夏夢(前編) -POEMさんの万代シテイパークフェスに寄せて-
2019年8月31日、9月1日。
この日、リニューアル工事を目前とした新潟市中央区の市民のシンボルである万代シテイの2階、万代シテイパークにて行われたアイドルフェス。
「STAGE FES.」と銘打たれたその観覧無料のフェス、何も知らずに目にした人はさぞかし、新潟のアイドルさんが主催なのだろうと思った人がいたのかもしれない。
ところがどっこい、このフェスは新潟主催ではなく、山脈を隔てた太平洋側、宮城県は杜の都・仙台市を拠点とするアイドルグループ「POEM(敬称略)」の主催であることを知っていた方はどれくらいいただろう。
POEMは2014年結成、現在は4人組。
「右手に愛を、左手に笑を握りしめ」というキャッチフレーズの元に、地元を中心に……してほぼ日本全国を駆け巡っているとんでもなく射程範囲の広いアイドルグループなのである。イデオンガンみたいなものかも知れない。←
オリジナル曲は現在11曲、コード進行の単純明快な明るい沸き曲にして名刺的存在「Keep it up!」から、華やかながらどこか切ない「夏夢」、ゴリゴリのファストハードロックナンバーである最新曲「Paradigm Shift」まで幅広い楽曲を手にしてエネルギッシュなステージを展開する。
そして先述したがどこかしら遠方でライブを行っているため、ファンは軸である東北をはじめとして新潟・北陸、九州に至るまで点在している。昨年行われた都合2日にわたるワンマンライブは福島の郡山と東京の渋谷で開催されたが、見事なまでに全国から彼女らに魅せられたファンが数多く集結した。
ここまでの魅力を持つPOEMが、直接は縁のない(※)新潟で2DAYSの無料観覧フェスを開催したということは、端的にいってとんでもない出来事である。これだけでも「来てくれてありがとう」という感謝の念を隠すことは礼を欠くことになるので、この場を借りて改めて感謝を表明する次第である。
(※実際には何回もイベントで新潟に招かれライブを行っていたり、2018年4月の新潟でのライブツアーの前に新潟日報にて取材を受けていたりと縁は少なからずあることをここに明記しておきたい。また、今回のフェスは万代シテイパークの改装に伴い、是非ここでライブをさせてほしいという働きかけによるものである)
さて、小生がPOEMさんと出会ったのは2017年4月。
ちょうどがんぎっこの4周年記念ライブで、2DAYSが組まれていた。1日めがいわゆるフェスで、2日めははなちゃん、ゆうゆちゃんの卒業公演だった。
1日めのラインナップは、いつも何かの折に共演するグループ(一部単独戦闘型のアイドルもいたが)の他に、愛知県安城市からがんぎっこと同じ商店街アイドルである看板娘。さん、そしてUMUアワードで共演したPOEMさんとS☆UTHERN CROSSさん。まさかの地方都市から全国区でバトルしたという繋がりで、戦国武将の集いかこの日はというラインナップだということをようやく知ったのは開催直前。
小生、UMUアワードの頃は活動休止していたため、POEMはまったくのノーマークであった。
元気と可愛らしさがいっぱいの看板娘。のステージ後にPOEMの出番が控えていた。看板娘。の存在は知っていたので、この次に出るPOEMはまったくの初見となる。どんなステージを見せてくれるのか。
ここで時間軸を30分後に飛ばそう。30分前の小生はどこへやら、拳を握り声を枯らすように言葉を発していた。
「すげえ」
「何だこの子たち」
「めっちゃ楽しい」
そんなことばかり口走って周囲のヲタさんはさぞかしやかましかっただろうと今更ながら振り返る。
それだけの出会いだったのだ。
(※効果には個人差があります)という民放の決まり文句は確かで、それこそ感じ方は人それぞれだろうが、小生にはハマるには容易かった。
元気。笑顔。
「届いてほしい」そんな声なき想いがひしひしと伝わってきた。
この出会いにより小生は翌月、単独県境を越えて福島は郡山まで赴いた。無論POEMのステージを見るためである。そこまで動かされた。
この時改めて気づいたのだが、「初めて県外のアイドルさんに惹かれた」。自分が推していたグループの"繋がり"が生んだ前向きな気持ちの連鎖がこの感情を生んだのだ。
この時、後に推すことになる第二の県外アイドルさん、"雷都少女"にも出会っているのだが、避雷針(雷都少女のファンの名称)となるのはまたその約一年後。
次回はその郡山での出来事も含めて、先日の万代シテイパークでのフェスへの感想を書いていきたい。
つづく
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