ネクロムンダの歩き方:その④ 各種ルールブックの内容について

本記事は、ネクロムンダのボックスセットを含むルールブック関連商品について、1部絶版になっているものも含めて、どの本にどんな内容が記載されているのか?についてまとめている記事となります。商品紹介と、自分に必要な本はどれなのかがわかる事を目的としています。

①ボックスセット

ネクロムンダは絶版含め、ボックスセットがいくつか発売されています。スタートセットという位置づけのセットと、すでにネクロムンダを遊んでいる人向けの追加セットにわかれていると思ってもらえたらと思います。

・Necromunda:Underhive

現在、新品では入手不可です。日本語版も発売されていた、現在の版で最初に発売されたボックスセットです。入っているミニチュアはゴライアスとエッシャーです。
ルールの内容は現在のものと異なっている点がいくつかある事に注意が必要ですが、やはり日本語で設定が読めるのはいいですね。

このボックスセットで一番重要なのは、ゾーンモータリス形式のゲームで使用するゾーンモータリスタイル(厚紙のタイル)が付属している事です。ゾーンモータリス形式でゲームをする場合、このセットに入っているものか、追加で発売されたタイルセット「DEALTA-7」を使用して遊ぶ(混ぜて使う事もできます)事になりますが、現在はどちらも新品での入手は不可能となってしまっています。

ゾーンモータリス形式はテレインがなくても遊べる(バリケード等は必要ですが)ので、非常に遊びやすいんですが、タイルが手に入らないので新規に始めた方が遊びにくくなってしまっています。タイルだけでもぜひ再販して欲しいところですね。

・Necromunda:Dark Uprising

こちらも新品では入手不可です。入っているのはエンフォーサーとコープスグラインダーカルトです。
このセットはテレインの量がかなりのもので、現在個別販売している、柱とドアのセット+階段とハシゴのセットくらいの量が入っています。
※フロアタイルは入っておらず、薄い紙製の大きな1枚紙が入っています。

また、Dark Uprisingキャンペーンというキャンペーンルールが記載されているのも特徴ですが、そもそもルールが入手不可なので遊びにくいのが難点です。
※「The Book of Ruin」(カルト系を解説した本。後述します)に、このキャンペーンのオプションルールが記載されています。いや、本編も載せてください、という話なんですが。

・Necromunda: Hive War

現在のスタートセットと言えるボックスで、こちらは新品でも入手可能です。入っているのはデラクとエッシャーです。
テレインは、柱とバリケードが入っていて、まずはネクロムンダを体験してみようという方にはお値段を含めて、いいセットかと思います。フロアタイルは大きな薄い紙のものが入っています。また、同梱のルールブックに、キャンペーンルールの記述はありません。

同梱されているルールブックには少し注意が必要で、6大ギャング全ての編成ルールが記載されていて便利ですが、実は編成ルールが古く、絶版になっている「Gangs of the Underhive」(詳細は後述)のものと同一になっていること、ギャングが覚える事の出来るスキルについては抜粋しか記載されていないこと、キャンペーンについての記述が全くないので、1部の武器特性に存在する、キャンペーンでのみ意味を持つような記述(「WEB」でWEB状態から回復できずにアウトオブアクションになった場合等)が省略されている、ピッチブラックに関しての記述が他のルールブックと違っている等があります。

その他、ルールの記述がコアルールから変更されている部分がいくつかありますが、後に公開されたエラッタで採用されている部分もありますので、そちらを参照してもらえれば、どこの記述が変更されたのかは理解出来るようになっています。
※ちなみにですが、白兵戦でピストルを使用する際にはBSではなくWSを使用して判定する、というのは全く勘違いしていたルールだったので、明確に記述されたのはありがたかったです。

上記の理由から、ハイブウォーを持っていても、コアルールは入手しておくのをオススメします。

・Necromunda: Ash Wastes

ネクロムンダの最新のセットですが、スタートセットというよりは、ネクロムンダにビークルルールを取り入れたいと思った人向けの追加セットという位置づけかと思います。
入っているのは、オーロックと、このセットで追加されたノマドですが、編成ルールが記載されていません(能力値だけは記載があります)ので、このセットだけで正式なルールに則ってゲームを遊ぶ事が出来ない事には注意が必要です。

