ネクロムンダの歩き方:その③ ゲームを遊ぶ際に確認しておいた方がいいルールについて
本記事は、ネクロムンダを実際に遊ぶ、という時に正式なルールがハッキリしていないため、事前に確認しておいた方が遊びやすいですよ、という点についてまとめた記事となります。ネクロムンダのルール説明という意味では番外編的な話となりますが、ルールブックを読んでも実は正確に書いてない、というポイントは抑えておかないと困ると思いますので、一つの記事としてまとめることにしました。
エラッタ(FAQ)もあまり頻繁に更新されないため、特にキャンペーンでは、事前に調停者が決定しておくようにするのがいいかと思います。
※以下、文中でコアルールと記載されている場合は、ハードカバーのルールブック(https://www.games-workshop.com/en-JP/Necromunda-Rulebook-2018-eng)を指しています。
それぞれ、筆者が遊んでいる場合の例をあげていますが、こうしなければいけない、という事ではないので、逆にこうした方が遊びやすい等があれば教えてもらえたらと思っています。
①移動する際に、味方のミニチュアを通り抜けてもいいの?
コアルールを読むと、移動の項に味方のミニチュアを通り抜けていい、などとは記載されていません。
記載されていないなら出来ないんだよね?という考え方ももちろんあるんですが、実は日本語版も発売されていた、現行版の最初に発売されたボックスセット「ネクロムンダ:アンダーハイブ」に付属していたルールブック(もちろんコアルールよりも前に発売されています)には、味方を通り抜けて移動してよい、とハッキリ記載されているんです。
※筆者はアンダーハイブの英語版ルールは見たことがないので、英語版にも同じ記載があるかどうかについては未確認です。
古いルールブックに記載があっても、新しいルールブックでは記載がないなら、そのルールはなくなったという事では?というのも一つの解釈で、それが間違っているというわけではない(事実、明確に変更になっているルールもある)んですが、この場合、1点気になるところがあって、ヴァンサール家のルールが記載されている「House of Artifice」にて追加されたプロスペクト(Grav-cutter、サーフボードのようなものに載っているファイターです)には、「敵をすり抜けて移動する事ができる」との記載があります。
さて、このプロスペクトは、「敵は通り抜けられるが味方は通り抜けられない」のか、味方は通り抜けられるというのは基本ルールだからここでは書いていないだけで、「敵も味方も通り抜けていい」のかどちらなんでしょうか?
今のところ、公式では正解がでていないので、遊ぶ前に決めておく必要がありますが、筆者の周りでは通り抜けていい、というルールで遊んでいます。
②セクターメカニカスルールで遊ぶ場合のテンプレートの置き方は?
ネクロムンダのゲーム形式には、基本的に高さの概念を入れない「ゾーンモータリス」形式と高さの概念を入れた「セクターメカニカス」形式があります(アッシュウェイストはセクターメカニカス+ビークル)
最初に発売された「アンダーハイブ」では、ゾーンモータリスのみだったところにセクターメカニカスが追加されたからなのか、セクターメカニカスで処理に困る点があります。
それが、テンプレート(フレイム。ブラスト)の上下方向についてはどの範囲までをテンプレートの範囲として判断するのか?です。
※フレイムテンプレートは見たままで判断しやすいので特に遊ぶ上で問題が発生する事はないかと思いますので、ここではブラストテンプレートについて扱います。
実は、スモークグレネードに関して、武器特性SMOKEの説明文に縦方向も2.5インチですよ、という記載があるので、その記述に準じて平面のテンプレートしかないけど、球状に広がっている、と判断するのがリアリティ的にもいいかと思うんですが、半球状のドームのようなテンプレートでもあれば別ですが、上下方向が目に見えない状態でそれを判断するのはなかなか難しいかと思います。
コアルールではブラストテンプレートの置き方についての記述はないので、自由に決めてくださいという事なのですが、1例として自分が使っているのは、上下方向に高さ無限の円柱として爆発範囲が広がっているよ、として扱うやり方です。
リアリティとしてはイマイチですが、ゲームでのわかりやすさという点ではこれが1番かな、と思っています。
また、ブラスト武器はブラストの中心点として、例えば床等の1点を目標にして射撃する事ができますが、セクターメカニカスの場合は、テレインも高さを持っているので例えばテレインの側面や空中の1点を目標にして射撃する事はできるのか?という点についても事前に決めておくとゲームがしやすい点です。
