず最初に必要な箇所を大まかにまとめてみました。前述した通り、今後、ルールやギャングの詳細、キャンペーンについて等、順次公開していければと思いますので、よろしくお願いします。

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