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シケモク亭 灰皿。
2021年10月11日 02:35
中学生の頃だった。田舎の中学校は自転車通学が一般的で、安全面からヘルメットの着用が厳しく取り締まられていた。もう1つ田舎の中学校は縦社会であるため最高学年にもなるとこぞって調子に乗り出すこともあり、多くの生徒はヘルメットをかぶらなかった。 だが私は頑なにかぶり続けた。黄色い風となって街を花粉が覆った日も、燦燦と太陽が輝いていた日も、薄っすらと金木犀が香っていた日も、カナダくらい雪が降った日も、
2021年10月7日 01:21
俺の家は複数の路線が通っている駅から4キロほど先に位置している。 必要な路線に乗るために自転車を駆り出し、道程を辿っていた春の良き日にそれに出会った。家を出て団地の角にある交番を左折したのちひたすらまっすぐ進むと駅が見えてくる。その十字路で信号待ちをしていた時だ。一車線のその道の右側の歩道にママチャリに乗ったおばさんがいた。俺と同じように信号待ちをしていた彼女の自転車は使い込まれた鈍い輝きを