こちらに関してもルールブックに記載があるわけではありませんが、空中の1点を正確に指し示す事は難しいので、ブラスト武器の中心点はあくまでも床の1点のみとし、空中や柱の側面等も不可とする形が遊びやすいのかな、と思います。
③タクティクスカードについてのあれこれ
ネクロムンダにはタクティクスカードという、40kの策略のような通常のルールを超えた何かを起こすような効果を発動できるカードが存在します。
使用出来る回数はシナリオで指定されていますが、たいてい2枚でキャンペーンの場合、ギャングの戦力に差がある場合のハンデとしても使用されます。
タクティクスカードには、例えば以下のような物があります。
・A PRESENT FOR YOU
⇒このカードは相手プレイヤーがグループアクティベーションであった場合も含め、ファイターをアクティベートした際に使用可能。
3インチBlastマーカーを今アクティベートされたファイターの上にセットする。ScatterダイスとD6をロールして、Blastマーカーがどこに移動するかを決める。ScatterダイスがHitだった場合、Blastマーカーは現在の位置に残る。
D6をロールして、以下の表に従い、Blastがどの種類の特性を持つのか決定する。
1-2 Concussion
3-4 Flash
5-6 Fear、Gas
Blastマーカーの下にいるファイターは直ちに決定した特性の効果を受ける。
・BAIT AND SWITCH
⇒このカードはファイターのActivationの代わりに使用できる。
あなたのファイターからReady markerを取り、このラウンドですでに行動完了したファイターに置く事が出来る。
強力な効果を持つものが多く、自分のギャングとシナジーのあるカード(白兵戦に強いギャングに白兵戦に効果があるカードを用意する等)を選択しておいて、ゲーム中のここぞという場面で使う事は、ネクロムンダの面白さの一つだと思っています。
そんなタクティクスカードですが、ゲームで使う前には、いくつか事前に決めておいた方がいいと思われる点があります。
③-1 発売済みのタクティクスカード全てが使用可能でいいの?
タクティクスカードは、基本的に1ギャングにつき1セット発売されていますが、6大ギャングについては、2セット(ビークルも含めれば3セット)発売されています。ここでは、「House of ~」発売以前に発売されていたカードセットは「旧セット」、「House of ~」と同時に発売されたものは「新セット」と呼ぶことにします。
※旧セットは日本語版も発売されていました。
実は、新セットや新セット後に発売されたギャング(アウトキャスト、ノマド、スカット)については、カードを入手できなかったとしても該当するルールブックにタクティクスカードの内容が記載されているので、ルールブックさえ持っていれば、カードが入手出来なかったとしても、カードの内容がわかるので、自作する等の代替手段で対応可能です。
新セット以前に発売されていた旧セットやエンフォーサー、コープスグラインダーカルトの専用カードは、ルールブックに記載がないため、カードを持っていなければカードの内容がわからないのと、タクティクスカードはなかなか再販もされないので、ギャング毎に差が出てしまうので、ここは調整が必要になります。
※ヴェネター、ケイオスカルト、ジーンスティーラーカルトはそもそも専用のタクティクスカードセットは発売されていません。公式で配布されているPDFに専用の物が1枚だけ入っています。
また、旧セットのカードは、特定のギャング専用カードの他に、全てのギャングが使用出来る共通カードが存在し、中にはネット上で、これは禁止カードにするべきと言われるような強力なカードも存在します。
強力過ぎる(?)カードの例:
・デンジャラスフッティング(共通カード)
指定したファイターの足下に穴を空け、指定されたファイターはイニシアチブチェックを行い、失敗するとアウトオブアクションになる、という効果です。特定のギャング(イニシアチブ5+のヴァンサールのリーダーやスカット)に対してあまりにも有効すぎるカードです。
・ヒストリーオブバイオレンス(デラクのみ)
ゲーム開始前に、指定したファイター1体を、この戦闘で使用不可能にする、という効果です。単純に効果も強いですが、せっかく組み上げてペイントしたファイターがいきなり使えなくなるというのもどうなんだろう?という疑問の残るカードです。
タクティクスカードについては、どうしても調整が必要になるので、調停者が「House of 〜」本記載カード等のプロキシ化を含めて、参加者に相談して、みんなが楽しく遊べるようにしましょう。
困ったらお店で相談してみる、Twitterでつぶやいてみる(筆者が勝手に検索して回答したりします)等、してみてください。
③-2 タクティクスカードのデッキを作るルールってどこに記載があるの?