テレインはアッシュウェイスト用の新規テレイン、フロアタイルは薄い紙製の大きなものが1枚入っています。アッシュウェイストの場合、マップ上の道路とそうでない場所を区別する必要がありますので、現状でアッシュウェイストを遊びたい場合は、道路を自作する等しない限り、この紙製のマップが必要になっています。
テレインはもう少し追加した方がいいかな?とも思いますが、充分楽しめるようになっています。

同梱のルールブックはハードカバーで、通常ルール+ビークルルール+キャンペーンルールと盛りだくさんで、最初はルールブック単体でも発売されるのかな?と思っていたくらいです。
逆に言うと、単体販売されていないので、キャンペーンを遊ぶ場合は必須となっていますね。また、アッシュウェイストはゲームを遊ぶ際に天候を決める必要があり、天候によって特殊ルールが採用される(日差しが強いから、日陰に入れずにアクティベートが終了したらFlashを受けてね、道路以外はデンジャラステレイン扱いだから、移動する場合はイニシアチブチェックをして、失敗したらアウトオブアクションね、とか)んですが、後に発売されたビークルルールが記載されている本、「Book of The Outlands」(後述)にはあまり細かい天候ルールの記載がないので、悪天候に悩まされながらゲームがしたい、という方は購入を検討してみてください(それだけのために買えるような値段じゃないですが・・・)

②個別ルールブック

ここからはボックスではない、個別に発売されているルールブックについて、内容を紹介していきます。

ネクロムンダのゲームプレイには基本ルールに加え、自分が使うミニチュアのルールが記載されたハウス本が必要となります。ウォーハンマー40kで言うところのコデックスですね。
各ハウス本にはミニチュアの能力や武器、それぞれのギャングハウス専用の特別なルールなどが記載されています。
ミニチュアのルールが書かれたハウス本は、現在は大まかに分けて二種類あり、6大ギャングについての本と、それ以外のギャングや能力について書かれた本です。

個別ルールブックには、1冊だけ絶版となっている本がありますが、この本は入手できなくても、ゲームを遊ぶのに全く問題ありません。

②-1 絶版ルールブック

・Gangs of the Underhive

こちらが絶版になっているルールブックです。この本の記載内容は、更新されていたり、別の本にも記載されたりしているので入手できなくても問題ありません。

6大ギャング全ての編成ルールと、キャンペーンで使用するトレーディングポスト(戦闘の後で行くことが出来るマーケットの品揃えが記載されていると思ってください)のデータが記載されています。
「House of ~」シリーズで、6大ギャングの編成ルールが更新されたので、編成ルールを見る必要がなくなりました。
その後も、トレーディングポストを見るためだけに必要だった時期もありましたが、「Book of the Outcast」にトレーディングポストのデータが記載されたのと、そのタイミングでトレーディングポストのデータが公式からPDFで公開された事もあり、この本を持っている必要がなくなりました。

②-2 現行ルールブック

・Necromunda: Rulebook

この本と最新のエラッタ(FAQ)を合わせたものが現状で公式ルールと考えてもらえればと思います。
発売されたのが2018年ですし、エラッタを含めたり、わかりにくい記述を改めたりした新版が欲しいな、と個人的には思っています。

キャンペーンルールの記載や、汎用スキルの説明もありますので、各ギャングの編成ルールが載っている本に加えて何か買うならまずはこの本からですかね。

記載されているキャンペーンはあまり複雑なルールもなく、ギャング同士がテリトリーを奪い合うというもので、初めてのキャンペーンにはオススメです。

6大ギャング本

以下の6冊は、ネクロムンダの基本的なギャングである6大ギャング(ゴライアス、エッシャー、オーロック、デラク、コーダー、ヴァンサール)の編成ルール等が記載された本になります。

6大ギャングは他のギャングと違って、ギャング毎の特殊ルールがあるので、ルールをちゃんと読み込んで特殊ルールも活かしていくと楽しくなります。

タクティクスカードのデータも記載されていますので、カードそのものを持っていなくても、この本を持っていれば能力を使うことが可能です。とても親切ですね。

6大ギャングの本は全て「House of ~」というタイトルになっています。前述した、「Gangs of the Underhive」からは以下のような変更点があります。

