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夏休みの図書館でほっこりした話

夏休みの図書館は子どもでいっぱい。

先日行った図書館では子どもを対象にスタンプカードを配布し、
毎日1冊以上の本を借りるごとにスタンプが押され、
スタンプがカードいっぱいに貯まったら、景品がもらえるというイベントを開催していた。

私が椅子に座り、本を読んでいたところ、
3歳くらいの男の子が小さな体を一生懸命に振りながら、
今にも転びそうな勢いで私の座っている椅子の側にある本棚に走ってきた。

スタンプをゲットするために、
急いで借りる本を選ぼうとしているのかな。
子どもならではの光景で可愛いなとほっこりしていた私。

彼が見ている本棚は料理本のコーナー。
この子は美味しそうなお料理の写真が載っている本が好きなのかな?
この歳で絵本よりも料理に行くとは、大人だなぁ。
なんて思いながら、本を選ぶ彼を微笑ましく見守っていた。

本を手にした彼がまた走り始めた。
「まま!これ借りる!!」

ちょうど私の方に歩いてきていた女性が彼の母親だった。
彼が母親に見せた本は
「おとなごはんと一緒に作るあかちゃんごはん」というレシピ本だった。

にっこり笑いながら「いいね〜。借りよう。」と返す母親との会話に癒され、
微笑んでしまう。

そうして、貸出受付に向かおうと母親と子どもが私に背を向けたときに気がついた。母親があかちゃんをおんぶしていたのだ。

この時、彼があの本を選んだことにちゃんと理由があったことを悟った。
彼は家族の一員であるあかちゃんと母親のことを思ってこの本を借りたのかもしれないと思った瞬間、なぜだか涙が溢れそうになった。

子どもって周りが思うほど子どもではないし、
こんな小さな子だろうと兄という自覚を持っているものなのだと学んだ。

走ってきたときは勝手に、
スタンプ集めのために適当に選んでるだなんて思ってごめんね少年。
君は絶対いいお兄ちゃんになるよ。いや、もうなってるね。

心の中でそう呟きながら、
笑顔で帰っていく親子を見届けたほっこりdayだったのでした。

ちなみに、読んでいた本は、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」
癒しのない推理小説を読んでいる途中だったのでちょうどいいほっこりタイムになりました。

今回も読んでいただきありがとうございました。

jeni


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