タクティクスカードのデッキを作るルールってどこに記載があるの?
タクティクスカードは、ルールとしては事前にデッキを作成しておき、そこからシナリオで決められた方法(ランダムor選択)で決められた枚数をゲームに使用する、という事になっています。
では、タクティクスカードのデッキってどうやって作るんでしょうか?普通に考えれば、デッキの枚数等が指定されていて、そのルール通りにデッキを作成してね、という話になるかと思いますが、ルールブックには全く記載がありません。
ハッキリ決めておく必要があるのはキャンペーンくらいだと思いますが、例えば10枚で作る、12枚で作る等を決めて対応しましょう。
④ルールブックによって記載が違うんだけど!?
「①」の味方を通り抜けられるかどうかの項で旧日本語版ルールとの違いについて少し記載しましたが、ルールブック毎に記載が違って混乱する箇所について、記載しておきます。
ネクロムンダの公式ルールとは、コアブック+最新のFAQである、という認識に基づいて、別のルールブックで記載がちがうしFAQにも載ってないよ、という箇所をピックアップしています。
④-1 とどめの一撃(クーデグラ)と再編移動を同時に実行出来る?
これは日本語版ルールとコアルールの違いになりますが、コアルールでは、白兵戦後に敵を重傷にした場合、「とどめの一撃」or「再編移動」が可能、となっています。
日本語版ルールではとどめの一撃と再編移動の両方を行う事が可能、というルールになっています。
④-2 再編移動で敵の1インチ以内に入れる?
これも日本語版ルールとコアルールの違いです。日本語版ルールでは再編移動で敵の1インチ以内に入る事ができます。一人を白兵攻撃で倒した後に再編移動で別の敵とベースコンタクトして、他の敵からの射撃にペナルティーを与えつつ、次のターンにその敵も殴り倒してしまおう、という動きですが、コアルールでは再編移動で敵の1インチ以内に入る事は出来なくなっています。
④-3 ピッチブラックの正しいルールって?
現在発売しているネクロムンダ製品で、実質的なスタートセットと言えるのが「ネクロムンダ:ハイブウォー」です。このハイブウォー付属のルールブックですが、ピッチブラックのルール記述がコアルールのものと違っています。
コアルールのピッチブラックルールは、3インチより離れた敵を射撃の対象とする事は出来ないし、突撃をする事も出来ない、というものです。
これが、ハイブウォーのルールブックだと、突撃についての記述がなくなっています。
ハイブウォールールブックの方が新しいので、エラッタ等は出ていないが、ルールが更新されたのか?と思ったんですが、その後に発売された「アッシュウェイスト」では、コアルールの記述に戻っていました。
どういう事情があったのかはわかりませんが、ピッチブラックのルールはコアルールのままで変更なし、と考えておいて良さそうです。
⑤ピッチブラック時のブラスト武器の扱いは?