⇒ファイターが初期装備を持たなくなった(防具等も装備していない状態になりました)
⇒取得出来るスキルの種類やパラメータが変更された
⇒ファイターのコストが見直された
⇒新しい種類のファイターが増えた(チャンピオンを2種類から選択できるようになったり、プロスペクトという特殊能力を持った見習いファイターが使えるようになったりしています)
⇒編成時の人数制限が、旧ルールの「ギャンガーとそれ以外のファイターの人数がイコールもしくはギャンガーの方を多くする」というものから、「リーダー+チャンピオンとそれ以外のファイターの人数がイコールもしくはリーダー、チャンピオン以外の方を多くする」というものに変更された
⇒グループアクティベーションが可能なファイターには「Group Activation(X)」という能力が付いた
※旧ルールでは、リーダー、チャンピオンならグループアクティベーション出来る、というルールでしたが、たとえチャンピオンであっても「Group Activation(X)」を持っていないならグループアクティベーションできなくなりました
⇒ギャング毎の特殊ルールが追加された
※例えばゴライアスなら遺伝子改造で最初からパラメータが上昇した状態でゲームを開始出来る、エッシャーなら毒やガスを強化する薬を購入出来るようになる等

・House of Chains

ゴライアス家とオグリンギャングの編成ルール等が記載された本です。ゴライアス家やオグリンギャングを使いたいなら必須の本になります。

・House of Blades

エッシャー家の編成ルール等が記載された本です。エッシャー家を使いたいなら必須になります。

・House of Iron

オーロック家の編成ルール等が記載された本です。オーロック家を使いたいなら必須になります。

・House Of Shadow

デラク家の編成ルール等が記載された本です。デラク家を使いたいなら必須の本になります。

・House of Faith

コーダー家の編成ルール等が記載された本です。コーダー家を使いたいなら必須の本になります。

・House of Artifice

ヴァンサール家の編成ルール等が記載された本です。ヴァンサール家を使いたいなら必須の本になります。

6大ギャング以外のギャング本

以下の5冊は、6大ギャング以外の編成ルール等が記載された本になります。該当するギャングを使いたい場合には必須となります。

・The Book of Peril

傭兵(ベネター)ギャングの編成ルールが記載された本です。傭兵ギャングは指定されたミニチュアがなく、ファイターのパラメータも選択式になっている等、自由度が高いギャングとなっています。6大ギャングが使える装備を装備できるようになる、というルールがあるので、そこを活かすには6大ギャングの本も必要になります。

6大ギャングのような特殊ルールもなく、単純にパラメータが高いギャングが組めるので扱いやすく、ネクロムンダのミニチュアは持っていないが、アストラミリタルム等の40kミニチュアを持っているぞという方は使ってみても面白いですね。

その他、「House of 〜」で更新されたルールが記載されていますが、ギルドと同盟を組むルールやバッドゾーントレーディングポストと呼ばれる特殊なトレーディングポストのデータ、バッドゾーンバトルフィールドという特殊な屋外環境のルールなんかが載っています。

・The Book of Judgement

エンフォーサーの編成ルールが記載されています。エンフォーサーを使いたいなら必須になります(厳密に言うと、最近ホワイトドワーフ477号でバッドゾーンエンフォーサーというバリエーションの編成ルールが公開されましたが)

それ以外にも、キャンペーンルールや、ブラックマーケット(通常のトレーディングポストでは売っていない、帝国の武器やゼノの武器なんかが売っていたりする)のデータが記載されていますので、キャンペーンを遊ぶのであれば、エンフォーサーを使わなくても入手をオススメします。

ちなみにエンフォーサーの編成ルールは、「House of ~」の発売前だったという事もあるのか、ちょっとクセがあってわかりにくいものとなっています。専用タクティクスカードのデータも記載がないですし、今後、更新版が発売されたらいいのに・・・と思っています。

ちなみにですが、前述した、ホワイトドワーフ477号で公開されたバッドゾーンエンフォーサーの編成ルールはほとんど「House of ~」と同じになっているので、理解しやすくなっています(編成のしやすさ、わかりやすさで言えばこちらの方がオススメです)

キャンペーンルールは、ロウ側とアウトロー側にわかれて、シマを奪い合うというようなものになっていて、その他のキャンペーンに比べてクレジットが手に入りやすく、割と派手な戦闘が楽しめます。

・The Book of Ruin

ケイオスカルト、ジーンスティーラーカルト、コープスグラインダーカルトの3ギャングの編成ルールが記載されています。該当するギャングを使用したいのであれば必須になります。

