ファンを作るのではなくファンになってもらう店作り
お店やってると知り合いの方から
「〇〇があったら行くのにな」って言われることがあるんです。
こんな商品があったら良いなと教えてもらっているのかもしれませんし、ただ単にそれが食べたい飲みたいという希望なのか、詳しく聞いているのではないのでわかりません。
言葉から推測するに「私の希望を聞いてほしい」と言っているのと同義だというのはわかります。
ただそういう方はなかなか来店されたことが無かったりするんですね。
そしていざそのような物を取り揃えてみたところでやっぱりなかなか来店していただけません。
そもそも「〇〇があったら行く」というのは
僕の経験上「多分行かない」というのとあまり変わらないです。
取っ掛かりの部分としてちょっとでも興味があればまず
「行ってみようかな。」ということで来ていただけるんです。
そうして来店された方がお店を「ちょっと良い店かな」と思うようになってくれると
「全体を優しく許容する」という感覚になっていくんです。
そうですね。
例えば本当は自分の好みの設えはビンテージがスキだったりしても、自分がスキなお店は自分の好きなものとは違うものが置いてあっても、お店のスタイルとして許容する。みたいな感覚でしょうか。
空間や感覚って言語化するのは難しくって、スタッフの所作、流れている時間、BGMの選曲とか色んなものが複合的に重なり合って醸しているものです。
先に上げた
「〇〇があったら行く」という方は、その希望のものを揃えたあと多分いらっしゃっても
「あそこがこうだったら良いな」とか「あれも追加してほしいな」とか思ってしまうと思うので満足されないかもしれない。
そうなると許容できなくてファンになる可能性は低いんですよね。
特定のアイドルやタレントさんが気になって好きになってそれからファンになるときって、その方の可愛らしいところやちょっとイケてない部分も全部含めてファンになるんですよね。
その方たちがどんな活動をしているか気になって調べたり動画サイトで活動をチェックしてみたりします。
比較対象がお店とアイドルじゃちょっとおかしいかもですが、ファンというのは大きく色んな事を
「すべてまるっとひっくるめて許容して好き」
になってくれる存在の方だと思うんです。
僕らがお客様と呼ぶ存在の方たちには、その後ファンになっていただけるかどうかだと思うんですよね。
自分がやってる店が可愛らしさや愛されるべきポイントが皆無でしたらどうしようもないとは思うんですが、お店のスタイルというものが見えていて
「こんな方に来てもらえたら良いな」
という店作りをしていくのが大切ですよね。
そうしてファンになっていってもらう。
四方八方色々な方に媚びへつらわないけれど、僕らのこのスタイルを愛してくれる方大歓迎。
それがこれからのお店の生き方のような気がします。
それではまた。
「ローカルの食」に関連するコラムなどをこちらのマガジンで更新しています。
↓ フォローしていただけると嬉しいです。