1部のシナリオで指定されていたりする事のある、ピッチブラックルールですが、ピッチブラックが適用された場合には、3インチ以上離れた敵を射撃する事はできません。
例外として、FAQにはブラスト武器は敵を直接ターゲットにしなくてもいいので、音が聞こえた等でそこに向かって攻撃する事ができる、との記載があります。
FAQに記載があるんだから、出来るという事でいいでしょう、というのも間違っていないんですが、例えばミサイルランチャーはブラストが付いている武器で射程が40インチあります。さて、この武器をピッチブラック環境で40インチ離れた敵を射撃していいですか?という話なんですが、FAQで音を聞いたりしてそこを攻撃する、というのはブラストが付いている武器、というよりは「グレネードかつブラスト」の話なんじゃないか?という気がしています。
※これが問題になるのはアッシュウェイスト環境だけかな?とも思いますが。
とはいえ、これは筆者の考えなので、何がベストかというのは難しいところです。
おまけ:アッシュウェイストについてあれこれ
ここからはおまけです。アッシュウェイスト環境は、ビークルが発売されていないギャングがいる等、まだまだこれから整備されていくと思われますが、現時点でここはどうするべきか?と悩んでいるポイントがあるので、記載しておきます。
現状、アッシュウェイスト環境で遊んでいるプレイヤーはまだ少ないとは思いますが、いいアイデアがあったら教えてください。
1.Visibility(X")について
アッシュウェイストは、ビークルが移動する事を考慮して、地上にあまりテレインを置かない方がいい(公式のアッシュウェイストテレインも、高さのあるものばかりですし)ので、射線を切るためにテレインを置くという事が出来ないので、その代わりに追加されたルールがVisibility(X")です。
これが適用されると、Xインチから先を見通す事が出来ないので、射撃対象にできなくなります。簡単に言うと、3インチ固定ではないピッチブラック、というイメージですね。
前項でピッチブラック時のブラスト武器の扱いについて書きましたが、さてVisibility(X")が適用された際にはどうなるのか?というところです。
さらに言うと、アッシュウェイスト環境でもピッチブラックが適用される事がありますが、アッシュウェイスト環境ではテレインで射線が切られていない事が多いので、射程の長いブラスト武器が強い事になってしまいます。
何らかの調整は必要なんじゃないか、と思うんですがまだアイデアはありません。
2.ビークルが固すぎる?
アッシュウェイストで使用可能になったビークルですが、ヘヴィビークルならタフネス7、リッジハウラーなら正面のタフネスは9になっています。
リッジハウラーは、戦闘で生き残るとクレジットが手に入るため、特にキャンペーンではかなり有効です。
リッジハウラーはサイズが大きいのであまり動く事もなく、クレジットの事を考えると破壊されたくないという心理が働くので、せっかくのビークルなのに、あまりビークルが縦横無尽に活躍するようなゲームになりません。
また、タフネス7~9を抜ける武器というのがそもそも少ない上に高額、ビークルはダメージを与えても1回の攻撃では最大で2ポイントしかハルポイントが減らない、という事を考えると、ビークルを入れるのであればヘヴィビークルやリッジハウラーはやめておく、というのも一つの手なのかな?と考えたりもします。
3.イニシアチブチェックの機会が多すぎ?
ゾーンモータリスやセクターメカニカスでは、そこまでイニシアチブチェックを求められる機会がないんですが、アッシュウェイスト環境の場合
・ビークルに轢かれた!うまく躱せたかどうかイニシアチブチェック!
・テレインの上でピンになった!下に落ちないかどうかイニシアチブチェック!(これはセクターメカニカスでもありますが)
・バイクに乗っている時に射撃武器で攻撃された!転ばないかどうかイニシアチブチェック!
・日差しが強い時に、日陰で行動終了できなかった!Flash効果を食らったかどうかイニシアチブチェック!(天候を決定するルールがあって、天候によってはこういう効果が発動します)
などなど、イニシアチブチェックをする機会が非常に多いので、イニシアチブが低いギャング(ヴァンサール、スカット)にとっては厳しい環境になっています。これがいいのか悪いのかはこれから判断されることでしょう。