ケイオスカルトやジーンスティーラーカルトは同名の40kのミニチュアを使用するギャングですので、該当するミニチュアを持っているなら、この本を買って編成すればネクロムンダが遊べます。

正直、自分もあまり読み込めていないんですが、カルト系の儀式のようなルールがあったり、他のギャングをジーンスティーラー汚染させて使用するというようなルールもありますので、そこに興味のある方は買ってみると面白いと思います。

コープスグラインダーカルトには専用のタクティクスカードが存在しますが、このルールブックには、タクティクスカードの内容は記載されていません。

・Book of the Outcast

アウトキャストギャングの編成ルールが記載されています。傭兵ギャングのように決められたミニチュアがなく、自由度の高い編成が出来るギャングです。

傭兵ギャングとの違いですが、以下のように考えてもらえたらと思います。

傭兵ギャング:全員が腕に覚えのあるメンバーで構成されているギャング(ギャンガーでもBSが3+にする事が可能だったりします)
アウトキャストギャング:実力のあるリーダーが中心となって、ギャングメンバーを集めたギャング(リーダーはかなりのスペックで組めますが、チャンピオンやギャンガーの能力は控えめです)

また、アウトキャストギャングの場合はサイカーを入れる事ができるのも特徴です。

その他、アウトキャストギャングの場合、

・パラメータを選択して自由にリーダーを作成する
・その他のルールブックに載っているドラマティスペルソナ(ネクロムンダ世界の有名人)をリーダーにしてギャングを編成する
・6大ギャング本に記載のある、ギャングと同盟を組める組織のメンバーを使用してギャングを編成する

その他、ちょっと書き切れないくらいのバリエーションでギャングが組めるので、ネクロムンダに慣れれば慣れるほど、編成が楽しくなるギャングです。
※傭兵ギャングと同様に、6大ギャングの装備を使えるようになるルールもあるので、この本の全てを活かすには6大ギャング本も必要になります。

アウトキャストギャングの編成ルールの他に、キャンペーンルール、トレーディングポスト、サイキックのデータも記載されています。

エラッタが入ったのでキャンペーンで成長させる事が前提になりましたが、デラク家はこの本に載っているサイキックを使用する事が出来るので、デラク家を使うのであればこの本を買ってサイキックを見てみると、面白い効果を持つものが多いので、いろいろと夢が膨らむのでは?

キャンペーンルールも、戦闘で素材を集めて、その素材で自分の陣地を強化する、というようなものになっています。

・Book of The Outlands

この本は少し特殊で、ギャングの編成ルールとしてはスカットとノマドの編成ルールが記載されているので、その2ギャングを使いたいならもちろん必須になりますが、その他にもビークル関連のルールが一通り記載されているので、アッシュウェイストボックスセットを持っていない人で、ビークルを使いたいという人でも必須となる本です。

ビークル関連のルールとしては、ビークルを編成するルール、ビークルデータを自作するルール、ビークルをゲームで使うためのルール、アッシュウェイスト環境で戦闘する際の天候を決定するルール等が入っています。

その他、アッシュウェイストボックスに入っている、オーロックビークルのデータやオーロックビークルのクルーのデータも記載されています。

キャンペーンブック

ここからは(と言っても現時点では1冊だけですが)連続したキャンペーンが遊べるキャンペーンブックを紹介します。

・The Aranthian Succession – Cinderak Burning

3部作となる予定のキャンペーンブック第1弾です。キャンペーンルールはもちろん、ゴライアスとエッシャーの専用ビークル(厳密に言うと、エッシャーの方はビークルではなくバイクですが)のデータ、クルーのデータについても記載されていますので、キャンペーンを遊ばない場合でも、ゴライアスとエッシャーの専用ビークルを使いたいなら必須になります。

キャンペーンルールは、惑星ネクロムンダを2分する、ヘルマー卿と反乱軍を指揮するレディクレドの争いに巻き込まれ、どちらの側について戦うのか、選択を迫られる・・・というような内容になっています。

従来のキャンペーンが1000クレジットで始まるところを、2000クレジット(+ビークルやバイク用の400クレジット)で開始する(その代わり途中で新しいファイターを雇う事ができない)、トレーディングポストのレアリティが上がり、買い物しにくくなる等の条件が追加されています。

2000クレジットで組むとすると、ゲームに慣れていないと難しいという事もあり、このキャンペーンはネクロムンダに慣れた人向けになりますね。

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