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私が小説で自衛隊を批判する理由 その1
私はnoteで公開している小説で、自衛隊を批判する。軍隊必要論者=自衛隊の支持者である私がそうする理由について、少し長い文章だが、述べたい。
私の小説「愛国者学園物語」
は、愛国者学園という架空の学校と、その目の前にある肉屋の娘で、世界的なマスコミの一員になった女性の対立を描いている。肉屋の娘である三橋美鈴(みつはし・みすず)という20代後半の女性が、偶然、世界的なメディアの一員になった。
そして、その仕事をしてゆくうちに、学園を支える日本人至上主義と、その基礎である神道、皇室、愛国心について考え、その主義に染まって攻撃的な言動をする学園の子供たちや、その背後にいる大人たちと渡り合うという物語である
(彼女は日本人至上主義に疑問を唱えるだけで、神道などを壊そうとしているわけでは『ない』)。この物語は全部で4部構成であり、今は第3部のうち8割目ぐらいを公開しているところだ。
我が小説の目的は、学園を支える極端な保守思想である日本人至上主義について考えることだ。
それは、自分たち日本人を特別の存在だとし、日本の宗教や文化を熱狂的に賛美することである。そして、外国人やその文化を見下し、特に、日本に批判的な人々に対して侮辱的な言動をする、あるいは敵と見なして、その@@を平然とほのめかすような主義主張である。
保守派の私は「現実に存在する」、そのような日本人たちや、その熱狂的で危険な言動に疑問を持ち、この小説を書いている。
もちろん、この小説は批判だけではなくて、その先に、宗教や皇室、愛国心、あるいは民主主義と自由のある社会について考えるという目的、若い女性の生き方についての考察もあるのだが、私にそこまで出来るか、まだわからない。努力はしたいと思っているが。
「愛国者学園物語」の第3部では、美鈴と話し相手は多くのエネルギーを割いて、日本人至上主義の根本にある神道、皇室、愛国心について語っている。その話し合いはもうすぐ終わるので、最後のテーマである愛国心について、美鈴たちは話すことになる。そのために、作者である私は小説の中で、日本の軍隊である自衛隊を批判しなければならない。
それはなぜか。いくつか理由があるけれども、一つ目の理由は、愛国心について考えるためだ。
愛国心とは何か?
それは軍隊だけが作り出せるものか?
国民は軍隊に入隊する、あるいは徴兵されて、自分には愛国心があることを社会に証明しなければならないのか?
という疑問である。
言い方を変えれば、愛国心イコール軍隊なのか? 愛国心イコール軍隊を支持することなのか? ということ。
だから、軍隊嫌いの人は愛国心がないから悪い人だ。という決めつけが世の中で流行し、他人を差別する口実になるのではないか。作者である私は、そういうことを美鈴たちに考えさせる。
そして、そのようなプロセスを経て、美鈴たちは
「愛国心とはなにか」
「愛国心が自国を守る心だとしたら、その任務をこなす軍隊=自衛隊を支持することが愛国心なのか」
あるいは、
「自衛隊に関心がない日本人は悪い日本人なのか」
「日本国民は愛国心を持たなければいけないのか。もし、そうだとしたら、なぜ愛国心を持つ必要があるのか」
という問題を解くことになる。それゆえ、日本の軍隊である自衛隊について考え、批判をする必要があるのだ。
続く
写真は、2018年5月に、東京で展示された海上自衛隊の
護衛艦「はたかぜ」。写真は私が撮影したもの。この艦は全長150m、排水量4600トン、速力30ノット(約55キロ)、260人乗組。機関砲、魚雷発射装置、単射砲などの武装を持つ。データは海自のWebページによった。
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