遠くで空雷の音が聞こえる。 ヤバい位、暗いグレーの雲が空を覆ってしまいそうだ。 もう少しだけ待ってよ。 とにかく今だから走りたいんだ。 召集時間。 緑のフィールドには走り終えた人。忙しく競技の準備に取り掛かる人。今、これから跳ぼうとする人。様々だ。 ピーンと心の糸がより強く張る。 地熱が熱い。 息が少し苦しい。 ごくり。生唾を飲む。 だけど、思った様に飲み下せない。 タータンの上に描かれた白いラインがぐーんと伸びて。 伸びている様で。 ずっと見てると
連日の最高気温は沖縄県で31℃。毎朝ニュースで連日の夏の暑さの報道が続く。部屋では扇風機が忙しく、首を左右に振り続けていた。瓶製の1リットルの炭酸飲料はなかなか蓋が開かなかった。開けられた時のパキパキという小気味の良い音が好きだった。おつかいで空瓶を酒屋さんに届けて、1本5円の臨時収入。宿題はなかなか手がつかなかった。良く理由は分からなかったけど、ラジオ体操は行く様に言われた。 眠い目を擦りながら、出席の判子を貰い、学区の端に住む我が家に帰った。 ダイヤルのチャンネルが付
はじめまして。JEM(ジェム)です。由来は『天然石』好きなので『ジェムストーン』から。 人生の転機の訪れを感じ始め、ここまで生きてきた足跡を形にしてみたくなりました。 ノンフィクションでフィクション。ここではふんわりした不確かで、ありのままの存在で居ようかと思います。