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プリズンサークルその2


前回の記事はこちら。

アンコール上映に行ってきました。

これまでの人生で性暴力被害に遭い続けてきた私がなぜこの映画を見たいと思ったのか?

それは『加害者の心理を知りたい』と思ったからだったと思い出しました。

4年前と同じ映画館でまたこの映画を見ることができ、坂上香監督の本も読んだことも相まって、より理解が深まったと思います。

映画終了後、坂上香監督と、映画に出演していた元訓練生の真人さん(仮名)が
ご登壇。

真人さんと坂上香監督
写真はSNSオッケーとのことで載せています。

刑期を終え、現在は様々な人との繋がりの中でしっかり生きていらっしゃる真人さん。犯罪から遠ざかった爽やかな青年の姿にとても嬉しい気持ちになりました。
監督が「全国に息子がいる感じ。」と言われる気持ちがなんとなくわかります。

この映画は刑務所が舞台ということもあり、撮影は困難を極めたとか。
そんな時、法務省と撮影クルーの橋渡しになってくれた弁護士さんも会場にいらっしゃり、そのご尽力に頭が下がる思いでした。多くの人の熱意がこの映画になっていると思います。

そして環境が違っていたならば、あそこ(刑務所)にいたのは私だったかもしれないと感じました。
一方で、


刑罰とは何か?

と考えさせられました。
現在日本では4万人以上が刑に服していますが、この映画のようなTCプログラムを受講できるのは四十人だそうです。つまり受刑者の0.1%未満。ただ懲役という刑罰を与えるだけで、更生や社会復帰は難しい。人との信頼や対話でこそ更生は実現するのではないでしょうか。


またTCのような対話は刑務所だけでなく、学校、家庭、職場など様々な場面で必要だと思います。私たちの生活には対話が足りていないと感じました。

映画を見る動機(加害者の心理)はいまだに私にはわかりません。ただ今日お会いした、悩みながらも清々しく生きている若者(元受刑者)の姿は、私の希望になりました。暴力からは遠ざかり、少しシャイで優しい人柄が印象的でした。

どうかこの映画がたくさんの人に届きますように。そう願っています。

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zoé
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