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仕事をたくさん抱えている人の方が仕事が早い

こんにちは、kokoです。Big4でコンサルタントを経験した私が、身近な出来事を通じ、学んだり考察したことをゆったりと語っています。今回は、忙しい人ほど仕事が早いという逆説的であり真理だと感じたお話になります。

いつも忙しそうにしている暇な人

コンサルに限らず他の業界でも同じかもしれませんが、役職が上がるほど抱える仕事が多くなるものです。管理を任されるエリアが広がるからということもありますが、経験や専門性を買われた結果通常業務ではない仕事が舞い込んでくることもあると思います。コンサル業界ではマネージャー以上になるとクライアントワーク以外の活動が徐々に増え始め、皆さん予定表がテトリスブロックを積み上げているようなパンパン具合です。

私の周りでもいつも何かに追われて忙しそうにしているマネージャーアップが複数人いたのですが、彼らの話をよくよく聞いていると面白い共通点があることに気がつきました。それは、実際は全然仕事を抱えていないということです。であればなぜいつも忙しそうにしているかというと、1で終わるはずの仕事を自ら10に傘増ししているのですね。忙しそうな自分を振る舞いたくてわざとそうする変な人もたまにいますが、ほとんどのケースでは無意識のうちに仕事を増やしているケースがほとんどである印象があります。

私調べによると、そのメカニズムは優先順位付けがまるでできていないことが原因だと思われます。というか、目の前に転がっているタスクに関して熟考することなく、なんとなく手当たり次第仕事を終わらせにいっているという感覚なのだと思います。するとどうなるかというと、化石のように埋もれていたタスクが締切間近であることを誰かから知らされ(自分で気付くのではなく大体誰かに催促されることも特徴)、それを必死にこなします。しかし、焦りながら対応する仕事がうまくいくはずはなく、無駄な手戻りを何度か繰り返します。今まさにここで発生しましたね、無駄な仕事が。このループにはまり続けている人たちが「いつも忙しそうにしている人」だと思います。

というわけで、このカテゴリーにいらっしゃる方は常に緊急タスクに追われているので、メールは確認してないしチャットは忘れた頃に返ってくるようなのんびりさで、返事が来たかと思えばこちらの文章を読む余裕がないので的外れな無愛想なメールが返ってきたり。

激務なはずなのに即返事が来るスーパーヒューマンたち

一方で、彼らと180度反対の場所に生存する方々もいらっしゃいます。いくつもの案件を掛け持ち、予定表は常に会議でいっぱいなのに、チャットやメールをすると大体5〜10分くらいに返事が来ます。しかもとても丁寧な文面で、自分の依頼や質問に的確にレスポンスをくれるだけでなく、痒いところに手が届くような絶妙なボーナスまでつけてくださったり。

忙しい暇な人の裏返しなので優先順位付けが完璧にできているというのはもちろんそうなのですが、それに加えて彼らはやらないことを明確化しているのだと思います。私の観察をベースに勝手に申し上げますが、例えば「部下の仕事に干渉しない」というルールを持っているように見えたスーパーヒューマンに出会ったことがあります。とはいえよしなに干渉しなければ成果物の品質に影響が出ますから、その方が何をするかというと、部下に仕事を振る時にとても丁寧に詳細に指示を出します。また、質問しやすい和やかな雰囲気を醸し出すことで、作業に着手する前に不明点を解消する機会を作るのですね。その方が関わる案件の成果物を多く拝見したのですが、どれも高品質で度肝を抜かれたことを今でも覚えています

知的好奇心と寛容な心を忘れずに

普通に考えれば仕事の量とレスポンスの速さは反比例するものかと思えますが、実はそうではないという逆説的な真理(ちょっと大袈裟?)はなかなか興味深いと感じます。

先述のようなスーパーヒューマンに遭遇できた暁には、この人から全ての技術を盗んでやろうという意気込みで、自分の苦手分野に対する改善アドバイスを求めたり少しでもいいなと感じたところを徹底的に真似しましょう。また、ご一緒させてもらえる機会を増やすべく、彼らが関与している案件に巻き込んでもらえるように打診してみることもおすすめです。成長機会を確保できますし、何より真摯なスーパーヒューマンの皆さんと働けることは心の安寧に直結します。

一方、いつも忙しい暇な人に当たってしまった場合は、短気にならないように強く意識しましょう。彼らにはとにかく余裕がありませんから、ミスを連発しますし指示を守ってくれませんし、あとは文章が基本的にかなり無愛想です(相手のことを考えて丁寧にライティングする暇がないので)。ですが、それは彼らの性質や悪意からきているのではなく、単に心と時間の余裕がないだけなのです。「忙しそうにしていて大変だなあ。一刻でも早く安らぎの時が訪れますように」と祈りを差し上げてみたり、あとは反面教師として観察してみてもいいと思います。自分ならこのタスクから着手してその次にこれをやるけど、とか。
短気は損気です。これに関しては以下の記事でも少しお話していますので、よろしければご覧ください。

筆者とこのnoteについて

Big4でコンサルタント経験者である私が、実際の現場で見聞きした生き生きとした(時には生き生きとし過ぎた)情報をみなさんにお届けしています。無料でも有益な情報をお届けできるように執筆していますが、より生々しい現場の経験についてはオーディエンスを絞らせていただいています。

いわゆるコンサルスキルと呼ばれるものだったりコンサルの現場から日々学ぶことは、決してコンサル業界に閉じた話ではなく、それ以外の業界の皆さんにも参考にしていただけると思います。なにしろ、コンサルタントはあらゆる業界のあらゆる課題解決を主要なサービスとしていますから、業界を問わず普遍的なスキルを身につけておく必要があるのです。

こういったゆったりとした回と有益情報を盛り込んだ回を織り交ぜることで、より活き活きとしたコンサルの現場をお届けできればと思っております。

それではまた😉

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