所作が美しいことは美味しい料理につながる
所作が美しい人って素敵だと思います。
姿勢や立ち姿。歩き方や手の運び方など。
動きや所作の良さというものがずーっと絶対的に普遍のものではないと思いますが、現在メディアに出たり人前に出たり写真に撮られる職業の方はその姿を多くの方から「美しい」と評価してもらっているわけです。
料理に携わる人も同じで、無駄のない流れるような手際には同じ料理人でも惚れ惚れするんですね。
そこには仕込みや処理と呼ばれる普段は見えない途中経過の単純な作業というものを越えた美しさが有るからです。
道具を使い調理をする我々にとって、道具をきちんと使いこなせるようになるかどうかというのは、お客様にどれだけ気持ちを込めて商品を提供することが出来るのかというのと同じ意味があります。
テーブルマナーなんかも同じで、食事の所作が美しく出来るというのは食べ物を食べるという行為や食材に敬意を払うという意味も含まれているんです。
そしてそのキレイな所作は他の方から見て「良いね」といってもらえるポイントだと思うんです。
最近
「お箸の持ち方で育ちを見る」
みたいなツイートが流れてきて、そのツイートに対して色んな方々が沢山のコメントをしていて、お箸の持ち方を起点にしてみなさん沢山意見が有るんだなと思いました。
私はその「箸の持ち方で育ちがどうのこうの」というよりは、単純にお箸はキレイに持てるほうが「良いよね!」という感想です。
そもそも箸の持ち方は昔から「こうしたほうが良い」と言われている持ち方でしょう。キレイに見えるかどうかというのはその人の主観なのでたとえ違う持ち方をしていても私はマイナスポイントだとは思いません。
そういう持ち方ができない方もいるはずですし個性で良いと思います。
ただ、キレイに箸を持って食事をされる方のほうが「素敵だな」とプラスのポイントになるのは間違いないです。
スタイルというのは無理に矯正すべきではないし型にはめるというのもなんだか堅苦しい感じがするなと思いますが、「基本の型」というのも意味があるというのを知っていなくてはいけないと思います。
その上でのオリジナルや新しいカタチになるんです。
料理道具も基本にそってきちんと使うことができていれば良いのですが、妙に力が入ってしまったり、体に負担をかける使い方をしていると腱鞘炎や肩を壊したりと怪我につながることも有って、道具というのは使い方をきちんと把握していないとだめなんですよね。
そういう点では一流のシェフの方たちは肩の力が抜け自然体で美しく道具を扱い、総じて盛り付けが美しく美味しい料理を提供する方が多いです。それは道具を扱う基本がきちんと体得されていて、美味しくしようという姿勢が出来上がった料理からも見えるからだと思います。
私はまだまだそんな境地には達していませんが、美しい所作もサービスを向上させる一つだと思って日々道具を扱っています。
料理の作り方も、出てきたものの食べ方も、美味しそうと思える所作は
「素敵でいいね。」
と私は思います。
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