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「真空プール」執筆サポート part5

「深いシーンの描き方」(前半)

 さてさて、戯曲的な効率の良さを手に入れたら、戯曲を一度大きな視点で!

作品の流れ

「ある程度シーンが決まったら、まずは理想の時系列で並べてみよう。」
「はい。」
「なるほどね。」
「はい、、?」
「同じ構図が続いてるね。」

同じ構図、、、?
「二人、二人、二人。人は変わっても、一対一ではなしているシーンが3回以上続いている。そうすると物語の流れが単調に見えやすいよ。」

なるほど。。。
逆に大勢が出てくるシーンが続いているところもある。
舞台に出ている人数の緩急まで考えてなかった。。。。

「見ていても飽きますね。」
「そう。あとシチェーションが揃っていないとセリフが説明っぽくなるんだよね。」

ほほう、、、?
どれどれ。
序盤は一対一のシーンでたくさんの会話のラリーを書いて情報を出していた。
そして一文一文がやや長い会話が多くなっている。

これは多分、潜在意識の中で、“状況を伝えなくては”という発想から起きてしまっているとドキリ。
口に出してみると、やはりちょっと長い。

これは、、、、

「説明的ですね。。。。」
「たとえばセリフの中で、会話で説明するより絵で見せた方が面白いシーンが結構ある。そういうシーンを切り取って一対一のシーンと比較を作る。」

 ふむふむ。確かにコスパのいい会話にしたことで、状況は伝わる会話になってはいる。
しかし会話で説明するより、実際にその状況をみてみたいというシチュエーションが隠れていた。

 いや、厳密にいうと、私は絵にした方がいいシーンをあまり自覚できていなかった。師匠から絵にした方がいいと言われた内容は、自分にとって当たり前の光景であったし、特にドラマもなく本当になんとなく書いたシーンというのが素直なところであった。

「ここは舞台でやった方がいい」

という感覚は、きっと俳優さんのがわかるのではないかなと思う。
実際に舞台から一番反応を受け取るのは俳優であるし、そこで培われる“舞台でやった方が面白い”の嗅覚は、理屈で理解するよりも実践から体に染み込んでいったもののように感じた。

だから、俳優もやった方がいいのかあ。。。。

 師匠は常々、戯曲を書くなら絶対に俳優もやった方がいいとおっしゃっていたので、この時とても腑に落ちました。
あーこの感覚まだまだわからんかも、、、。勉強せな。。。


戯曲って切ったり貼ったり、
工作みたいに作っていくんだなあと。
次回は「深いシーンを描くには②」後編です!!


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